
[両家顔合わせ]喜ばれる手土産・避けた方がいい手土産
両家の顔合わせの食事会の時、相手の家へお渡しする手土産は、どんな品物がいいのでしょう。また、避けた方が良い手土産や、相手を困らせるものは?手土産選びで気を付けておくべきこと、相手の親に喜ばれる手土産の選び方をギフトの専門家、河野ひろこさんに教えていただきました。
INDEX
両家顔合わせ食事会の手土産について専門家にお聞きしました
教えてくださった方は…

看護師時代に培ったホスピタリティーを生かして、「人となり」を想像したプレゼントの見立てが得意です。二児の子育てに日々奮闘中。
顔合わせに手土産は必要?
絶対に必要ではないが、持参するのがおすすめ
大前提として、両家顔合わせの食事会では必ずしも手土産を用意する必要はありませんが、子どもの結婚で両家の顔合わせ食事会に出席した父母110人を対象にした調査では、69%の方が手土産を持参していました。
「両家が親睦を深める場ですし、私としては手土産を持参することをおすすめしたいですね」と河野さん。「お近づきの印に……」と手土産を渡すことで、相手の家への敬意や、今後も親しくお付き合いしたいという思いが伝わりますし、手土産の話題が、緊張しがちな食事会で、会話の糸口にもなってくれます。
手土産の金額の相場は?
相場額は3000~5000円
手土産の相場は、3000~5000円程度と考えると良いでしょう。あまり高額なものだと相手の負担になってしまいますし、1000~2000円程度では、ボリューム不足に見えたり、また見栄えの点でもいまひとつとなってしまう恐れがあります。「一方だけしか持っていかなかった場合も、3000~5000円程度なら、後日、返礼品を選ぶ時の負担にもなりにくいですよ」と河野さん。
父母への調査では、4000~6000円で選んだ人が45%、2000~4000円が41%でした。具体的な金額では3500円、5500円といった金額が多く見られました。
花嫁と親に聞きました

私の地元で有名な洋菓子店の焼き菓子の詰め合わせを持っていきました。3300円くらいでした。(づきさん)

私からは3000円ほどの有名なパティシェの洋菓子の詰め合わせを、母親が別に2000~3000円ほどのものを用意していました。(ぱんさん)

地元の高級感があっておいしい和菓子を選びました。1個500円ほどのお菓子の詰め合わせで、5000円くらいでした。(大阪府・50歳・新婦母)

地元のお酒3000円ほどと地元の和菓子2000円ほど。初めて会うので話題の種になれば良いと思い、地元の物を選びました。(石川県・54歳・新郎母)
どんなものを選べばいい?
「消え物」である食品がおすすめ
手土産には「消え物」である食品が向いています。どんなものを選べば良いか、河野さんに教えてもらいました。ポイントは4つあります。
・人によって好みが大きく分かれないもの
・持ち運びの負担にならず、ある程度日持ちのするもの
・地元の銘菓や名産品
・婚礼の縁起物
まず、好みが大きく分かれず、どなたにも喜んでもらいやすいものとしては、お菓子や紅茶などが挙げられます。そして、遠方から来る方もいるので、日持ちの良さも選ぶ際に大事なポイント。加えて、地元の名産品なら珍しさから喜ばれるでしょうし、結婚にちなんだ縁起物であれば、婚約の席をより和やかにしてくれます。ぜひ手土産選びの参考にしてみてください。
お互いの親の好みの情報も伝え合おう
顔合わせの手土産は、両家同士のごあいさつなので、親が用意するケースがほとんど。親も贈る相手の好みがわかっていたら、手土産を選びやすいはずです。そのため、顔合わせの日程が決まったら、結婚する当人同士で両家の親の好みなどについて共有をし、手土産選びの参考になる情報を、それぞれの親に伝えておくと安心です。
「情報共有は大事です。例えば、アルコールを控えているならお酒はやめておこうとか、好きなものがあるならそれを選ぼう、と決めることができます。また、家族構成がわかると人数に合わせた詰め合わせを選べますから、ボリューム感の点で選びやすくなりますよ」と河野さん。少なくとも、以下の3点についてはお互いに確認をしておきましょう。
・親の嗜好(しこう)。好きなものと苦手なもの
・持病などで控えている食品の有無
・家族構成や人数
花嫁に聞きました

母も父も甘いものが苦手なので、お酒に合うつまみがいいとアドバイスしました。(唯風さん)

私の父はお酒が飲めず、母もたくさん飲む人ではないので、彼にお酒じゃない方がいいと伝えておきました。また、私も彼に義父母の好きなものを聞いて、私の親に参考にしてね、と伝えておきました。(月彩さん)

