愛知の結婚式は派手?

愛知県の男性は堅実で、結婚も投資の一つ?

地域によって方言や名物があるように、男性にもご当地の特徴があるのでは…? セキララゼクシィでは、そんな疑問を調べてみることにしました。今回はゴージャスな結婚式で有名な愛知県の男性に注目します。
愛知県といえば日本を代表する製造業が多く、車好きの男性が多いイメージを持つ方も多いのでは? そんな愛知男子の性格と恋愛傾向について、県民性研究の第一人者、岩中祥史さんに伺いました。

尾張の男性は無駄が嫌いな働き者、三河の男性は新しいことにも積極的に挑戦



愛知県の男性は、どんな性格の人が多いのでしょうか?

「同じ愛知県といっても西部の尾張と東部の三河では、かなりの開きがあります。尾張の男性はとても働き者です。物作りが盛んなところですから、早寝早起きで、毎日汗水流して働きます。濃い味付けが大好きなのもそのためです。お金については非常に敏感。彼女と食事して勘定を払うときに、ポイントカードを出すことに抵抗はありません。

三河の男性はここまで徹底していません。その分、新しいことや前例のないことにチャレンジしようという気持ちが強い傾向があるようです。尾張に比べると平野が少なく米があまり採れなかったため、フロンティア精神が育まれたのでしょう。

織田信長も豊臣秀吉(どちらも愛知県出身)も、天下を取る寸前まで行ったのに、最後は殺されたり裏切られたりして、夢を果たせなかった。それで、『人間、いいことばかりは続かない』という教訓が愛知県男性に根付いているといえます。だからいざというときへの備えを重視します。お金、時間、エネルギーの無駄を徹底的に嫌い、家族にも同じことを求めがちです」

愛知の豪華な結婚式には深い理由があった…!



いざというときの備えのために無駄を嫌うというのは納得です。投資に対するリターンを厳しく評価する考え方が、日本有数の大企業を生んだのかもしれませんね。そうなると無駄を嫌うけれど結婚式は豪華というのは、不思議な気がしますが…。

「愛知県の結婚式が豪華といわれるのは、お金をかけた嫁入り道具を近所に披露する風習からでしょう。実は愛知県は人口のわりに東京都よりも結婚式場の数が多く、会場をじっくり検討できます。競争も激しいので、コストパフォーマンスに優れた会場を選べる環境にあるといえます。そこで、会場費で浮いたお金は、嫁入り道具と引出物に回します。これらはいざというときへの備え、投資という位置付けです。妻が夫と別れても、高価な嫁入り道具があればそれを売って暮らせるでしょう。

引出物をたくさん揃えるのは、夫婦に何かあったときに応援してほしいという親心から。嫁入り道具と引出物、両方を合わせるととんでもない金額になります。だからこそ、娘がいる家庭ではコツコツお金を貯めるんです。ただ最近はこうした昔ながらの考え方をする家庭は少なく、結婚式にかける費用は全国平均並みとなっているようです」

愛知県男性にとっては、結婚も投資の一つ?



愛知県男性について堅実なイメージが強くなってきましたが、彼らの恋愛や結婚はどうなんでしょう?

「愛知県の男性にとっては結婚も一種の投資みたいなもの。それで損をしたくはないので、稼ぐ夫ほど、妻にもそれなりに稼ぐ人やしっかりした人を求める傾向がありそうです。
それと、妻に対してはいつまでも美しくあってほしいと考えているので、わりとブランドものを買ってくれます。しっかり手入れしておけば、中古ブランド品買い取り店とかに高く売れますからね」

派手な結婚式=見栄っ張り?



愛知県の皆さま、派手な結婚式=見栄っ張りと単純に考えてしまい、大変失礼いたしました。いざというときの備えや将来への投資という考え方を徹底しているのが愛知県男性なんですね。「人間、いいことばかりは続かない」という教訓は、信長や秀吉の時代だけでなく、現代も同じですよね。何もなければそれに越したことはありませんが、何かあったときに「備えていてよかった〜!」と思うものです。愛知県にはそんな人生の危機にしっかり備える、頼りがいのある男性が多いということなのかもしれませんね。(ぱう)


【取材協力】
岩中祥史(いわなか・よしふみ)さん
編集企画会社エディットハウス代表取締役。出版プロデューサー、ノンフィクション作家。これまで手掛けた書籍は800冊以上。著書は『名古屋学』『博多学』『札幌学』『広島学』『鹿児島学』『新 不思議の国の信州人』『新 出身県でわかる人の性格』『名古屋の品格』『城下町の人間学』『「いい夫婦」の旅術』など多数。