付き合い始めで彼女の親に挨拶は必要?手土産などマナーも解説!
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付き合い始めで彼女の親に挨拶はするべき?どんな場合に挨拶をするべきなのか、また挨拶をする際必要な準備・ダンドリについてご紹介します!手土産や服装、交際を告げる例文まで日本サービスマナー協会認定講師の江頭美鈴さんに詳しくお話を聞きました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国や地方自治体から新たな方針が発表された際には、準じていただきますようお願いいたします。感染状況等は日々変化していますので、最新の情報をご確認ください。(2022年12月12日)
挨拶をするかどうかは彼女と親との関係性によっても異なるため、一概にはいえません。彼女と相談をして挨拶をするかどうか、ふたりで決めるようにしましょう。
彼女が「もう少ししてから紹介したい」と考えている場合は、すぐに挨拶に行く必要はありません。ふたりがお互いを生涯のパートナーとして意識し始めたタイミングや、一緒に旅行に行くタイミングなど、ふたりの関係が進展したタイミングで、改めて挨拶に行くかどうかを検討しましょう。
彼女が親に交際について話している場合などは、「早く会ってみたい!」と希望する親もいます。その場合は「まだ早い」などと思わず、気持ち良く応じましょう。親公認の関係になれば、彼女もふたりの交際に安心感を抱けるはずです。
ほかにも、彼女と同棲の話が進んでいる場合は挨拶に行く方が良いでしょう。親の立場から見ると、「挨拶に来てくれた」「同棲の許可をきちんと取りに来てくれた」という行為は、信頼に繋がります。挨拶は相手のことを真剣に考えて交際をしているという意思表示にもなるのです。
ふたりの交際がスムーズに続いていくことを見据えて、彼女と前向きに話し合ってみましょう。
では、いざ挨拶に行くとなったら、どんな事前準備が必要なのでしょうか?訪問日時の決め方や服装、手土産はどのようなものが良いかなど具体的にご紹介します。
彼女の親の希望日時を優先しましょう。彼女が間に入り、親と日程を決めて提案してもらう形が良いです。基本的に朝早い時間や夜遅い時間、食事の時間帯は避けた方が良いでしょう。
服装は軽めのジャケットとシャツ、チノパンなどややカジュアルダウンした服装がおすすめです。結婚の挨拶の場合にはスーツにネクタイでも良いですが、お付き合いの挨拶は少しカジュアルで大丈夫です。硬い雰囲気になるとお互いが必要以上に緊張してしまうこともあるので、きちんとした中にも柔らかく親しみのある雰囲気がつくれると、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
身だしなみにおいては「清潔感」「調和」「機能性」が三原則といわれます。
爽やかで明るい第一印象は、好感度がとても高いです。訪問日よりも少し前に散髪をするなどヘアスタイルもさっぱりさせておくとベターです。
彼女の服装ですが、実家とはいえノーメイクで部屋着のようなリラックスし過ぎた装いではいけません。かといってお出かけするようなかしこまった服装やバッチリメイクも違和感があるでしょう。爽やかで明るい雰囲気の服装がおすすめです。またスカートの場合、おもてなしをする側なので、立ったり座ったりしやすい丈をおすすめします。機能面から考えると、ミニスカートやロング丈のスカートは避けた方が無難です。
<NGファッション>
・シワの付いた服や汚れた靴など清潔感がない服装
・Tシャツやタンクトップにジーンズ、サンダルなどラフ過ぎる服装
・脱ぎ履きに時間がかかるブーツなど、機能性に欠けるもの
・素足
・過度なアクセサリー
重要なのは他人目線の「身だしなみ」を意識することです。親から見て「この人とお付き合いをしているなら安心」と思ってもらえるような装いを心がけましょう。
