自尊心が低い人の特徴や原因は?自尊心を高める方法も伝授!
Index
- #01 「自尊心」が低い人の特徴
- #02 「自尊心」が低くなってしまう原因
- #03 「自尊心」と「プライド」の違い
- #04 「自尊心」を高めると起こる良いこと
- #05 「自尊心」を高めるためにできること
- #06 「自尊心」が低い自分から卒業しよう!
自分に自信が持てなかったり、周りの言動が気になったり、ネガティブ思考が癖になってしまったり……。もしかして自分は他の人と比べて自尊心が低いのでは?と思ってしまう人がいるようです。
この「自尊心」とは、一体何なのでしょうか。メンタルケア・コンサルタントの大美賀直子さんに、自尊心が低い人の特徴から、低くなってしまう原因、自尊心とプライドの違い、自尊心を高めるためにできることを教えてもらいました。
「自尊心」とは、自分自身を尊重し、肯定できる気持ちのこと。自分の存在価値を認めて、価値のあるものだと感じ、自分を好きになるということです。
しかし、中には自尊心が低い人もいて、その人には次のような特徴があります。
●「私なんて……」「私はどうせ○○だから」といった発言が多い
●他人と比べて、自分の欠点ばかりが気になる
●「私はきっとうまくいく!」より、「私はきっと失敗する」と思うことが多い
●いつも他人に従い、自分の希望や意見が言えない
●褒められても素直に喜べない。お世辞だと感じる
マイナス思考で、悪い捉え方をした口癖が多かったり、自分の意見が言えなかったり。たとえ人に褒められたとしても素直に喜べない。なんとなく、毎日が楽しくなさそうですよね。
そもそも自尊心が低くなるのは、何かで自信がくじかれたことが原因で起こってしまうことが多いといわれています。
それは、仕事や学業、人間関係、家庭の中などで、自分だけついていけなかったり、できなかったり、浮いていると感じたり、注意されてばかりだったりという思いが大きく影響しています。いずれにしても、過去にうまくいかないことがあって、自信を失ってしまうことがきっかけになるようです。
自尊心とプライドを同じだと思っている人がいますが、これは全く違います。英語では、自尊心とプライドをはっきりと言葉で分けていて、自尊心は「セルフ・エスティーム」、プライドは「プライド」と、全く違うものと認識しています。
自尊心は、自信を持ち、自分の存在を尊いと感じることです。対するプライドには、誇りというポジティブな意味もありますが、高慢というネガティブな意味もあります。後者は、自分の弱点がばれないように、強く大きく見せることで、おごり高ぶる尊大な気持ちです。
では、自尊心が高まるとどんな良いことが起こるのでしょうか?
●自分の価値を認めることができる
●他人の価値を認めることができる
自尊心の高い人は、ありのままの自分の価値を認めることができます。自分の価値を認められるようになれると、周りの人にもそれぞれの価値があると思えます。
●人と比較することがなくなる
●何事も素直に楽しむことができる
●物事の見方が広がる
●人の良いところが見られるようになる
自分にも他人にも人それぞれの人生の価値がある。だから、他人と比べて尊大になることもないし、卑下することもありません。
「人はそれぞれの人生の目的に向かって頑張っていけばよい」という見方をすることができます。人と比べることがなくなり、自信が生まれます。視野が広がり、考えがポジティブになってくると思います。
自尊心が低い人は、自分が大した人間ではないと思っています。人は生きているだけで大変ですし、素晴らしいことなんです。
「毎朝朝食を作って食べている」とか、「水回りは常にきれいにしている」といった、日常生活の中で何げなくやっている当たり前の努力を書き出してみてください。
何げない日常を大切にして生きている自分がいとおしくなり、毎日続けている小さな努力を知ることができます。
ほとんどの人が、今まで生きていたら何かしらの苦労をしています。そして、それを克服したから今があるんです。
例えば、「仲間に誤解されたこともあったが、自分の思いを説明したら分かってもらえた」とか、「仕事の営業成績がなかなか上がらなかったけど、くじけずに頑張ったら少しずつ上がってきた」など、小さなことでいいんです。
ちょっとした苦労を克服した体験こそ大切に拾いましょう。
リフレーミングとは、フレームを変えて物事を見ること。短所も見方を変えれば長所になります。
次のような行動をすることで、今まで短所と感じていたことが自分の誇れる長所になり、自分の価値を発見しやすくなります。
