結婚観とは?昔と今に違いはある?調査結果でみる男女の結婚意識
Index
- #01 「結婚観」とは
- #02 結婚願望がある人の割合と結婚を考える理由
- #03 昔と今で「結婚観」は違う?
- #04 結婚観は人それぞれ!
結婚観について、昔と今との違い、男女での違いなどを調査結果から分析。結婚したいかどうか、結婚するなら何歳までにしたいか、結婚相手に求める条件、結婚する・しないことのメリットをどう考えているかなどをまとめました。併せて、恋愛・結婚をはじめ人間関係のコミュニケーションの専門家である、一般社団法人異性間コミュニケーション協会代表理事の佐藤律子さんにお話を伺いました。
結婚観とは、結婚に対する考え方のこと。「結婚とはこういうものだ、こうあるべきだ、というような意見や考え方などのこと」を意味します。
「結婚観」の例としては、
・20代で結婚して子どもは3人欲しい
・恋人は欲しいけれど結婚するつもりはない
・結婚しても子どもは欲しくない
などが挙げられます。
時代が移り変わるにつれ、事実婚や別居婚など、従来の「結婚」への価値観は大きく変わってきました。「いい人がいれば結婚したい」というものから、結婚はしてもしなくてもいい、結婚したい人がするものという考え方まで、結婚観はさまざまです。
過去にセキララゼクシィで調査した結果では、「いずれ結婚したい」と考えている人の割合は、男性58.6%、女性88.9%でした。
また、結婚したい理由は以下のような結果でした。
1位:愛情を感じる人と暮らしたい
2位:精神的な安らぎが欲しい
3位:子どもが欲しい
4位:親や周囲の期待に応えたい
5位:経済的な安定が欲しい
女性はほとんどの人がいずれ結婚したいと考えているようです。男性も結婚願望がある人は半分以上いますが、女性の方が結婚したいと思っている人は多いようです。いずれ結婚したい理由は、男女共に「愛情を感じる人と暮らしたい」「精神的な安らぎが欲しい」「子どもが欲しい」が上位にランクインし、TOP5に挙がった理由も男女ほぼ同じでした。
既婚者に「結婚してよかった」と思う理由を聞いてみると、「夫婦・家族の時間に幸せを感じる」「愛情を感じる人と暮らすことができる」「精神的な安らぎが得られる」「子ども・家族が持てる」という理由が上位に。結婚したい理由とマッチするので、結婚したら願望は満たされているということが考えられます。
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結婚したい人必見!男女の結婚観から婚活で失敗しないコツまで
内閣府が発表した「少子化社会白書」のデータや国立社会保障・人口問題研究所のデータを基に、1980年代と2000年代を比較してみました。過去20年間で結婚観はどのように変化し、また現代の結婚観にはどのような傾向が見られるのでしょうか?
結婚の時期に対する考え方
1980年代では「ある程度の年齢までには結婚するつもり」が約6割を占めていますが、2000年代では4割程度まで減少しています。
・参考:少子化社会白書(全体版)結婚・出産に対する価値観の変化/平成16年:第1‐2‐15図 結婚の時期に対する考え方(未婚者)(内閣府)
希望する結婚年齢
結婚する希望年齢は1980年代では男性28.4歳、女性25.6歳でしたが、2015年では男性30.4歳、女性28.7歳と上がっています。
・参考:第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)/平成27(2015)年:図表I-3-1 調査・年齢別にみた、未婚者の平均希望結婚年齢の推移(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚を希望する年齢層が上がっている理由として考えられるのは、女性の社会進出です。20年前と比較すると、女性も社会に出て活躍することが一般的になっており、早く結婚して家庭を持つことよりも仕事を通して成長することや、プライベートを充実させたいという傾向が高まっていることなどが理由として考えられます。
希望するライフスタイル
未婚女性が理想とするライフスタイルのうち、1990年代には「結婚後は生涯専業主婦でいたい人」が減少し、その後は「結婚し子どもを持つが、仕事を一生続けたい人」が緩やかな増加傾向にあります。
また、実際にこうなりそうだと考えるライフスタイルでは、「専業主婦」の減少が続いており、2015年では1割未満となっています。一方「結婚せず、仕事を一生続ける」は2割を超えており、「結婚し子どもを持つが、仕事は一生続ける」も増加傾向にあります。
・参考:第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)/平成27(2015)年:図表I-3-3 調査別にみた、女性の理想・予定のライフコース、男性がパートナーに望むライフコース(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚相手に求める条件
結婚相手に求める条件として男女共に「家事・育児の能力」、「自分の仕事への理解」を重視していますが、1980年代よりも2015年の方がその割合は増えています。
また、女性は20年前から「経済力」、「職業」を重視している人が多いのですが、近年は男性でも「経済力」、「職業」を重視する割合が増えてきています。
・参考:第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)/平成27(2015)年:図表I-3-4 調査別にみた、結婚相手の条件として考慮・重視する割合の推移(国立社会保障・人口問題研究所)
男性が働き、女性は家庭に入るという考えはもう過去のもの。結婚相手の条件に「家事をしてほしい」「育児を担ってほしい」といった回答が挙がる背景には、性別を問わず仕事も家庭も夫婦共同で担っていくのだという考え方が広がりつつあることが影響しているのではないでしょうか?
