【診断付き】推しと好きの違いは?意味や気持ちの見極め方を解説

「推し」と「好き」。どちらも大切な人に抱く特別な感情ですが、その意味は微妙に変わってきます。また、「好きなのか推しなのか分からない」のように、推しと好きが混同してしまうこともあります。この記事では、心理カウンセラーの帆南尚美さん監修の下、「推し」と「好き」の違いや恋人に「推し」がいることを秘密にするべき?など、「推し」にまつわるさまざまな悩みにもお答えします。

「推し」と「好き」の違いとは



「推し」と「好き」の違いとは

「推し」と「好き」、それぞれの感情にどんな違いがあるのか、具体的な例を挙げながら解説していきます。

「推し」に対して抱くのはどんな気持ち?


「推し」は、手の届かない存在であることが多いです。アイドルや俳優などが推しの対象で、その活躍を応援したいという気持ちが生まれます。応援するために、その魅力を他者にも伝えたい気持ちにもなります。

また、「推し」は、自分にとって憧れの存在です。「推し」のような人になりたい、と目標にしたり、尊敬したりする人も多いでしょう。人によっては会社の先輩のようにアイドルほど遠くなくても「推し」と表現する場合もあります。

疲れた時や落ち込んだ時に「推し」の姿を見ると、元気をもらえるのも「推し」に抱く気持ちの特徴です。

「好きな人」に対して抱くのはどんな気持ち?


「好きな人」に対して抱く感情は、友人以上のより親密な関係になりたい、特別な関係になりたい、付き合いたいという恋愛感情です。

そのため、「好きな人」には、できれば自分のことを好きになってほしい、一緒に過ごす時間を大切にしたい、同じ時間を近い距離で共有したいという気持ちが生まれます。

「推し」と「好き」の違い


違いの一つには、相手との距離感があります。「推し」はアイドルやアニメキャラのような手の届かない存在であることが多く、仮に同じ会社や学校にいる人が推しの対象だったとしても、基本的には一定の距離を保った関係です。

一方、「好き」は、より親密な関係を求める気持ちです。相手のことを深く知りたい、自分のことも知ってほしい、そして、最終的には恋人として結ばれたいという願望を抱くでしょう。

また、見返りを求める気持ちにも違いがあります。「好き」という感情には、相手からの好意や愛情といった見返りを期待する気持ちが含まれていることが多いです。「推し」の場合は、相手からの直接的な見返りは求めず、その人が活躍することを喜び、応援すること自体に満足感を感じる、という側面が強いです。



「推し」と「好き」を混同するとどうなる?



「推し」と「好き」を混同するとどうなる?

「推し」と「好き」。この2つを混同してしまうと、自分自身の気持ちを見失ってしまったり、相手との関係に亀裂が生じてしまったりする可能性もあります。

恋愛から遠ざかってしまう


「推し活」に熱中するあまり、恋愛から遠ざかってしまう人が中にはいます。

推し活は、自分のペースで好きなように楽しむことができる一方、現実の恋愛では、相手の気持ちや反応を気にしながら、関係を築いていく必要があります。このような恋愛のプロセスが面倒くさくなってしまうのです。

また、「推し」とは一定の距離感があるため、直接裏切られることや傷つけられることがありません。現実の恋愛では、距離感が近いことから、けんかをしたり相手の言動に傷ついてしまうことがあります。

「推し」と付き合うと理想とのギャップが生まれる可能性が高い


「推し」が恋人になるなんて、夢のような展開ですが、「推し」と付き合うと、思わぬ落とし穴があるかもしれません。

「推し」は自分にとって理想化された存在です。そんな「推し」と恋人として現実の生活を共にするようになると、その理想と現実のギャップに苦しむことになるかもしれません。

「推し」のイメージと違う行動や言動に失望したり、自分の理想を押し付けてしまったり、それによって不満やけんかが増えてしまうことも考えられます。

「推し」なのに嫉妬の気持ちが生まれてしまう


相手を「推し」だと思っていても、他の人と仲良くしているのを見ると嫉妬してしまうことがあります。これは、心のどこかで「好き」という気持ちが隠れているのかもしれません。