価格帯は私たちから両家の両親にこのくらいでと伝え、揃えました。健康状態についても持病がある家族がいるので、どういうものが良いかは事前に確認しました。(かえるさん)

彼の実家は酒屋。さらにお母さんは和菓子屋で働いており、どちらも手土産に選びがちなものだったので、事前に聞いておいて良かった。仕事に関わるものは外して、洋菓子にしました。(Mさん)

私や夫を介して、どちらの親からも手土産について相談されたので、家族構成や好みなどの情報を伝えました。彼の母親が一人暮らしで、妹も一人暮らしとのことだったので、二人で分けられて日持ちするものを選びました。(かなえさん)
ギフトコンシェルジュおすすめの手土産は?
縁起物や地元感のあるものなどがおすすめ
ギフトコンシェルジュの河野さんに、どういった品物が手土産として喜ばれるか、4つの切り口から、おすすめの品物・選び方を教えてもらいました。
【縁起のいいもの】
「バウムクーヘン、もなかやどら焼き、昆布などは、縁起がいい手土産としておすすめですし、紅白のお菓子もおめでたさを引き立てますよ。バウムクーヘンは、何層にも重なった生地が、大木の年輪を思わせて、夫婦が長い時間一緒に過ごす年月を象徴する縁起がいいお菓子。もなかやどら焼きは、二つが重なる形をしていることから、夫婦が寄り添っている姿を連想させます。昆布も喜ぶという語呂合わせでおめでたく、つくだ煮などは日持ちも良くていいですね」
【地元感のあるもの】
「それぞれの実家が離れている場合は、両家の地元の銘菓、名産品を手土産にしてみては。自分たちにとっては、定番でありきたりな品も、なじみのない人にとってはその地域を知る、興味深い手土産になります」
【日持ちするもの】
「どちらかの家が遠方から来るケースもあるので常温で日持ちするものを選ぶと安心。焼き菓子やようかんなどの和菓子をはじめ、お酒も飲める方にとっては喜ばれると思います」
【老舗の店や有名店の詰め合わせ】
「全国区の知名度を誇る老舗和菓子店、有名洋菓子店などのお菓子の詰め合わせは、顔合わせの手土産としても鉄板です!やはりおいしさも高級感もあり、安定感があります」
花嫁と親に聞きました

有名店のバウムクーヘンにしました。結婚式の引出物などにも使われるお菓子なので。(東京都・55歳・新婦母)

東京名物のつくだ煮にしました。江戸っ子の娘らしい手土産になりました。(沖縄県・58歳・新婦母)

お酒と地元の銘菓にしました。地酒と地元の銘菓で喜んでもらいたかったので選びました。(山形県・56歳・新婦父)

両親が地元有名店のようかんやもなかの詰め合わせを用意してくれました。鯛の形をしたもなかで慶事に贈るものとして有名。味もおいしいから選んでくれたようです。(ゆずさん)

北海道から千葉へごあいさつに行ったので、北海道銘菓として道外の方にも人気がある有名店の詰め合わせを持っていきました。(美穂さん)
親に聞きました

お相手の地元の有名なそうめん。おいしく高価だと知っていたので、嬉しかったです。(石川県・54歳・新郎母)

お相手の地元の有名洋菓子店のお菓子詰め合わせを頂きました。食べたことのないものだったので嬉しかったです。(北海道・53歳・新婦母)

わが家がお酒好きな家族ということが娘から伝わっており、お相手の地元のお酒を頂きました。(茨城県・50歳・新婦母)

有名な老舗店のようかん。自身が好きなもので嬉しかった。(東京都・67歳・新郎父)

和菓子のセットで、円筒形のだるまの絵が描いてある縁起物の品物でした。(大阪府・64歳・新婦母)
避けた方が良いもの、困らせる可能性のあるものは?
金額帯、健康面のほか縁起にも留意して
ここで手土産として避けた方が良いものも押さえておきましょう。
まずは相手が【苦手なもの】と【摂取を控えてる食材や飲料】です。甘いものが苦手な方もいますし、親世代は高血圧や糖尿病などの疾患で、塩分、糖分、アルコールを控えている方も少なくありません。またアレルギーについての確認も重要です。
続いて【重い、大きいなど、持ち運びしにくいもの】【日持ちしないもの(冷蔵品、生もの、生クリーム系)】です。遠方から来る方への配慮や、食事にかかる時間が読めない場合のことも考えて、肉や魚などの生もの、生クリーム系のお菓子など、要冷蔵品も避けた方が無難です。
また、【金額が高価すぎるもの】も前述したように、相手の負担になるケースもあるので避けましょう。
最後に、縁起の観点から【切り分けるものや割れるもの】も要注意。結婚の手土産の場合、切り分けるものは「分かれる→別れる」を想起させるので、個包装のものを選ぶのがベターです。ようかんやカステラなども一さおや一斤丸ごとではなく、一切れ分ずつ個包装してあるものならOK。また、割れるものも結婚では避けた方が良いとされているので、例えば、おせんべいは避けますが、米菓で選ぶなら、小さなおかきなどにすればOK。なお、個数はあまり気にしなくてもよいのですが、どうしても気になる場合は、4個と9個入りを避けるという考え方もあります。
親に聞きました