一般的に誰かのお宅に訪問する際のマナーとして、「ご挨拶」の意味で手土産を持っていくのが基本です。今後、何度もお邪魔するようになった場合には、毎回持っていく必要はありませんが、今回は初めての彼女の親への挨拶です。必ず持っていきましょう。常識のある人、気遣いのできる人と好印象を持ってもらえるので、安心感に繋がるでしょう。また手土産をきっかけに会話が弾むこともあるので、自分にとっても好都合です。
手土産はデパートや信頼できるお店などで、今回の訪問のために用意しておきます。手土産とお土産は違いますので、旅行へ行ったついでに買ってきた物を持っていくといったことは控えましょう。
品物は、残る物よりも食べて消費する物が良いです。あらかじめ彼女に家族の好きな物を聞いて、なににするか決めておくようにしましょう。
スイーツや和菓子が一般的ですが、甘い物が苦手な場合は高級なお煎餅や果物などもおすすめです。あまり早くから準備してしまうと、食べ物の賞味期限が短くなったり包装紙が汚れてしまったりすることもあるので、訪問日の数日前に用意しましょう。
予算は3000〜5000円くらいが目安です。「のし」は、ない方が仰々しくならないのでおすすめです。
事前の準備ができたら、後は挨拶当日です!当日の基本マナーや気を付ける点などをご紹介します。
訪問する当日は、きちんと準備をして出かけましょう!多くの親が交際相手に求めるのは清潔感や誠実さです。どんなに彼女を大切にしようと思っていても、寝起きのボサボサ頭では気持ちは伝わりません。
夏場などで寝汗をかいている場合は、まずシャワーを浴びて整髪料を使いヘアスタイルを整えましょう。
財布や携帯電話は洋服のポケットに入れるのではなく、セカンドバッグなどに入れて持っていきます。あらかじめ用意しておいた手入れの行き届いた洋服と靴、そして手土産を忘れずに少し早めに家を出ましょう。
また彼女の家に着いた途端、お手洗いを借りるというのも言い出しにくいものです。念のため済ませておくことを忘れずに。
彼女側は、緊張する彼に少しでも安心して過ごしてもらえるよう、部屋のどの位置に彼が座るのかを想定しておき、誘導してあげると良いでしょう。実家に住んでいる場合は、掃除やお茶の準備などをしておき、離席する時間を少なくするために用意できることはしておきましょう。
自宅訪問の場合、約束の時間より早く到着すると先方の準備が整っていないケースがあります。早過ぎず遅過ぎない時間が望ましいため、約束の時間より3分〜5分遅く着くくらいが良いです。それよりも遅れそうな場合は早めに彼女に連絡をしましょう。
コートやマフラーなどは外気のほこりや汚れがついている可能性があるため、玄関の中で脱ぐのはマナー違反です。寒い時期などでアウターを着ている場合は、玄関の外で脱ぎ中表にして腕にかけます。身だしなみを整えてからチャイムを鳴らすようにしましょう。
もし彼女が実家に住んでいる場合は、彼が玄関に着いたら、親よりも先に出て扉を開けましょう。いきなり親が出てくると、彼の緊張感はピークに達します。緊張感をほぐすように「いらっしゃい。お待ちしていました」と笑顔でお迎えしましょう。
彼を親に紹介するのが目的なので、まず彼女から彼の紹介をしましょう。「○○さんです」と伝えれば彼も自己紹介しやすいです。そして、次に「父と母です」のように、自分の親の紹介をしましょう。
彼は、まず玄関先で名乗りましょう。「初めまして●●(名前)と申します。このたびはご多用の中、お時間をつくってくださり誠にありがとうございます」と笑顔で挨拶をします。「どうぞお上がりください」と促されたら、「失礼いたします」と言って靴を脱ぎましょう。
家に上がるときは、体の向きを変えずに前を向いたまま上がりましょう。彼女の親にお尻を向けるのは失礼に当たります。上がってから後ろを向き、膝を突いて靴の爪先を玄関の扉に向け直します。このときもお尻を彼女の親に向けないように、やや斜め後ろ向きにしゃがみましょう。脱いだ靴は、玄関の下座であるげた箱側に置きます。
もしも彼がうっかり靴を揃え忘れてしまっていたら、彼女がさりげなくフォローしてあげると良いでしょう。
案内された部屋に入るときは、「失礼します」と言ってから入りましょう。礼儀正しさは「しっかりした人」「娘を任せられる」という安心感に繋がります。
部屋に入ったら、彼女が口火を切って場を和ませましょう。「○月からお付き合いを始めた○○さんです。とても優しくて、穏やかな方です」などと伝えると良いでしょう。
