結婚式に行きたくないと思う理由って?断り方のマナーと注意点
2024/3/22 11:00
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おめでたい結婚式とはいえ、時には招待に応えられない気持ちになる場合もあるものです。断るタイミングや伝え方など、欠席と返信をする前に気を付けたい注意点があります。参列しない場合のマナーや新郎新婦へのフォローについて、日本サービスマナー協会認定講師の江頭美鈴さんに伺いました。
招待された結婚式をお断りしたいと思うとき、やむを得ない事情以外にも、気持ちや家計の面などのプライベートな理由によるケースもあるでしょう。いずれにしても出席の有無は、招待された人の意思で決められるので、断っても問題はありません。
ただし、相手が結婚式に招待するのは「自分の晴れの日を、あなたにも祝ってもらいたい」という気持ちがあるからです。その気持ちを大切に受け止めましょう。断るにしても、招待したくれたことへのお礼と欠席とするおわび、そして必ず、お祝いの言葉を添えるのがマナーです。
結婚式の招待を断る場合、挙式後も続く人間関係のためにも配慮が必要です。相手にとって結婚式は大切な一日。忘れずに祝福の言葉を伝えましょう。
お祝い事なので、病気やけが、法要などネガティブな要素での欠席の場合は理由を伝えない方が良いでしょう。欠席に大きな理由がない場合も、無理に伝える必要はありません。しかし、軽い言葉でお断りすると相手を傷つけてしまうこともあるため、相手の気持ちに配慮した言葉選びが大切です。
結婚式が決まると、あらかじめ列席を打診されるケースは多いでしょう。相手が招待状を書く手間を省けることを考えると、招待状が届く前に口頭で欠席を伝えるのがベストです。
【対面】招待状を受け取る前の断り方&ポイント
対面の機会がある相手の場合、打診された会話の流れのタイミングで自然に明るく伝えられると良いでしょう。もし職場が一緒など、顔を合わせる機会が多い場合には、まずは「もしかしたら出られないかも」と伝えます。少し日数を空けてから「結婚式の件、やはり出られず残念です」と2段階にすると断りやすい流れになります。
例文:
「結婚おめでとう!結婚式に誘ってくれてありがとう!すごく残念なんだけれど、その日、実は親戚の集まりがあって出席が難しくて、ごめんなさい。晴れ姿を見たいから、後で写真を見せてね!」
直接会って返事するのが難しい場合には電話で、電話のタイミングも合わない場合には、メールやLINEなどのメッセージツールを使いましょう。
【メール&メッセージツール】招待状を受け取る前の断り方&ポイント
招待状が届く前にメールやメッセージツールで打診があった場合、既読で放置せずにきちんと返信をしましょう。文字だけだと感情が伝わりづらいので、文面が素っ気ない印象にならないように気を付けるのがポイントです。
例文1:目上や親しい間柄ではないケース
「ご結婚おめでとうございます
このたびはお招きいただきまして誠にありがとうございます
とても残念なのですが その日は調整が難しい予定が入っており出席することが叶わず 申し訳なく思います
とても素敵な結婚式になると想像しております
おふたりの末永い幸せを心よりお祈り申し上げます」
例文2:カジュアルでもOKな間柄のケース
「結婚おめでとうございます! 誘ってくれてありがとう
ぜひ出席させていただきたいと思っていたのですがあいにくその日はやむを得ない予定が入り難しい状況です
素敵な晴れ姿を拝見できずに本当に残念……
機会をつくってお祝いをさせてくださいね!
