兄弟姉妹へのご祝儀・結婚祝いの金額相場はいくら?いつ渡す?

節目や慶事に金品を贈ることを「ご祝儀」と言いますが、家族である兄弟姉妹が結婚するときもご祝儀を贈るべきなのでしょうか。また、友人や同僚の結婚とは異なるルールがあれば知っておきたいもの。自分との関係性と照らし合わせた一般的な金額や渡すタイミング、ご祝儀の代わりにギフトを贈る場合のマナーなどを、日本サービスマナー協会認定マナー講師の村西ともこさんに教えてもらいました。

兄弟姉妹へのご祝儀はいくらが相場?



兄弟姉妹へのご祝儀はいくらが相場?

兄弟姉妹の結婚は、家族が増えるということであり、とても喜ばしいもの。ご祝儀は、兄弟姉妹にもお祝いの気持ちを込めて贈るのが一般的です。

では、その平均的な相場について、家族以外の関係性と比較しながら見ていきましょう。

ご祝儀の一般的な金額相場


●兄弟姉妹(親族):平均7万4000円
●友人・同僚:平均3万円
●上司:平均4万2000円
●恩師:平均4万1000円
※データ出典:
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023調べ」披露宴・ウエディングパーティのご祝儀額 全国(推計値)

家族以外の関係性の列席者と比べ、身内である兄弟姉妹へはご祝儀を多めに渡す傾向があります。また、親族にご祝儀を贈る場合は、親族として結ばれたご縁への祝福と心得て、結婚式の有無にかかわらず金額は変えないことが多い点についても、知っておきたいポイントです。

参考記事:
「結婚式のご祝儀相場」いくら包めばいい?相手別・挙式のみ・連名などさまざまなケースを解説



【ケース別】兄弟姉妹へのご祝儀金額の目安



【ケース別】兄弟姉妹へのご祝儀金額の目安

兄弟姉妹へのご祝儀の平均額は7万4000円が一般的とご紹介しましたが、間柄や状況などケースによって3万〜10万円まで変動します。ここでは、よくあるケース別に相場を見ていきましょう。

結婚するのが兄・姉で自分が未婚の場合


3万〜5万円
自分が年下かつ未婚の場合、無理のない範囲の額で大丈夫です。また、自分が学生の場合ご祝儀は不要です。

結婚するのが弟・妹で自分が未婚の場合


5万〜10万円
自分が年上の場合、年長者が多く払う慣習にのっとり、未婚であっても多めに用意するのが通例です。

結婚するのが兄・姉で自分が既婚の場合


7万〜10万円
自分が結婚する時に頂いた金額と同額を包みましょう。また、子どもも出席するのであれば、子どもの人数×5000円〜1万円ほどを、料理代として追加するとスマートです。

結婚するのが弟・妹で自分が既婚の場合


7万〜10万円
基本的には自分が結婚する時に頂いた金額と同額で問題ありませんが、年長者なので少し多めに包んでも良いでしょう。また、参列する子どもの人数に合わせて料理代として調整しましょう。

結婚する兄弟姉妹が再婚の場合


5万〜10万円
再婚であっても、おめでたいことに変わりはありません。ご祝儀も初婚の時と同額が望ましいとされています。

自分が親と同居している場合


基本的に、ご祝儀は一世帯に一つが基本とされています。社会人であっても、個人で包む必要はありませんが、まずは親に相談してみましょう。

ご祝儀の金額は3万・5万・7万円の割り切れない奇数が良いとされていますが、末広がりの8万円や、奇数の「1」が入った10万円も切りが良い金額です。

また、働き方や関係性、地域の慣習など、事情は人それぞれ異なります。迷った場合は、相場を目安として、ご家族で話し合って決めましょう。


兄弟姉妹にご祝儀を渡すタイミングと渡し方



兄弟姉妹にご祝儀を渡すタイミングと渡し方

結婚式に出席する場合、通常は受付で渡すことの多いご祝儀ですが、家族である兄弟姉妹にはどのような機会に渡すのが良いのでしょうか。ご祝儀を渡すタイミングと、その渡し方について解説します。

ご祝儀を渡すタイミング


結婚式当日に受付で渡すよりも、式の1カ月ほど前から、遅くとも1週間前までには渡しましょう。結婚式をしないと決まっている場合には、婚姻届の提出後の早い段階で新郎新婦の都合を聞いて渡します。

昔から、お祝い事には大安の日、または先勝の吉日午前中の日程が好まれていますが、お日柄よりも相手の都合を優先しましょう。

ご祝儀の渡し方


ご祝儀は、全て新札を用意し、ご祝儀袋に入れてお祝いの言葉と共に手渡しするのが理想です。

遠方や都合が合わないなどの場合は、現金書留などで郵送しても構いません。お祝いのメッセージを添えると喜ばれます。


兄弟姉妹に結婚祝いのギフトを贈る場合



兄弟姉妹に結婚祝いのギフトを贈る場合

現代では結婚のお祝いの仕方も多様化してきています。どのような場合にギフトを贈るべきなのか、また、どうやって渡すのがよいのかを解説します。

ギフトを贈るケースとは?