和室の場合は、座布団に座るのではなく、座布団を外した位置に正座をして指を突いて挨拶をします。洋室の場合は、椅子に座る前に立った状態でお辞儀をして挨拶をしましょう。
彼からの挨拶の言葉としては、「このたびは、お邪魔させていただきありがとうございます。私は●●さん(彼女の名前)とお付き合いをしております△△(自分の名前)と申します。一度きちんとご挨拶に伺いたく、今日は無理にお時間をつくっていただき本当にありがとうございます」など、玄関先での挨拶よりも丁寧に行います。
挨拶が終わったら、「どうぞここに座ってね」と彼女が着席を促してあげましょう。常に親と彼との間の潤滑油になれるように気配りするのがポイントです。
手土産は部屋に通されてから、挨拶のタイミングで渡しましょう。夏の暑い時期などは、氷菓や要冷蔵の手土産を持っていくことがあるかもしれません。その際は、すぐに冷凍庫(冷蔵庫)に入れてもらえるように「冷たいお菓子なので、早めに冷凍庫(冷蔵庫)に入れていただけるとありがたいです」とひと言添えましょう。
手土産を渡すときの決まり文句に「つまらない物ですが」という表現があります。日本人の謙虚な気持ちを表して使われていましたが、昨今ではこの言い回しはあまり使われません。つまらない物を手土産にするのではなく、「自分のおすすめや喜んでもらえそうな物を食べてほしい」という思いが込められた表現にしましょう。
例えば「私の地元で人気のあるスイーツです」や「いま●●で一番人気があるそうです」など、受け取る側も「わざわざおいしい物を選んで買って来てくれた」など、その心遣いを喜んでくれるような言い回しがおすすめです。
彼女からも、「これ○○さんがわざわざ△△まで買いに行ってくれたのよ」とか「地元でおいしくて有名な○○らしいから、後でみんなでいただきましょう」など補足してひと言付け加えると、話が盛り上がるでしょう。
手土産の渡し方は、手提げ袋ごと渡すのではなく中の品物を出して相手の向きにして渡します。手提げ袋は品物が汚れないための袋なので、基本的には持って帰りましょう。
ただし名店やブランド品のおしゃれな袋の場合には、袋自体が喜ばれる場合もあります。「もし差し支えなければ袋ごとよろしいでしょうか」と了承を得て、手土産を渡してから袋も渡すと、失礼がなく気の利いた渡し方になります。
和室・洋室共に、彼女の親に座るようにすすめられたら「失礼します」とひと言添えて座りましょう。
和室の場合は座布団の上に立つのはマナー違反です。座布団を外した位置から、座布団の上に軽く握りこぶしを作った両手を突きます。体を支えながら、中央の座る位置までにじり寄るのがマナーです。
付き合い始めにはどんな言葉で交際の挨拶をすれば良いのか、例文をご紹介します。併せて、交際期間の長いカップルの場合の例もご紹介します。
挨拶の前に……
彼女の親を前にしての会話は緊張するものです。緊張をほぐすためにも、交際の挨拶をする前に場を和ませる話題を入れましょう。
例えば駅から歩いてきた場合には、駅の様子や街の雰囲気などで感じた良いところを伝えましょう。「緑の多い街並みで、駅に降りるとホッとしますね」や「以前にも●●駅は△△のときに利用したことがあり、久しぶりに来られて嬉しかったです」など前向きな話が良いです。
このように少し会話のやりとりをしてから本題に入りましょう。責任を持って交際していることを伝えるのはもちろん、さりげなく彼女の良い面に触れると親からは喜ばれますよ。
どのような人と付き合い始めたのか、親はとても気になるものです。自分の人となりを知ってもらい、安心して交際を見守ってもらえるような挨拶を心がけましょう。そのためには真剣に交際を始めたという気持ちを伝えることが大切です。
■挨拶の例文
「素敵な●●(彼女の名前)さんと出会うことができ、交際をさせていただいております。共に成長できるお付き合いをしていきたいと考えています。ご心配をおかけしないように、ふたりで一歩ずつ交際を深めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします」