おふたりの輝かしい未来を心から願っております」
お祝いの返信はがきやメッセージには基本的には句読点をつけませんが、メールやメッセージツールで連絡する場合には特に決まりはないため、句読点をつけても構いません。気になる場合には、例のように句読点を外すと良いでしょう。
結婚するという話は耳にしたけれど、直接打診されなかった場合には、招待状が来てから初めて欠席の意思を伝えます。
その際、すぐに相手と連絡が取れるのであれば、招待状の返信を出す前に対面や電話で欠席のおわびとお祝いの言葉を伝えるのがベターです。
【招待状への返信】招待状を通じての断り方&ポイント
●到着から1週間程度で返信する
通常はなるべく早めに返信することが望ましいですが、欠席の返事が一番に届くのは、相手にとってあまり気分の良いものではありません。
逆に期限ぎりぎりまで出席か欠席かどうか分からないというのも、余計な心配をかけてしまいます。招待状が到着したら、1週間程度置いてから返信しましょう。
●黒いペンを使う
慶事では昔から黒い墨が使われてきました。昨今の主流である、筆ペンや万年筆、ボールペンで問題ありませんが、灰色の薄墨や青いペンなど、返信でも黒以外の色を使うのは避けましょう。
●二重線を使って文字を修正
「御出席」の文字すべてと、「御欠席」と「御住所」の「御」を二重線や「寿」の文字で修正します。また、「御芳名」の「芳」には立派なものという意味があるため、「御芳」を消して「名」だけを残します。
二重線は丁寧に定規を使い、基本的には縦書きの場合は縦の二重線、横書きの場合は横の二重線にします。
一般的なマナーと同様、表面の宛先にある相手の名前の「行」、「宛」は、二重線または「寿」で訂正し、「様」と忘れずに書き添えましょう。
●句読点は使わない
基本的に、お祝い事の文章には「止める」「終わり」を意味する「、」「。」は使用しません。スペースや改行で読みやすく工夫しましょう。
マナーは時代とともに変化するため神経質になる必要はありませんが、覚えておくと大人としての振る舞いを知っている印象になります。
●忌み言葉、重ね言葉を使わない
「終わる」「敗れる」「去る」「散る」「ほどける」「離れる」「切れる」などの忌み言葉や、「くれぐれも」「ますます」「わざわざ」などの再婚を連想させる重ね言葉には気を付けましょう。
●メッセージを添える
招待してくれたことへのお礼、欠席のおわび、お祝いの言葉を添えましょう。
例文1:
「このたびはご結婚 誠におめでとうございます せっかくお招きいただきましたのにやむを得ない予定があり 出席することが叶いません 誠に申し訳なく思っております おふたりの末永い幸せを心よりお祈りしております」
例文2:
「ご結婚おめでとうございます お招きいただき嬉しいのですが 予定の調整ができずに 欠席させていただきます とても残念です おふたりの輝かしい未来を願っております」
なるべく避けたいことですが、出席と返信したもののやはり欠席することになったら、先延ばしにせずに、早めに連絡をしましょう。
本来は理由を伝えた方が相手に心配をかけずに済みますが、自分都合の理由の場合には具体的に伝えるのは避け、おわびの気持ちをしっかりと伝えます。伝達方法の優先度は、対面、電話、メール・メッセージツールの順番がベストです。
例文:
「電話のタイミングが合わずメールで失礼します。結婚式に出席できる予定だったのに、急にやむを得ない事情ができてしまい欠席しなければならなくなりました。楽しみにしていたのですが、本当にごめんなさい。あなたが落ち着いたらまた個別でお祝いさせてください」
