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受け継がれる強さ
更新:2010/10/14 20:16
「親父 聞いてるか」
力強く言い放ったご新郎様
その背中は とても大きな背中でした
私がおふたりに出会ったのは2年前のこと
ご見学にいらっしゃったお二人は とてもおしゃれで話しやすい方
私はすぐにお二人のことが大好きになり
おふたりもエクセレントコーストで
結婚式をしてくださることになりました
それから半年以上が経ったある日
ご新郎様から1本の電話がかかってきました
「実は父の体調が悪くて・・・。日程のことも含めて
直接相談に行ってもいいですか?」
そして数日後 実際にいらしたおふたりからお話を伺うと
信じられない事実がご新郎様の口から語られました
それは ご新郎様のお父様が余命3ヶ月であること
一瞬愕然とした私
どんな言葉を返せばいいのか・・・戸惑っていると
意外な言葉が お二人から返ってきました
「僕たちは どんなことがあっても絶対にこのエクセレントコーストで
結婚式を挙げたい。二人で話し合って決めたんです」
強くそういったご新郎様の瞳には 涙がにじみ
その体は とめどなく押し寄せる悲しみを抑えるように
震えていました
辛い状況の中 すべてを打ち明けてくださったおふたり
そして エクセレントコーストで式を挙げることに
そんなにも強い気持ちを持ってくださっている・・・。
そのことに自然と感謝の気持ちが溢れてきました。
何とか おふたりの力になりたい
私は お二人に待っていただき エクセレントコーストの支配人に
相談をしにいきました。
事情を聞いた支配人はすぐに一言 こういいました
「いつまででも待とう」
お父様が良くなって 数年後に挙げられるかも知れない
ご新郎様の気持ちの整理がつくまでに 長い時間がかかるかも知れない
それでも二人がここで式を挙げる日を楽しみにして
我々は いつまでも待っていよう
エクセレントコーストが お二人のために出来る 唯一の結論でした
それから1年後
チャペルの下には 晴れやかな顔をした
あのおふたりがいました
ご相談にいらした4ヵ月後 再びおふたりがいらっしゃり
改めて結婚式の日程を決めたのでした
おしゃれなお二人の雰囲気いっぱいの素敵な結婚式になり
私も この日を迎えられた安心感と幸せの気持ちでいっぱいでした
ご披露宴を締めくくる謝辞の時間
私の胸を打ったのは ご新郎様の言葉でした
「父がいなくなったことで 僕は今日一緒になる彼女だけでなく
母も守らなければならなくなりました。でも、そのことで僕は強くなれました。
最後に一言 父にメッセージを伝えたいと思います。」
"親父 聞いてるか。俺が守るよ。だから安心してくれ。"
悲しみを強さに
大きな壁を 乗り越えた瞬間でした
小さな頃に見ていた父の背中
届かないけど あったかくて強いその背中
胸を張ってそこに立つご新郎様の背中は
それと同じぬくもりと 強さを持った
大きな背中でした
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