交際が1年くらい続いたタイミングの場合
交際期間を知っている場合、親はそろそろ会っておきたいという状態になっています。心配をかけないよう、今後も責任を持ってしっかりとした気持ちで付き合いたいという思いを伝えましょう。
■挨拶の例文
「●●(彼女の名前)さんとは、△月ごろより良い交際をさせていただいています。とても素敵な女性で一緒にいると、物事の考え方や捉え方で学ぶことも多いです。いつも私の話を一生懸命に聞いてくれたり、時には励ましてくださり感謝しています。私も●●(彼女の名前)さんが少しでも日々楽しく安心して過ごせるように力になりたいと思っています。今後も責任を持ってお付き合いを続けさせていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」
同棲や旅行に行く前のタイミングの場合
ふたりで同棲をしたり、旅行に行ったりするのは交際が一歩進んだ状態です。またこのタイミングの挨拶は許可を取るという意味も含まれます。彼女の親がふたりの交際を知っていたとしても心配になるかもしれません。だからこそ事前に挨拶をして、将来を見据えた心構えがあることを伝えましょう。
■挨拶の例文(冒頭)※同棲の場合も旅行の場合も冒頭は同じ
「●●(彼女の名前)さんとは、お付き合いをさせていただき△年がたちました。ふたりともこの先も一緒に楽しいことをたくさん分かち合い、苦しいことも助け合いながら乗り越えていきたいと話し合っています」
■挨拶の例文(同棲の場合)
「私の仕事が来年に入ると落ち着くので、結婚も視野に入れてふたりの交際を進めていきたいと思います。そんなことを話し合ううちに、結婚に向けての準備をする時間をもっとつくりたいと一緒に住もうという話になりました。そのご相談もしたく、今回お時間をつくっていただきました。どうぞよろしくお願いいたします」
■挨拶の例文(旅行の場合)
「いろいろな楽しい話をするうちに、今後ふたりで△△に行ってみたいねということになりました。宿泊を予定しているので、そのお許しも頂きたく今回お時間をつくっていただきました。どうぞよろしくお願いいたします」
ふたりが出会ってふたりで決めた交際でも、やはり周りの人に温かく見守ってもらうことが大切です。これからも良いお付き合いをしていくための、一つの節目が「彼女の親への挨拶」だといえます。
彼女の親に挨拶に行くというのはとても緊張することです。そういった節目にこそ、たくさん話し合い、一緒に考え決めていきましょう。そのプロセスが、お互いの信頼関係をより深めてくれる大切な時間になるでしょう。
彼が前向きに取り組む姿に彼女は頼もしさを感じ、うまくいくようサポートをしてくれる彼女の姿に、彼は優しさや思いやりを感じるはずです。信頼関係を深めながら、挨拶の準備を楽しく進めていきましょう!
取材・文/高坂晴奈
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人 日本サービスマナー協会認定講師/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージ・コンサルタント代表理事/M.E.プロダクション代表
日本サービスマナー協会認定講師として、企業・団体から個人向けに、「ビジネスマナー研修」「傾聴スキル研修」など幅広く担当し、「和やかで明るく分かりやすい」と受講者から好評。マナー講師の仕事を中心に、自社事業の経営、企業などの人材育成に携わる。また、心理カウンセラーとして、モチベーションアップやメンタル強化のサポートをしている。
日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/
公式HP:https://me-pro.biz/index.php
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国や地方自治体から新たな方針が発表された際には、準じていただきますようお願いいたします。感染状況等は日々変化していますので、最新の情報をご確認ください。(2022年12月12日)
付き合い始めで彼女の親に挨拶するべき?