結婚式を欠席する場合であっても、結婚を祝う気持ちを込めて新郎新婦にご祝儀や贈り物をすると喜ばれます。参列をせずご祝儀を渡したい場合、いくら程度をどのタイミングでどのように届けるのが良いのか、参列しない場合のご祝儀の贈り方に関するマナーを解説します。
一般的に、出席した場合の半額から3分の1程度の金額を贈ります。友人や同僚として出席する場合、昨今のご祝儀は3万円が相場なので目安は1万円です。相手との関係性によっては、プチギフトを添えても喜ばれるでしょう。
披露宴の料理や引出物の数は約2週間前には決定し、それ以降は変えられないことが多いため、直前のお断りになってしまった場合は、配慮して出席したときと同等の金額を贈るのがマナーです。
お断りの意思を伝えたら、ご祝儀はなるべく早く相手に届けましょう。挙式の1〜2カ月前までに贈るのがマナーです。前もって贈ることで、欠席はするけれども祝福しているという気持ちが新郎新婦に伝わるでしょう。
無理なく会えるのであれば、お祝いの言葉とともに手渡しするのが良いでしょう。なかなか会う機会がない場合には、現金書留で送ります。その際、新札をご祝儀袋に包み、手紙かメッセージを添えて現金書留の専用封筒に入れましょう。
ご祝儀袋は、贈る金額が1万円程度の場合、立派すぎると中の金額と釣り合いが取れません。昨今はカジュアルなものや洋風のものなど、可愛らしいご祝儀袋もあります。相手のイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。
打診があった段階で断っていて、普段のお付き合いも薄いケースでは、ご祝儀の代わりに結婚式当日に祝電のみでも良いでしょう。普段からお付き合いがある場合には、お祝いの品を贈るのもおすすめです。断りを入れたアフターケアとしてお祝いの気持ちを表現する方法をピックアップしました。
式の数日前から前日までに式場に宛てて祝電を送ると、出席できなくても祝福する気持ちを伝えることができます。ギフト付き電報、バルーンにメッセージを付けられるものなど種類もいろいろあるので、プレゼントを兼ねて贈るのもおすすめです。
1万円を目安に、お祝いの品を贈るのも良いでしょう。かつては「縁が切れる」「仲が割れる」に繋がるとして刃物や割れ物、くしやハンカチなどを避けるという慣習がありましたが、昨今は実用的なキッチン用品や食器、高級タオルなども喜ばれる贈り物です。親しい相手ならリクエストを聞いて贈るのも良いでしょう。
可能であれば、短くてもよいので贈り物に手紙やカードを添えましょう。メッセージの中で相手の配偶者のことに触れ、「素敵な人と巡り合えて良かったですね」などの温かい言葉と、新郎新婦を祝う気持ちを伝えると良いでしょう。また、贈り物にのし紙をかけたい場合には、「御祝」「寿」「御結婚御祝」などとします。
宅配便で送る場合は、宛名を連名にしなくても問題ありません。引越しを予定している場合は新居に送りましょう。
少し特別感のあるレストランでお祝いの席を設けると相手にも喜ばれます。結婚式を終えて落ち着いた頃に、「ふたりの出会いや結婚のきっかけは?」「相手はどんな人なのか聞きたいな」など、結婚に関心を向けた言葉を添えて声を掛けてみましょう。関係性によってはご夫婦をお誘いしても良いでしょう。
ごちそうする相場は3000円くらいのランチコースや5000円くらいのディナーのコースが目安です。プラスしてプチギフトや小さめの花束などを用意しておくのも良いでしょう。
※データ出典:マクロミル
ここまで結婚式の招待の断り方のマナーについて解説してきましたが、ここからは20〜30代の男女412名に聞いたアンケート結果を基に、結婚式の招待に対する本音に迫ります。
実際のところ、結婚式に招待されたものの行きたくないと思ったことのある人はどの程度いるのでしょうか?