もつ鍋セットをもらった時は、もつが好みでないため困りました。(東京都・65歳・新婦父)

顔合わせの手土産で、エビせんべいを頂きましたが、アレルギーがあって食べられませんでした。(千葉県・59歳・新郎母)

珍味や漬物系は、いただいてもあまり食べないので困ります。(神奈川県・58歳・新郎母)

毎年緑茶のセットが贈られてきますが、全く飲みません。せめて紅茶がいいなと思ってます。(北海道・53歳・新婦母)
要冷蔵品、生鮮食品、重いものも状況次第ではOKに
要冷蔵の生鮮食品、重いものは基本的には手土産には避けるものですが、親向けのアンケートでは「地元の名物として妻の大好物のおいしいカニを頂きました」「地元の高級メロンを手土産に頂きました。とてもおいしかったです」「地元のおいしい魚の西京漬けを頂きました」「ずっしりとした、桃のゼリーの詰め合わせをいただきました」などの声も寄せられました。
相手の家を直接訪問する場合や、車で帰宅することがわかっていて持ち運びの心配がない場合などは、相手が好むものであれば、選択肢は広がります。いずれにしても、生鮮食品や重いものなどが、親から手土産候補として挙がった場合、結婚するふたりの間で、持参して大丈夫か、確認し合っておくことが肝心です。
親あいさつの手土産がわかる記事はこちら
顔合わせ食事会で手土産を渡すための
知っておきたいマナー
のしは赤白の結び切りで「寿」または「ご挨拶」と書かれたものを
顔合わせ食事会は、ふたりの婚約の場でもあります。手土産には、のし紙をかけた方が正式な場にふさわしいでしょう。のし紙は、赤白の水引で、一度結んだらほどけないことから、結婚にふさわしいとされる「結び切り」のものを使います。表書きは「寿」または「ご挨拶」とし、名前は自分の家の名字を記します。手渡しすることが多いため、外のしにするのが一般的です。
渡すタイミングに決まりなし。雰囲気に合わせて
「渡すタイミングは難しく考えすぎず、その場の雰囲気や流れに任せてお渡しできるといいのではないかと思います」と河野さん。
早めにスムーズに渡したい場合は、食事会のお店で「初めまして」などの最初のあいさつの後、席に着く前のタイミングで手土産を渡すと良いでしょう。また、席に着いた後、それぞれの自己紹介が終わったタイミングでお渡ししても良いですし、食事が終わって空気がほぐれたタイミングで渡す流れもあります。
「手土産を持ってきたというその気持ちだけで、お相手の方も絶対に嬉しいと思いますので、やはり雰囲気を一番大切にしてお渡しできると気持ちの良い顔合わせ会になるのではないでしょうか」
渡す際は、風呂敷や紙袋から出して、表書きがお相手の正面を向くようにして渡します。「心ばかりですが」「これは地元の名産品で」「これがお好きだと伺ったので」などのセリフと共にお渡しするとGOOD。紙袋や風呂敷は、どちらかの自宅の場合なら持ち帰りますし、お店での食事会であれば、紙袋を「よろしければこちらをお使いください」と渡してもOKです。
顔合わせ食事会(婚約食事会)がわかる記事はこちら
手土産のマナーがわかる記事はこちら
From 編集部
相手を思いやった手土産選びを
実は手土産選びで重要なのは、互いの家の情報交換です。相手がどのようなものを好み、何が苦手なのかを互いに知り合うことは、両家の親戚付き合いの最初の一歩と言えるかも。結婚するふたりは、互いの親たちへの情報共有を通して、両家をつなぎ合わせる役割をぜひ担ってください。相手のことを考えて選ばれた手土産は、晴れの場である、両家の顔合わせ食事会をより和やかにしてくれるはずです。
構成・文/河内千春 イラスト/カラシソエル
※記事内のデータならびにコメントは2024年11月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー74人が回答したアンケートおよび、2年以内に子どもが結婚をし、顔合わせ食事会を行った父母110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2025年1月時点のものです
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