挨拶をするかどうかは彼女と親との関係性によっても異なるため、一概にはいえません。彼女と相談をして挨拶をするかどうか、ふたりで決めるようにしましょう。
様子を見ても良い場合
彼女が「もう少ししてから紹介したい」と考えている場合は、すぐに挨拶に行く必要はありません。ふたりがお互いを生涯のパートナーとして意識し始めたタイミングや、一緒に旅行に行くタイミングなど、ふたりの関係が進展したタイミングで、改めて挨拶に行くかどうかを検討しましょう。
すぐ挨拶に行った方が良い場合
彼女が親に交際について話している場合などは、「早く会ってみたい!」と希望する親もいます。その場合は「まだ早い」などと思わず、気持ち良く応じましょう。親公認の関係になれば、彼女もふたりの交際に安心感を抱けるはずです。
ほかにも、彼女と同棲の話が進んでいる場合は挨拶に行く方が良いでしょう。親の立場から見ると、「挨拶に来てくれた」「同棲の許可をきちんと取りに来てくれた」という行為は、信頼に繋がります。挨拶は相手のことを真剣に考えて交際をしているという意思表示にもなるのです。
ふたりの交際がスムーズに続いていくことを見据えて、彼女と前向きに話し合ってみましょう。
彼女の親に挨拶するとき何を準備すればいい?
では、いざ挨拶に行くとなったら、どんな事前準備が必要なのでしょうか?訪問日時の決め方や服装、手土産はどのようなものが良いかなど具体的にご紹介します。
訪問日時を決める
彼女の親の希望日時を優先しましょう。彼女が間に入り、親と日程を決めて提案してもらう形が良いです。基本的に朝早い時間や夜遅い時間、食事の時間帯は避けた方が良いでしょう。
服装の準備と身だしなみ
服装は軽めのジャケットとシャツ、チノパンなどややカジュアルダウンした服装がおすすめです。結婚の挨拶の場合にはスーツにネクタイでも良いですが、お付き合いの挨拶は少しカジュアルで大丈夫です。硬い雰囲気になるとお互いが必要以上に緊張してしまうこともあるので、きちんとした中にも柔らかく親しみのある雰囲気がつくれると、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
身だしなみにおいては「清潔感」「調和」「機能性」が三原則といわれます。
爽やかで明るい第一印象は、好感度がとても高いです。訪問日よりも少し前に散髪をするなどヘアスタイルもさっぱりさせておくとベターです。
彼女の服装ですが、実家とはいえノーメイクで部屋着のようなリラックスし過ぎた装いではいけません。かといってお出かけするようなかしこまった服装やバッチリメイクも違和感があるでしょう。爽やかで明るい雰囲気の服装がおすすめです。またスカートの場合、おもてなしをする側なので、立ったり座ったりしやすい丈をおすすめします。機能面から考えると、ミニスカートやロング丈のスカートは避けた方が無難です。
<NGファッション>
・シワの付いた服や汚れた靴など清潔感がない服装
・Tシャツやタンクトップにジーンズ、サンダルなどラフ過ぎる服装
・脱ぎ履きに時間がかかるブーツなど、機能性に欠けるもの
・素足
・過度なアクセサリー
重要なのは他人目線の「身だしなみ」を意識することです。親から見て「この人とお付き合いをしているなら安心」と思ってもらえるような装いを心がけましょう。
手土産
一般的に誰かのお宅に訪問する際のマナーとして、「ご挨拶」の意味で手土産を持っていくのが基本です。今後、何度もお邪魔するようになった場合には、毎回持っていく必要はありませんが、今回は初めての彼女の親への挨拶です。必ず持っていきましょう。常識のある人、気遣いのできる人と好印象を持ってもらえるので、安心感に繋がるでしょう。また手土産をきっかけに会話が弾むこともあるので、自分にとっても好都合です。