「結婚式に招待されて、行きたくないと思ったことはありますか?」という質問では、「ある」が53.9%、「ない」が46.1%の割合でした。半数以上が結婚式に行きたくないと思った経験があることが分かりました。
結婚式に行きたくない理由にはどのようなものがあるでしょうか?アンケートでは、結婚式に行きたくないと思った理由も聞いてみました。
●そんなに親しくない人の結婚式だったから(32歳/男性)
●何年も連絡を取っていない友人の結婚式だった(34歳/男性)
●会社関係者ばかりの式だったので行く気になれなかった(37歳/男性)
●ほかの招待客に知り合いが少なかった(24歳/女性)
現在は疎遠な関係であったり、会社関係者で仕事上の付き合いだったりと、招待をしてくれた新郎や新婦に強い絆を感じていない場合は、自分がお祝いの席に参加するという実感が湧きづらいケースが多いようです。また、招待客の中に知り合いがいない場合にも、参列に不安や気後れを感じるという声もありました。
●金銭面にあまり余裕がなかったから(25歳/男性)
●遠方で飛行機に乗らなければならない距離の結婚式だった(36歳/女性)
結婚式が続いていたり、就職したばかりだったりと、ご祝儀を包む余裕がない場合に出席にためらいを感じるという回答も目立ちました。
同様に、海外や遠方の挙式の場合も参列をちゅうちょするケースが多いようです。特に日帰りが難しい場所の場合、新幹線や飛行機のチケット、宿泊施設を押さえる必要があるため、ご祝儀以外にも出費がかさむことが考えられます。
●準備が大変で面倒に感じたから(22歳/女性)
●当時、自分が結婚していなかったため気分が乗らなかった(34歳/女性)
参列するための事前準備がおっくうな気持ちから、出席そのものを面倒に感じることもあります。しきたりやマナーの型が決まっているため、人によっては格式張った場所を苦手に感じ、参列が心の負担になる場合もあるかもしれません。
また、自分のプライベートが順調でない場合など、どうしてもお祝いの気分になれない時にも「結婚式に行きたくない」と思うことがあるようです。
※データ出典:マクロミル
理由はさまざまですが、結婚式に行きたくないと思ったことがある人が多いという結果でした。では、実際のところ、参列と欠席のどちらを決断したのでしょうか?
アンケートで結婚式に行きたくないと思ったことがある人に、実際に参列したかを聞いてみると、「参列した」が61.9%、「参列しなかった」が38.1%という結果になりました。出席を悩みつつも、6割以上が参列しています。
参列した結果、結婚式ではどのような感想を持ったのでしょうか?
●幸せそうな人たちとおいしい食事を食べると気分が変わった(36歳/女性)
●自分の結婚式のイメージづくりができた(25歳/女性)
●昔の親友に会えて話が盛り上がった(33歳/男性)
●友達の晴れ姿に感動した(29歳/男性)
●人間関係が保てたので、結果として行って良かった(35歳/女性)
回答では、お祝いムードの会場で料理や会話を楽しんだり、新郎新婦の幸せそうな姿を見たり実際に行ってみたら楽しかったという声がありました。また、新郎新婦との今後の関係性を考慮して行って良かったと感じるケースもあるようです。
結婚式は、新郎新婦にとっては人生の一大イベントともいえる特別な日です。やむを得ず結婚式を欠席する場合でも、相手への配慮を忘れないことが大切です。また、お祝いの気持ちは誠意を持って伝えましょう。
参列を迷っている場合でも、実際に参加してみると当日には楽しいことが待っているかもしれません。お祝いの場ですから、ポジティブな気持ちで臨んでみてはいかがでしょうか。
取材・文/みつり
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人 日本サービスマナー協会認定講師/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージコンサルタント代表理事/M.E.プロダクション代表
日本サービスマナー協会認定講師として、企業・団体から個人向けに、「ビジネスマナー研修」「傾聴スキル研修」など幅広く担当し、「和やかで明るく分かりやすい」と受講者から好評。マナー講師の仕事を中心に、自社事業の経営、企業などの人材育成に携わる。また、心理カウンセラーとして、モチベーションアップやメンタル強化のサポートをしている。
日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/
公式HP:https://me-pro.biz/index.php
【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2023/11/9〜2023/11/10
有効回答数:412人(男性206人、女性206人)
(インターネットによる20〜30代男女向けアンケート調査 調査機関:マクロミル)
招待された結婚式は断ってもいいの?