結婚祝いはご祝儀が基本ですが、以下のようなケースではギフトを贈るという選択肢もあります。

●ご祝儀を辞退したいと申し出があった場合
●欲しい品物をリクエストされた場合
●自分が結婚する時に、ギフトを頂いた場合

金額調整などの状況によって、ギフトのみ贈る場合と、ご祝儀とギフトの両方を贈る場合、どちらもあります。両方を贈る場合は、ギフトの金額に応じてご祝儀の金額を決めると良いでしょう。

ギフトを贈るタイミング


ギフトを渡すタイミングは、ご祝儀の場合と同じように考えましょう。慌ただしい結婚式当日を避け、式の1週間前ぐらいまでに渡すようにします。

ギフトの渡し方


ご祝儀と同様に、こちらも手渡しが基本です。遠方であったり、お互いの都合が合わなかったりする場合は宅配便を使用します。

ギフトに「のし」をかけると、改まった気持ちが伝わります。その場合、「のし」は紅白(または金銀)結び切りで、表書きは「御祝」や「寿」とします。ギフトを選んだ理由やお祝いのメッセージを添えて渡しましょう。


兄弟姉妹への結婚祝いギフトの金額相場



兄弟姉妹への結婚祝いギフトの金額相場

兄弟姉妹に結婚祝いとして贈るギフトの相場はどのくらいなのでしょうか。ギフトのみ贈る場合、ご祝儀&ギフトを贈る場合について、それぞれにかける金額の目安を見ていきましょう。

ギフトのみ贈る場合


2万〜5万円程度
ギフトのみの場合はご祝儀を渡さないので、2万〜5万円が相場です。

ご祝儀とギフト、両方を贈る場合


ギフト(1万〜3万円)+ご祝儀(3万〜5万円)程度
兄弟姉妹の結婚祝いに贈るギフトの目安は3万円です。両方贈る場合は、ギフト代とご祝儀を合わせた金額が、ご祝儀の額面の相場に準じるようにします。下記はその内訳の一例です。

・ギフト代2万円程度+ご祝儀3万円(合わせて5万円)
・ギフト代3万円程度+ご祝儀7万円(合わせて10万円)


兄弟姉妹への結婚祝いギフトを選ぶポイント



兄弟姉妹への結婚祝いギフトを選ぶポイント

結婚祝いギフトを選ぶ際、「仲が割れる・切れる」イメージから、割れ物や刃物を避けるなど、昔はマナーを重要視する風習がありましたが、近年はあまり気にしないことが増えてきました。

欲しい品物をリクエストしてもらう、いくつか候補をリスト化してもらうなど、相手にとって便利なもの・喜ぶものを優先して選びましょう。また、相手のことを思って選んだ理由があるはずなので、渡す時には、その理由もぜひ伝えるようにしましょう。

新生活で使える実用性の高いもの


食器やタオルなどの定番品は、上質で日常使いしやすいものが多くの人に好まれます。

お酒を飲む夫婦ならビアグラス、コーヒーやお茶をよく飲むのであればマグカップのように生活習慣を参考に考えましょう。

また、毎日使うお箸、お茶わんなどはちょっと良いものをペアで贈ると喜ばれます。新生活に役立つキッチングッズや家電は、相手のライフスタイルに合った最新型のものをチェックすると良いでしょう。

夫婦どちらにも喜んでもらえるもの


パートナーの好みがわからないからと言って、自分の兄弟姉妹の好みに偏ったプレゼントは避けましょう。

新郎新婦どちらにも喜んでもらえるのは、色やデザインで使う人を限定しないシンプルな品物です。また、最近では、夫婦で楽しめるクルージングやグランピングなど体験型のギフトも選ばれています。

相手の好みやセンスに合わせたもの


ギフトは相手のセンスに合ったものを選ぶことが大切。相手に「何か欲しいものはある?」と聞いてしまうのも手です。

迷った場合は、高級な食材やおしゃれなスイーツ、自分では普段使いしないような高級ラインのせっけんやバスグッズ、お花など、後に残らないものであれば気軽に贈ることもできます。

ソーシャルギフトを活用する


ご祝儀ほどかしこまらず、カジュアルに送りたい場合には、デジタルギフトカードや、ソーシャルギフトサービスを活用するのも一案です。

SNSやメールを知っていれば、住所を聞かなくても贈ることができるのがデジタルの利点です。ギフトの使用に有効期限があることが多いので、相手が受け取った後にひと言添えておくと良いでしょう。


一般的なマナーだけでなく、家族のルールも確認してご祝儀を贈ろう!



一般的なマナーだけでなく、家族のルールも確認してご祝儀を贈ろう!

兄弟姉妹へのご祝儀は、個人的なお祝い事というだけでなく、家と家との結び付きという側面もあります。地域の伝統や、親族間によって決まり事がある場合もあるので、兄弟姉妹へのご祝儀の金額や渡し方に関しても、まずは親や家族と相談するのがおすすめです。

また、近い間柄であっても「お返しは不要」と言って、ご祝儀を渡すのは避けましょう。ご祝儀には、受け取る側にもお返しをするという決まり事があります。

良かれと思ってイレギュラーなことをすると、後にもめる原因にもなりかねません。近い間柄だからこそマナーを忘れず、慣例に合わせてお返しまでがセットとして、きちんと受け取るようにしましょう。

ご祝儀や贈り物で大切なのは新郎新婦を祝福する気持ちです。嬉しい気持ちを込めて兄弟姉妹の幸せを祝いましょう。


取材・文/みつり


【監修】
村西ともこさん(NPO法人 日本サービスマナー協会)
大手英会話学校での勤務経験を経て、2000年より司会業に携わる。ブライダル、式典、イベントなど、これまでに2000件以上の司会を担当。司会者養成講座では、司会技術の指導とともに、マナー研修を実施。日々の仕事を通して、言葉の影響力、マナーの大切さを実感する。現在、日本サービスマナー協会認定マナー講師として、各種研修を担当する。
●日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/


【データ出典】
記事内のデータは「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(全国推計値)」によるものです。