手土産はデパートや信頼できるお店などで、今回の訪問のために用意しておきます。手土産とお土産は違いますので、旅行へ行ったついでに買ってきた物を持っていくといったことは控えましょう。
品物は、残る物よりも食べて消費する物が良いです。あらかじめ彼女に家族の好きな物を聞いて、なににするか決めておくようにしましょう。
スイーツや和菓子が一般的ですが、甘い物が苦手な場合は高級なお煎餅や果物などもおすすめです。あまり早くから準備してしまうと、食べ物の賞味期限が短くなったり包装紙が汚れてしまったりすることもあるので、訪問日の数日前に用意しましょう。
予算は3000〜5000円くらいが目安です。「のし」は、ない方が仰々しくならないのでおすすめです。
彼女の親に挨拶する当日の基本マナー
事前の準備ができたら、後は挨拶当日です!当日の基本マナーや気を付ける点などをご紹介します。
当日の準備
訪問する当日は、きちんと準備をして出かけましょう!多くの親が交際相手に求めるのは清潔感や誠実さです。どんなに彼女を大切にしようと思っていても、寝起きのボサボサ頭では気持ちは伝わりません。
夏場などで寝汗をかいている場合は、まずシャワーを浴びて整髪料を使いヘアスタイルを整えましょう。
財布や携帯電話は洋服のポケットに入れるのではなく、セカンドバッグなどに入れて持っていきます。あらかじめ用意しておいた手入れの行き届いた洋服と靴、そして手土産を忘れずに少し早めに家を出ましょう。
また彼女の家に着いた途端、お手洗いを借りるというのも言い出しにくいものです。念のため済ませておくことを忘れずに。
彼女側は、緊張する彼に少しでも安心して過ごしてもらえるよう、部屋のどの位置に彼が座るのかを想定しておき、誘導してあげると良いでしょう。実家に住んでいる場合は、掃除やお茶の準備などをしておき、離席する時間を少なくするために用意できることはしておきましょう。
訪問時間
自宅訪問の場合、約束の時間より早く到着すると先方の準備が整っていないケースがあります。早過ぎず遅過ぎない時間が望ましいため、約束の時間より3分〜5分遅く着くくらいが良いです。それよりも遅れそうな場合は早めに彼女に連絡をしましょう。
玄関に着いたら
コートやマフラーなどは外気のほこりや汚れがついている可能性があるため、玄関の中で脱ぐのはマナー違反です。寒い時期などでアウターを着ている場合は、玄関の外で脱ぎ中表にして腕にかけます。身だしなみを整えてからチャイムを鳴らすようにしましょう。
もし彼女が実家に住んでいる場合は、彼が玄関に着いたら、親よりも先に出て扉を開けましょう。いきなり親が出てくると、彼の緊張感はピークに達します。緊張感をほぐすように「いらっしゃい。お待ちしていました」と笑顔でお迎えしましょう。
初対面の挨拶
彼を親に紹介するのが目的なので、まず彼女から彼の紹介をしましょう。「○○さんです」と伝えれば彼も自己紹介しやすいです。そして、次に「父と母です」のように、自分の親の紹介をしましょう。
彼は、まず玄関先で名乗りましょう。「初めまして●●(名前)と申します。このたびはご多用の中、お時間をつくってくださり誠にありがとうございます」と笑顔で挨拶をします。「どうぞお上がりください」と促されたら、「失礼いたします」と言って靴を脱ぎましょう。
靴を脱いで上がる