招待された結婚式をお断りしたいと思うとき、やむを得ない事情以外にも、気持ちや家計の面などのプライベートな理由によるケースもあるでしょう。いずれにしても出席の有無は、招待された人の意思で決められるので、断っても問題はありません。
ただし、相手が結婚式に招待するのは「自分の晴れの日を、あなたにも祝ってもらいたい」という気持ちがあるからです。その気持ちを大切に受け止めましょう。断るにしても、招待したくれたことへのお礼と欠席とするおわび、そして必ず、お祝いの言葉を添えるのがマナーです。
結婚式の断り方と注意点
結婚式の招待を断る場合、挙式後も続く人間関係のためにも配慮が必要です。相手にとって結婚式は大切な一日。忘れずに祝福の言葉を伝えましょう。
お祝い事なので、病気やけが、法要などネガティブな要素での欠席の場合は理由を伝えない方が良いでしょう。欠席に大きな理由がない場合も、無理に伝える必要はありません。しかし、軽い言葉でお断りすると相手を傷つけてしまうこともあるため、相手の気持ちに配慮した言葉選びが大切です。
招待状を受け取る前に参列を打診された場合
結婚式が決まると、あらかじめ列席を打診されるケースは多いでしょう。相手が招待状を書く手間を省けることを考えると、招待状が届く前に口頭で欠席を伝えるのがベストです。
【対面】招待状を受け取る前の断り方&ポイント
対面の機会がある相手の場合、打診された会話の流れのタイミングで自然に明るく伝えられると良いでしょう。もし職場が一緒など、顔を合わせる機会が多い場合には、まずは「もしかしたら出られないかも」と伝えます。少し日数を空けてから「結婚式の件、やはり出られず残念です」と2段階にすると断りやすい流れになります。
例文:
「結婚おめでとう!結婚式に誘ってくれてありがとう!すごく残念なんだけれど、その日、実は親戚の集まりがあって出席が難しくて、ごめんなさい。晴れ姿を見たいから、後で写真を見せてね!」
直接会って返事するのが難しい場合には電話で、電話のタイミングも合わない場合には、メールやLINEなどのメッセージツールを使いましょう。
【メール&メッセージツール】招待状を受け取る前の断り方&ポイント
招待状が届く前にメールやメッセージツールで打診があった場合、既読で放置せずにきちんと返信をしましょう。文字だけだと感情が伝わりづらいので、文面が素っ気ない印象にならないように気を付けるのがポイントです。
例文1:目上や親しい間柄ではないケース
「ご結婚おめでとうございます
このたびはお招きいただきまして誠にありがとうございます
とても残念なのですが その日は調整が難しい予定が入っており出席することが叶わず 申し訳なく思います
とても素敵な結婚式になると想像しております
おふたりの末永い幸せを心よりお祈り申し上げます」
例文2:カジュアルでもOKな間柄のケース
「結婚おめでとうございます! 誘ってくれてありがとう
ぜひ出席させていただきたいと思っていたのですがあいにくその日はやむを得ない予定が入り難しい状況です
素敵な晴れ姿を拝見できずに本当に残念……
機会をつくってお祝いをさせてくださいね!