●自分の短所を書き出す
まず、ノートの左側に自分が短所だと感じていることを書き出します。「口下手」とか、「がさつ」とか、とにかく短所やコンプレックスを全て書き出します。
●短所を長所に置き換えて書き出す
それぞれの短所を長所に置き換えて、ノートの右側に書き出します。例えば、「口下手」だったら「落ち着いている」「浮ついていない」「物事をよく考える性格」となり、「がさつ」だったら「おおらか」「細かいことを気にしない」と書きます。
「(短所)ということは、(長所)だ」とか、「(短所)だから、(長所)だ」に当てはめてみると、置き換えやすいと思います。
基本的に、全て書き出すことです。書くと、認識しやすくなるし、記録もできます。後で整理もできるので、一回書き出してみることをおすすめします。
毎日を頑張って生きていて、苦労を乗り越えてきて今の自分があると実感できると、自分への思いが肯定的になり、自分を抱き締めたくなります。そして、短所をリフレーミングすると、自分に対するマイナス評価がプラスに変わります。
1〜3で書いたものを手元に置いて、読み返しましょう。続けていくうちに、自尊心が高まっていくと思いますよ。
生きていればつらいこともあるし、弱ってしまうこともあるけれど、自尊心が低いより高い方が絶対に楽しいし、きっと生きていて楽だと思います。自分が満たされていて幸せでいれば、周りの人も幸せにできそうですよね。
頑張ってきたことや、克服したことを思い出して、書き出してみましょう。そして、短所をリフレーミングしてみてください。自信がない私、好きになれない私から卒業できるかもしれませんよ!
取材・文/坂田圭永
【監修】
大美賀直子さん
メンタルケア・コンサルタント。公認心理師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーの資格を持ち、カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動する。現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法を解説。All Aboutの「ストレス」などの記事で、人の心の成長に関わる情報を発信している。
公式サイト:https://www.mentalcare555.com/
この「自尊心」とは、一体何なのでしょうか。メンタルケア・コンサルタントの大美賀直子さんに、自尊心が低い人の特徴から、低くなってしまう原因、自尊心とプライドの違い、自尊心を高めるためにできることを教えてもらいました。
「自尊心」が低い人の特徴
「自尊心」とは、自分自身を尊重し、肯定できる気持ちのこと。自分の存在価値を認めて、価値のあるものだと感じ、自分を好きになるということです。
しかし、中には自尊心が低い人もいて、その人には次のような特徴があります。
●「私なんて……」「私はどうせ○○だから」といった発言が多い
●他人と比べて、自分の欠点ばかりが気になる
●「私はきっとうまくいく!」より、「私はきっと失敗する」と思うことが多い
●いつも他人に従い、自分の希望や意見が言えない
●褒められても素直に喜べない。お世辞だと感じる
マイナス思考で、悪い捉え方をした口癖が多かったり、自分の意見が言えなかったり。たとえ人に褒められたとしても素直に喜べない。なんとなく、毎日が楽しくなさそうですよね。
「自尊心」が低くなってしまう原因
そもそも自尊心が低くなるのは、何かで自信がくじかれたことが原因で起こってしまうことが多いといわれています。
それは、仕事や学業、人間関係、家庭の中などで、自分だけついていけなかったり、できなかったり、浮いていると感じたり、注意されてばかりだったりという思いが大きく影響しています。いずれにしても、過去にうまくいかないことがあって、自信を失ってしまうことがきっかけになるようです。
「自尊心」と「プライド」の違い
自尊心とプライドを同じだと思っている人がいますが、これは全く違います。英語では、自尊心とプライドをはっきりと言葉で分けていて、自尊心は「セルフ・エスティーム」、プライドは「プライド」と、全く違うものと認識しています。
自尊心は、自信を持ち、自分の存在を尊いと感じることです。対するプライドには、誇りというポジティブな意味もありますが、高慢というネガティブな意味もあります。後者は、自分の弱点がばれないように、強く大きく見せることで、おごり高ぶる尊大な気持ちです。
「自尊心」を高めると起こる良いこと
では、自尊心が高まるとどんな良いことが起こるのでしょうか?