家に上がるときは、体の向きを変えずに前を向いたまま上がりましょう。彼女の親にお尻を向けるのは失礼に当たります。上がってから後ろを向き、膝を突いて靴の爪先を玄関の扉に向け直します。このときもお尻を彼女の親に向けないように、やや斜め後ろ向きにしゃがみましょう。脱いだ靴は、玄関の下座であるげた箱側に置きます。
もしも彼がうっかり靴を揃え忘れてしまっていたら、彼女がさりげなくフォローしてあげると良いでしょう。
部屋に入り挨拶をする
案内された部屋に入るときは、「失礼します」と言ってから入りましょう。礼儀正しさは「しっかりした人」「娘を任せられる」という安心感に繋がります。
部屋に入ったら、彼女が口火を切って場を和ませましょう。「○月からお付き合いを始めた○○さんです。とても優しくて、穏やかな方です」などと伝えると良いでしょう。
和室の場合は、座布団に座るのではなく、座布団を外した位置に正座をして指を突いて挨拶をします。洋室の場合は、椅子に座る前に立った状態でお辞儀をして挨拶をしましょう。
彼からの挨拶の言葉としては、「このたびは、お邪魔させていただきありがとうございます。私は●●さん(彼女の名前)とお付き合いをしております△△(自分の名前)と申します。一度きちんとご挨拶に伺いたく、今日は無理にお時間をつくっていただき本当にありがとうございます」など、玄関先での挨拶よりも丁寧に行います。
挨拶が終わったら、「どうぞここに座ってね」と彼女が着席を促してあげましょう。常に親と彼との間の潤滑油になれるように気配りするのがポイントです。
手土産を渡す
手土産は部屋に通されてから、挨拶のタイミングで渡しましょう。夏の暑い時期などは、氷菓や要冷蔵の手土産を持っていくことがあるかもしれません。その際は、すぐに冷凍庫(冷蔵庫)に入れてもらえるように「冷たいお菓子なので、早めに冷凍庫(冷蔵庫)に入れていただけるとありがたいです」とひと言添えましょう。
手土産を渡すときの決まり文句に「つまらない物ですが」という表現があります。日本人の謙虚な気持ちを表して使われていましたが、昨今ではこの言い回しはあまり使われません。つまらない物を手土産にするのではなく、「自分のおすすめや喜んでもらえそうな物を食べてほしい」という思いが込められた表現にしましょう。
例えば「私の地元で人気のあるスイーツです」や「いま●●で一番人気があるそうです」など、受け取る側も「わざわざおいしい物を選んで買って来てくれた」など、その心遣いを喜んでくれるような言い回しがおすすめです。
彼女からも、「これ○○さんがわざわざ△△まで買いに行ってくれたのよ」とか「地元でおいしくて有名な○○らしいから、後でみんなでいただきましょう」など補足してひと言付け加えると、話が盛り上がるでしょう。
手土産の渡し方は、手提げ袋ごと渡すのではなく中の品物を出して相手の向きにして渡します。手提げ袋は品物が汚れないための袋なので、基本的には持って帰りましょう。
ただし名店やブランド品のおしゃれな袋の場合には、袋自体が喜ばれる場合もあります。「もし差し支えなければ袋ごとよろしいでしょうか」と了承を得て、手土産を渡してから袋も渡すと、失礼がなく気の利いた渡し方になります。
すすめられたら座る
和室・洋室共に、彼女の親に座るようにすすめられたら「失礼します」とひと言添えて座りましょう。
和室の場合は座布団の上に立つのはマナー違反です。座布団を外した位置から、座布団の上に軽く握りこぶしを作った両手を突きます。体を支えながら、中央の座る位置までにじり寄るのがマナーです。
【例文あり】どのような言葉で交際を告げればいいの?