おふたりの輝かしい未来を心から願っております」
お祝いの返信はがきやメッセージには基本的には句読点をつけませんが、メールやメッセージツールで連絡する場合には特に決まりはないため、句読点をつけても構いません。気になる場合には、例のように句読点を外すと良いでしょう。
招待状が届いた後に欠席で返信する場合
結婚するという話は耳にしたけれど、直接打診されなかった場合には、招待状が来てから初めて欠席の意思を伝えます。
その際、すぐに相手と連絡が取れるのであれば、招待状の返信を出す前に対面や電話で欠席のおわびとお祝いの言葉を伝えるのがベターです。
【招待状への返信】招待状を通じての断り方&ポイント
●到着から1週間程度で返信する
通常はなるべく早めに返信することが望ましいですが、欠席の返事が一番に届くのは、相手にとってあまり気分の良いものではありません。
逆に期限ぎりぎりまで出席か欠席かどうか分からないというのも、余計な心配をかけてしまいます。招待状が到着したら、1週間程度置いてから返信しましょう。
●黒いペンを使う
慶事では昔から黒い墨が使われてきました。昨今の主流である、筆ペンや万年筆、ボールペンで問題ありませんが、灰色の薄墨や青いペンなど、返信でも黒以外の色を使うのは避けましょう。
●二重線を使って文字を修正
「御出席」の文字すべてと、「御欠席」と「御住所」の「御」を二重線や「寿」の文字で修正します。また、「御芳名」の「芳」には立派なものという意味があるため、「御芳」を消して「名」だけを残します。
二重線は丁寧に定規を使い、基本的には縦書きの場合は縦の二重線、横書きの場合は横の二重線にします。
一般的なマナーと同様、表面の宛先にある相手の名前の「行」、「宛」は、二重線または「寿」で訂正し、「様」と忘れずに書き添えましょう。
●句読点は使わない
基本的に、お祝い事の文章には「止める」「終わり」を意味する「、」「。」は使用しません。スペースや改行で読みやすく工夫しましょう。
マナーは時代とともに変化するため神経質になる必要はありませんが、覚えておくと大人としての振る舞いを知っている印象になります。
●忌み言葉、重ね言葉を使わない
「終わる」「敗れる」「去る」「散る」「ほどける」「離れる」「切れる」などの忌み言葉や、「くれぐれも」「ますます」「わざわざ」などの再婚を連想させる重ね言葉には気を付けましょう。
●メッセージを添える
招待してくれたことへのお礼、欠席のおわび、お祝いの言葉を添えましょう。
例文1:
「このたびはご結婚 誠におめでとうございます せっかくお招きいただきましたのにやむを得ない予定があり 出席することが叶いません 誠に申し訳なく思っております おふたりの末永い幸せを心よりお祈りしております」
例文2:
「ご結婚おめでとうございます お招きいただき嬉しいのですが 予定の調整ができずに 欠席させていただきます とても残念です おふたりの輝かしい未来を願っております」
招待状では出席としたが、その後欠席に変更する場合
なるべく避けたいことですが、出席と返信したもののやはり欠席することになったら、先延ばしにせずに、早めに連絡をしましょう。
本来は理由を伝えた方が相手に心配をかけずに済みますが、自分都合の理由の場合には具体的に伝えるのは避け、おわびの気持ちをしっかりと伝えます。伝達方法の優先度は、対面、電話、メール・メッセージツールの順番がベストです。
例文:
「電話のタイミングが合わずメールで失礼します。結婚式に出席できる予定だったのに、急にやむを得ない事情ができてしまい欠席しなければならなくなりました。楽しみにしていたのですが、本当にごめんなさい。あなたが落ち着いたらまた個別でお祝いさせてください」
結婚式に参列しない場合のご祝儀の贈り方
結婚式を欠席する場合であっても、結婚を祝う気持ちを込めて新郎新婦にご祝儀や贈り物をすると喜ばれます。参列をせずご祝儀を渡したい場合、いくら程度をどのタイミングでどのように届けるのが良いのか、参列しない場合のご祝儀の贈り方に関するマナーを解説します。
ご祝儀の金額
一般的に、出席した場合の半額から3分の1程度の金額を贈ります。友人や同僚として出席する場合、昨今のご祝儀は3万円が相場なので目安は1万円です。相手との関係性によっては、プチギフトを添えても喜ばれるでしょう。
披露宴の料理や引出物の数は約2週間前には決定し、それ以降は変えられないことが多いため、直前のお断りになってしまった場合は、配慮して出席したときと同等の金額を贈るのがマナーです。
ご祝儀を渡すタイミング
お断りの意思を伝えたら、ご祝儀はなるべく早く相手に届けましょう。挙式の1〜2カ月前までに贈るのがマナーです。前もって贈ることで、欠席はするけれども祝福しているという気持ちが新郎新婦に伝わるでしょう。
ご祝儀の贈り方
無理なく会えるのであれば、お祝いの言葉とともに手渡しするのが良いでしょう。なかなか会う機会がない場合には、現金書留で送ります。その際、新札をご祝儀袋に包み、手紙かメッセージを添えて現金書留の専用封筒に入れましょう。
ご祝儀袋は、贈る金額が1万円程度の場合、立派すぎると中の金額と釣り合いが取れません。昨今はカジュアルなものや洋風のものなど、可愛らしいご祝儀袋もあります。相手のイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。
ご祝儀以外にお祝いの気持ちを伝える方法は?