「推し」or「好き」を見極めるための診断チェック表



「推し」or「好き」を見極めるための診断チェック表

「推し」と「好き」、どちらも素敵な感情ですが、その境界線は曖昧で、どっちの気持ちなのかモヤモヤしてしまうこともあるかもしれません。

そこで、「推し」or「好き」を見極める診断チェック表を用意しました。当てはまるものにチェックを入れてみてください。


「推し」のチェック項目
□遠くから見ているだけで幸せ
□仕事や才能を尊敬している
□完璧な存在だと感じる
□活躍を見守り、応援したい
□友達や家族に推しを共有したい
□自分のことを認知されたいわけではない
□自分を好きになってもらいたいわけではない
□見返りは求めていない
□同じ場所の空気を吸っているだけで幸せ
□その人のことを考えているだけで幸せ

「好き」のチェック項目
□その人と話をしたい。言葉を交わしたい
□自分のことを知ってほしい
□自分のことを好きになってほしい
□付き合いたい
□他の人より大切に扱ってほしい
□その人の言葉や態度で一喜一憂する
□その人のことを考えると不安になることがある
□その人にイマイチなところもあるのを知っている
□異性と仲良くしていると気になる
□その人からも何か自分にしてほしい


多くチェックが入った方が自分の気持ちに近いものです。このチェック表を通して、本当の気持ちを探ってみましょう。


次からは、「推し」や「好き」にまつわるお悩みに回答します。


【Q&A】好きな人に「推し」と言われた!恋愛に発展する可能性は?



【Q&A】好きな人に「推し」と言われた!恋愛に発展する可能性は?

好きな人に「推し」と言われたら、恋愛に発展する可能性はゼロではありません。

まずは「ありがとう」「そう言ってもらえて嬉しいな」などとポジティブに受け止めつつ、「でも、ただの推しで終わるのはちょっと寂しいかも」「今度、お茶でもしながらもっと話したいな」などと、それとなく好意をにおわせて、相手のアプローチを促してみるのがおすすめです。


【Q&A】好きな人や恋人に「推し」がいる。どうすればいい?



【Q&A】好きな人や恋人に「推し」がいる。どうすればいい?

好きな人や恋人が「推し」がいることに少し不安を感じる場合は、その人の「推し」について詳しく聞いてみるのがいいでしょう。

相手がどんなところを魅力に感じているのか、どんなふうに応援しているのかなどを知ることで、「推し」への想いが恋愛感情とは異なることを理解し、不安を軽減できるはずです。

さらに、「推し」を応援する姿を温かく見守ったり、一緒に「推し活」を楽しんだりすることもおすすめです。共通の話題が増え、ふたりの仲が深まるきっかけになるかもしれません。


【Q&A】恋人に「推し」がいることは秘密にした方がいい?



【Q&A】恋人に「推し」がいることは秘密にした方がいい?

恋人に「推し」がいることは秘密にしない方がいいです。秘密にするということは、「自分の中に『推し』がいることは悪いことだ」という認識や、「恋人から理解されないんじゃないか」という想いがあるのかもしれません。

秘密を持つことで、ふたりの間に壁を作ってしまい、より親密な関係を築くことを妨げてしまう可能性もあります。たとえ恋人があなたの「推し」への想いを完全に理解できなくても、あなたがそれを隠さずにオープンにしている方が、秘密がないことでお互いに気持ちよく過ごせるはずです。


「推し」と「好き」それぞれの気持ちを楽しんでいこう



「推し」と「好き」それぞれの気持ちを楽しんでいこう

「推し」と「好き」、それぞれに抱く気持ちは異なるものですが、どちらも生活に彩りを与えてくれる素晴らしい感情です。時には混同することもあるかもしれませんが、それぞれの感情の特徴を理解して、推し活や恋愛を楽しんでいきましょう。

取材・文/NANA

【監修】
帆南尚美さん
カウンセリングサービス所属・心理カウンセラー
大学卒業後30年間、外資系IT企業に勤務。40代後半になって本格的に自分の心と向き合い始め、心理カウンセラーに転身。仕事は好きだが対人関係や恋愛・夫婦関係がうまくいかない、などの問題を精力的にサポート。男性/女性心理、対人心理の分析により、対処法を一緒に考えていくカウンセリングスタイル。「前向きになれる」「自分の成長が実感できる」などの声が多数。
公式ブログ:https://honaminaomi.jp/