付き合い始めにはどんな言葉で交際の挨拶をすれば良いのか、例文をご紹介します。併せて、交際期間の長いカップルの場合の例もご紹介します。
挨拶の前に……
彼女の親を前にしての会話は緊張するものです。緊張をほぐすためにも、交際の挨拶をする前に場を和ませる話題を入れましょう。
例えば駅から歩いてきた場合には、駅の様子や街の雰囲気などで感じた良いところを伝えましょう。「緑の多い街並みで、駅に降りるとホッとしますね」や「以前にも●●駅は△△のときに利用したことがあり、久しぶりに来られて嬉しかったです」など前向きな話が良いです。
このように少し会話のやりとりをしてから本題に入りましょう。責任を持って交際していることを伝えるのはもちろん、さりげなく彼女の良い面に触れると親からは喜ばれますよ。
付き合い始めのタイミングの場合
どのような人と付き合い始めたのか、親はとても気になるものです。自分の人となりを知ってもらい、安心して交際を見守ってもらえるような挨拶を心がけましょう。そのためには真剣に交際を始めたという気持ちを伝えることが大切です。
■挨拶の例文
「素敵な●●(彼女の名前)さんと出会うことができ、交際をさせていただいております。共に成長できるお付き合いをしていきたいと考えています。ご心配をおかけしないように、ふたりで一歩ずつ交際を深めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします」
付き合い始め以外でのタイミングの場合
交際が1年くらい続いたタイミングの場合
交際期間を知っている場合、親はそろそろ会っておきたいという状態になっています。心配をかけないよう、今後も責任を持ってしっかりとした気持ちで付き合いたいという思いを伝えましょう。
■挨拶の例文
「●●(彼女の名前)さんとは、△月ごろより良い交際をさせていただいています。とても素敵な女性で一緒にいると、物事の考え方や捉え方で学ぶことも多いです。いつも私の話を一生懸命に聞いてくれたり、時には励ましてくださり感謝しています。私も●●(彼女の名前)さんが少しでも日々楽しく安心して過ごせるように力になりたいと思っています。今後も責任を持ってお付き合いを続けさせていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」
同棲や旅行に行く前のタイミングの場合
ふたりで同棲をしたり、旅行に行ったりするのは交際が一歩進んだ状態です。またこのタイミングの挨拶は許可を取るという意味も含まれます。彼女の親がふたりの交際を知っていたとしても心配になるかもしれません。だからこそ事前に挨拶をして、将来を見据えた心構えがあることを伝えましょう。
■挨拶の例文(冒頭)※同棲の場合も旅行の場合も冒頭は同じ
「●●(彼女の名前)さんとは、お付き合いをさせていただき△年がたちました。ふたりともこの先も一緒に楽しいことをたくさん分かち合い、苦しいことも助け合いながら乗り越えていきたいと話し合っています」
■挨拶の例文(同棲の場合)
「私の仕事が来年に入ると落ち着くので、結婚も視野に入れてふたりの交際を進めていきたいと思います。そんなことを話し合ううちに、結婚に向けての準備をする時間をもっとつくりたいと一緒に住もうという話になりました。そのご相談もしたく、今回お時間をつくっていただきました。どうぞよろしくお願いいたします」
■挨拶の例文(旅行の場合)
「いろいろな楽しい話をするうちに、今後ふたりで△△に行ってみたいねということになりました。宿泊を予定しているので、そのお許しも頂きたく今回お時間をつくっていただきました。どうぞよろしくお願いいたします」
彼女の親への挨拶の準備はふたりで進めましょう
ふたりが出会ってふたりで決めた交際でも、やはり周りの人に温かく見守ってもらうことが大切です。これからも良いお付き合いをしていくための、一つの節目が「彼女の親への挨拶」だといえます。
彼女の親に挨拶に行くというのはとても緊張することです。そういった節目にこそ、たくさん話し合い、一緒に考え決めていきましょう。そのプロセスが、お互いの信頼関係をより深めてくれる大切な時間になるでしょう。
彼が前向きに取り組む姿に彼女は頼もしさを感じ、うまくいくようサポートをしてくれる彼女の姿に、彼は優しさや思いやりを感じるはずです。信頼関係を深めながら、挨拶の準備を楽しく進めていきましょう!
取材・文/高坂晴奈
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人 日本サービスマナー協会認定講師/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージ・コンサルタント代表理事/M.E.プロダクション代表
日本サービスマナー協会認定講師として、企業・団体から個人向けに、「ビジネスマナー研修」「傾聴スキル研修」など幅広く担当し、「和やかで明るく分かりやすい」と受講者から好評。マナー講師の仕事を中心に、自社事業の経営、企業などの人材育成に携わる。また、心理カウンセラーとして、モチベーションアップやメンタル強化のサポートをしている。
日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/
公式HP:https://me-pro.biz/index.php