未婚者が考える「結婚すること、しないこと」のメリット
未婚者に対しての調査では、男女共に「独身生活にメリットがある」と考えている人の割合の方が「結婚することにメリットがある」と考えている人の割合よりも多い結果となっています。しかし、その割合は男女共にわずかに減りつつあります。
・参考:少子化社会白書(全体版)結婚・出産に対する価値観の変化/平成16年:第1‐2‐16表 未婚者の結婚の利点、独身生活の利点に対する考え(内閣府)
結婚しないという選択について
2001年の調査では、「結婚しなくても、豊かで満足のいく生活ができる」と考えている人は3割強、「どちらともいえない」が5割弱、否定する人が2割となりました。肯定派と中立派でほぼ8割を占め、誰しもが結婚=幸せと考えているわけではないことがわかります。
・参考:少子化社会白書(全体版)結婚・出産に対する価値観の変化/平成16年:第1‐2‐18表 「結婚しなくても、豊かで満足のいく生活ができる」という考えについて(内閣府)
現代では、結婚するかしないかではなく、収入や生活が自立していることが豊かな人生の条件になっているのではないでしょうか。婚姻制度にとらわれないジェンダーの平等に準じた「パートナー婚」など、さまざまなカップルの形が見直されつつあります。
結婚観をはじめ、ライフスタイルは時代につれて多様化しています。パートナーを持つ、持たないを含め、自分が一番幸せな生き方は何なのか?を考えてみる必要があるかもしれません。後悔のない、自分らしい選択をしていきましょう!
取材・文/とみこ
【監修】
佐藤律子さん
一般社団法人異性間コミュニケーション協会代表理事。
恋愛、婚活、夫婦問題、子育て、ハラスメント、マネジメント、女性活躍、LGBTQなど人間関係についての専門協会として、認定講師100名以上が在籍する。自治体婚活イベントのカップル成立率60%以上、異性間コミュニケーション研修の受講者は延べ3万人を超える。『最高に幸せな“たった1つの恋”を実らせるレッスン』(大和書房)他著書多数。テレビ番組の恋愛・結婚コーナーの監修、出演実績も豊富。
「結婚観」とは
結婚観とは、結婚に対する考え方のこと。「結婚とはこういうものだ、こうあるべきだ、というような意見や考え方などのこと」を意味します。
「結婚観」の例としては、
・20代で結婚して子どもは3人欲しい
・恋人は欲しいけれど結婚するつもりはない
・結婚しても子どもは欲しくない
などが挙げられます。
時代が移り変わるにつれ、事実婚や別居婚など、従来の「結婚」への価値観は大きく変わってきました。「いい人がいれば結婚したい」というものから、結婚はしてもしなくてもいい、結婚したい人がするものという考え方まで、結婚観はさまざまです。
結婚願望がある人の割合と結婚を考える理由
過去にセキララゼクシィで調査した結果では、「いずれ結婚したい」と考えている人の割合は、男性58.6%、女性88.9%でした。
また、結婚したい理由は以下のような結果でした。
1位:愛情を感じる人と暮らしたい
2位:精神的な安らぎが欲しい
3位:子どもが欲しい
4位:親や周囲の期待に応えたい
5位:経済的な安定が欲しい
女性はほとんどの人がいずれ結婚したいと考えているようです。男性も結婚願望がある人は半分以上いますが、女性の方が結婚したいと思っている人は多いようです。いずれ結婚したい理由は、男女共に「愛情を感じる人と暮らしたい」「精神的な安らぎが欲しい」「子どもが欲しい」が上位にランクインし、TOP5に挙がった理由も男女ほぼ同じでした。
既婚者に「結婚してよかった」と思う理由を聞いてみると、「夫婦・家族の時間に幸せを感じる」「愛情を感じる人と暮らすことができる」「精神的な安らぎが得られる」「子ども・家族が持てる」という理由が上位に。結婚したい理由とマッチするので、結婚したら願望は満たされているということが考えられます。
\こちらの記事もチェック!/
結婚したい人必見!男女の結婚観から婚活で失敗しないコツまで
昔と今で「結婚観」は違う?
内閣府が発表した「少子化社会白書」のデータや国立社会保障・人口問題研究所のデータを基に、1980年代と2000年代を比較してみました。過去20年間で結婚観はどのように変化し、また現代の結婚観にはどのような傾向が見られるのでしょうか?