●自分の価値を認めることができる
●他人の価値を認めることができる
自尊心の高い人は、ありのままの自分の価値を認めることができます。自分の価値を認められるようになれると、周りの人にもそれぞれの価値があると思えます。
●人と比較することがなくなる
●何事も素直に楽しむことができる
●物事の見方が広がる
●人の良いところが見られるようになる
自分にも他人にも人それぞれの人生の価値がある。だから、他人と比べて尊大になることもないし、卑下することもありません。
「人はそれぞれの人生の目的に向かって頑張っていけばよい」という見方をすることができます。人と比べることがなくなり、自信が生まれます。視野が広がり、考えがポジティブになってくると思います。
「自尊心」を高めるためにできること
1.自分が今までに頑張ってきたことを書き出す
自尊心が低い人は、自分が大した人間ではないと思っています。人は生きているだけで大変ですし、素晴らしいことなんです。
「毎朝朝食を作って食べている」とか、「水回りは常にきれいにしている」といった、日常生活の中で何げなくやっている当たり前の努力を書き出してみてください。
何げない日常を大切にして生きている自分がいとおしくなり、毎日続けている小さな努力を知ることができます。
2.自分が乗り越えてきた苦労克服体験を書き出す
ほとんどの人が、今まで生きていたら何かしらの苦労をしています。そして、それを克服したから今があるんです。
例えば、「仲間に誤解されたこともあったが、自分の思いを説明したら分かってもらえた」とか、「仕事の営業成績がなかなか上がらなかったけど、くじけずに頑張ったら少しずつ上がってきた」など、小さなことでいいんです。
ちょっとした苦労を克服した体験こそ大切に拾いましょう。
3.自分の短所をリフレーミングし、書き出す
リフレーミングとは、フレームを変えて物事を見ること。短所も見方を変えれば長所になります。
次のような行動をすることで、今まで短所と感じていたことが自分の誇れる長所になり、自分の価値を発見しやすくなります。
●自分の短所を書き出す
まず、ノートの左側に自分が短所だと感じていることを書き出します。「口下手」とか、「がさつ」とか、とにかく短所やコンプレックスを全て書き出します。
●短所を長所に置き換えて書き出す
それぞれの短所を長所に置き換えて、ノートの右側に書き出します。例えば、「口下手」だったら「落ち着いている」「浮ついていない」「物事をよく考える性格」となり、「がさつ」だったら「おおらか」「細かいことを気にしない」と書きます。
「(短所)ということは、(長所)だ」とか、「(短所)だから、(長所)だ」に当てはめてみると、置き換えやすいと思います。
基本的に、全て書き出すことです。書くと、認識しやすくなるし、記録もできます。後で整理もできるので、一回書き出してみることをおすすめします。
毎日を頑張って生きていて、苦労を乗り越えてきて今の自分があると実感できると、自分への思いが肯定的になり、自分を抱き締めたくなります。そして、短所をリフレーミングすると、自分に対するマイナス評価がプラスに変わります。
1〜3で書いたものを手元に置いて、読み返しましょう。続けていくうちに、自尊心が高まっていくと思いますよ。
「自尊心」が低い自分から卒業しよう!
生きていればつらいこともあるし、弱ってしまうこともあるけれど、自尊心が低いより高い方が絶対に楽しいし、きっと生きていて楽だと思います。自分が満たされていて幸せでいれば、周りの人も幸せにできそうですよね。
頑張ってきたことや、克服したことを思い出して、書き出してみましょう。そして、短所をリフレーミングしてみてください。自信がない私、好きになれない私から卒業できるかもしれませんよ!
取材・文/坂田圭永
【監修】
大美賀直子さん
メンタルケア・コンサルタント。公認心理師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーの資格を持ち、カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動する。現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法を解説。All Aboutの「ストレス」などの記事で、人の心の成長に関わる情報を発信している。
公式サイト:https://www.mentalcare555.com/