打診があった段階で断っていて、普段のお付き合いも薄いケースでは、ご祝儀の代わりに結婚式当日に祝電のみでも良いでしょう。普段からお付き合いがある場合には、お祝いの品を贈るのもおすすめです。断りを入れたアフターケアとしてお祝いの気持ちを表現する方法をピックアップしました。
当日に電報を送る
式の数日前から前日までに式場に宛てて祝電を送ると、出席できなくても祝福する気持ちを伝えることができます。ギフト付き電報、バルーンにメッセージを付けられるものなど種類もいろいろあるので、プレゼントを兼ねて贈るのもおすすめです。
お祝いの品を贈る
1万円を目安に、お祝いの品を贈るのも良いでしょう。かつては「縁が切れる」「仲が割れる」に繋がるとして刃物や割れ物、くしやハンカチなどを避けるという慣習がありましたが、昨今は実用的なキッチン用品や食器、高級タオルなども喜ばれる贈り物です。親しい相手ならリクエストを聞いて贈るのも良いでしょう。
可能であれば、短くてもよいので贈り物に手紙やカードを添えましょう。メッセージの中で相手の配偶者のことに触れ、「素敵な人と巡り合えて良かったですね」などの温かい言葉と、新郎新婦を祝う気持ちを伝えると良いでしょう。また、贈り物にのし紙をかけたい場合には、「御祝」「寿」「御結婚御祝」などとします。
宅配便で送る場合は、宛名を連名にしなくても問題ありません。引越しを予定している場合は新居に送りましょう。
ディナーやランチなど食事に誘う
少し特別感のあるレストランでお祝いの席を設けると相手にも喜ばれます。結婚式を終えて落ち着いた頃に、「ふたりの出会いや結婚のきっかけは?」「相手はどんな人なのか聞きたいな」など、結婚に関心を向けた言葉を添えて声を掛けてみましょう。関係性によってはご夫婦をお誘いしても良いでしょう。
ごちそうする相場は3000円くらいのランチコースや5000円くらいのディナーのコースが目安です。プラスしてプチギフトや小さめの花束などを用意しておくのも良いでしょう。
【DATA】結婚式に行きたくないと思ったことはある?
※データ出典:マクロミル
ここまで結婚式の招待の断り方のマナーについて解説してきましたが、ここからは20〜30代の男女412名に聞いたアンケート結果を基に、結婚式の招待に対する本音に迫ります。
実際のところ、結婚式に招待されたものの行きたくないと思ったことのある人はどの程度いるのでしょうか?
「結婚式に招待されて、行きたくないと思ったことはありますか?」という質問では、「ある」が53.9%、「ない」が46.1%の割合でした。半数以上が結婚式に行きたくないと思った経験があることが分かりました。
【DATA】結婚式に行きたくない理由・事情は?