何歳で結婚したい?
結婚の時期に対する考え方
1980年代では「ある程度の年齢までには結婚するつもり」が約6割を占めていますが、2000年代では4割程度まで減少しています。
・参考:少子化社会白書(全体版)結婚・出産に対する価値観の変化/平成16年:第1‐2‐15図 結婚の時期に対する考え方(未婚者)(内閣府)
希望する結婚年齢
結婚する希望年齢は1980年代では男性28.4歳、女性25.6歳でしたが、2015年では男性30.4歳、女性28.7歳と上がっています。
・参考:第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)/平成27(2015)年:図表I-3-1 調査・年齢別にみた、未婚者の平均希望結婚年齢の推移(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚を希望する年齢層が上がっている理由として考えられるのは、女性の社会進出です。20年前と比較すると、女性も社会に出て活躍することが一般的になっており、早く結婚して家庭を持つことよりも仕事を通して成長することや、プライベートを充実させたいという傾向が高まっていることなどが理由として考えられます。
結婚後の理想と相手に求めるものは?
希望するライフスタイル
未婚女性が理想とするライフスタイルのうち、1990年代には「結婚後は生涯専業主婦でいたい人」が減少し、その後は「結婚し子どもを持つが、仕事を一生続けたい人」が緩やかな増加傾向にあります。
また、実際にこうなりそうだと考えるライフスタイルでは、「専業主婦」の減少が続いており、2015年では1割未満となっています。一方「結婚せず、仕事を一生続ける」は2割を超えており、「結婚し子どもを持つが、仕事は一生続ける」も増加傾向にあります。
・参考:第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)/平成27(2015)年:図表I-3-3 調査別にみた、女性の理想・予定のライフコース、男性がパートナーに望むライフコース(国立社会保障・人口問題研究所)
結婚相手に求める条件
結婚相手に求める条件として男女共に「家事・育児の能力」、「自分の仕事への理解」を重視していますが、1980年代よりも2015年の方がその割合は増えています。
また、女性は20年前から「経済力」、「職業」を重視している人が多いのですが、近年は男性でも「経済力」、「職業」を重視する割合が増えてきています。
・参考:第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)/平成27(2015)年:図表I-3-4 調査別にみた、結婚相手の条件として考慮・重視する割合の推移(国立社会保障・人口問題研究所)
男性が働き、女性は家庭に入るという考えはもう過去のもの。結婚相手の条件に「家事をしてほしい」「育児を担ってほしい」といった回答が挙がる背景には、性別を問わず仕事も家庭も夫婦共同で担っていくのだという考え方が広がりつつあることが影響しているのではないでしょうか?
結婚しない人生はアリ?ナシ?
未婚者が考える「結婚すること、しないこと」のメリット
未婚者に対しての調査では、男女共に「独身生活にメリットがある」と考えている人の割合の方が「結婚することにメリットがある」と考えている人の割合よりも多い結果となっています。しかし、その割合は男女共にわずかに減りつつあります。
・参考:少子化社会白書(全体版)結婚・出産に対する価値観の変化/平成16年:第1‐2‐16表 未婚者の結婚の利点、独身生活の利点に対する考え(内閣府)
結婚しないという選択について
2001年の調査では、「結婚しなくても、豊かで満足のいく生活ができる」と考えている人は3割強、「どちらともいえない」が5割弱、否定する人が2割となりました。肯定派と中立派でほぼ8割を占め、誰しもが結婚=幸せと考えているわけではないことがわかります。
・参考:少子化社会白書(全体版)結婚・出産に対する価値観の変化/平成16年:第1‐2‐18表 「結婚しなくても、豊かで満足のいく生活ができる」という考えについて(内閣府)
現代では、結婚するかしないかではなく、収入や生活が自立していることが豊かな人生の条件になっているのではないでしょうか。婚姻制度にとらわれないジェンダーの平等に準じた「パートナー婚」など、さまざまなカップルの形が見直されつつあります。
結婚観は人それぞれ!
結婚観をはじめ、ライフスタイルは時代につれて多様化しています。パートナーを持つ、持たないを含め、自分が一番幸せな生き方は何なのか?を考えてみる必要があるかもしれません。後悔のない、自分らしい選択をしていきましょう!
取材・文/とみこ
【監修】
佐藤律子さん
一般社団法人異性間コミュニケーション協会代表理事。
恋愛、婚活、夫婦問題、子育て、ハラスメント、マネジメント、女性活躍、LGBTQなど人間関係についての専門協会として、認定講師100名以上が在籍する。自治体婚活イベントのカップル成立率60%以上、異性間コミュニケーション研修の受講者は延べ3万人を超える。『最高に幸せな“たった1つの恋”を実らせるレッスン』(大和書房)他著書多数。テレビ番組の恋愛・結婚コーナーの監修、出演実績も豊富。