結婚式に行きたくない理由にはどのようなものがあるでしょうか?アンケートでは、結婚式に行きたくないと思った理由も聞いてみました。
親しくない人の結婚式だった
●そんなに親しくない人の結婚式だったから(32歳/男性)
●何年も連絡を取っていない友人の結婚式だった(34歳/男性)
●会社関係者ばかりの式だったので行く気になれなかった(37歳/男性)
●ほかの招待客に知り合いが少なかった(24歳/女性)
現在は疎遠な関係であったり、会社関係者で仕事上の付き合いだったりと、招待をしてくれた新郎や新婦に強い絆を感じていない場合は、自分がお祝いの席に参加するという実感が湧きづらいケースが多いようです。また、招待客の中に知り合いがいない場合にも、参列に不安や気後れを感じるという声もありました。
金銭的に余裕がなかった
●金銭面にあまり余裕がなかったから(25歳/男性)
●遠方で飛行機に乗らなければならない距離の結婚式だった(36歳/女性)
結婚式が続いていたり、就職したばかりだったりと、ご祝儀を包む余裕がない場合に出席にためらいを感じるという回答も目立ちました。
同様に、海外や遠方の挙式の場合も参列をちゅうちょするケースが多いようです。特に日帰りが難しい場所の場合、新幹線や飛行機のチケット、宿泊施設を押さえる必要があるため、ご祝儀以外にも出費がかさむことが考えられます。
どうしても参列する気分になれなかった
●準備が大変で面倒に感じたから(22歳/女性)
●当時、自分が結婚していなかったため気分が乗らなかった(34歳/女性)
参列するための事前準備がおっくうな気持ちから、出席そのものを面倒に感じることもあります。しきたりやマナーの型が決まっているため、人によっては格式張った場所を苦手に感じ、参列が心の負担になる場合もあるかもしれません。
また、自分のプライベートが順調でない場合など、どうしてもお祝いの気分になれない時にも「結婚式に行きたくない」と思うことがあるようです。
【DATA】結局、行きたくない結婚式に参列した?
※データ出典:マクロミル
理由はさまざまですが、結婚式に行きたくないと思ったことがある人が多いという結果でした。では、実際のところ、参列と欠席のどちらを決断したのでしょうか?
アンケートで結婚式に行きたくないと思ったことがある人に、実際に参列したかを聞いてみると、「参列した」が61.9%、「参列しなかった」が38.1%という結果になりました。出席を悩みつつも、6割以上が参列しています。
参列した結果、結婚式ではどのような感想を持ったのでしょうか?
●幸せそうな人たちとおいしい食事を食べると気分が変わった(36歳/女性)
●自分の結婚式のイメージづくりができた(25歳/女性)
●昔の親友に会えて話が盛り上がった(33歳/男性)
●友達の晴れ姿に感動した(29歳/男性)
●人間関係が保てたので、結果として行って良かった(35歳/女性)
回答では、お祝いムードの会場で料理や会話を楽しんだり、新郎新婦の幸せそうな姿を見たり実際に行ってみたら楽しかったという声がありました。また、新郎新婦との今後の関係性を考慮して行って良かったと感じるケースもあるようです。
結婚式を欠席する場合にも相手への配慮は忘れずに
結婚式は、新郎新婦にとっては人生の一大イベントともいえる特別な日です。やむを得ず結婚式を欠席する場合でも、相手への配慮を忘れないことが大切です。また、お祝いの気持ちは誠意を持って伝えましょう。
参列を迷っている場合でも、実際に参加してみると当日には楽しいことが待っているかもしれません。お祝いの場ですから、ポジティブな気持ちで臨んでみてはいかがでしょうか。
取材・文/みつり
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人 日本サービスマナー協会認定講師/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージコンサルタント代表理事/M.E.プロダクション代表
日本サービスマナー協会認定講師として、企業・団体から個人向けに、「ビジネスマナー研修」「傾聴スキル研修」など幅広く担当し、「和やかで明るく分かりやすい」と受講者から好評。マナー講師の仕事を中心に、自社事業の経営、企業などの人材育成に携わる。また、心理カウンセラーとして、モチベーションアップやメンタル強化のサポートをしている。
日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/
公式HP:https://me-pro.biz/index.php
【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2023/11/9〜2023/11/10
有効回答数:412人(男性206人、女性206人)
(インターネットによる20〜30代男女向けアンケート調査 調査機関:マクロミル)