優しすぎる人の特徴・心理!生きづらいと感じる場合の対処法は?

2024/12/18 11:00

優しすぎる人にどんな特徴があるか、その行動や心理について解説します。また、優しすぎるゆえのデメリットや優しすぎる性格を変えたいときの対処法を、人間関係やコミュニケーションに詳しい、心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞きました。

優しすぎる人とは?



優しすぎる人とは?

優しすぎる人とは、自分よりも他人を優先して物事を考える人です。自分の損得によらず、あるいはデメリットだとわかっていても相手のことを気遣うなど、周囲に対するこまやかな配慮をする人に対して使います。時には自分を犠牲にして頑張ってしまったり、気遣いすぎて自分自身が疲れてしまったりすることがあるでしょう。

「優しい」という言葉には、「他人に対して思いやりがある」「情がこまやかである」という意味があります。何をすれば「優しい」ではなく「優しすぎる」となるのか明確な定義はありませんが、他人のために常に我慢ばかりしている人や自分がしんどくなるくらい人に気を使ってしまう人は「優しすぎる人」といえるでしょう。


優しすぎる人の特徴



優しすぎる人の特徴

優しすぎる人には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。優しすぎる人に多く見られる行動や思考の特徴を紹介します。

誘いを断らない


優しすぎる人は、自分の楽しさよりも相手を残念な気持ちにさせないことを優先します。自分が断ることによって相手に嫌な感情を抱かせてしまうと考えるため、NOと言うのが苦手なのです。

例えば、「チケットが余っているからイベントに行かない?」「焼き肉食べに行こう」と誘われたとき、それほど興味がなくてもOKすることもあるでしょう。

人がよくだまされやすい


人間は基本的に良い存在で生まれつき悪い人間はいないという思いがあるため、だまされやすい傾向にあります。

彼氏の「今週末は出張だから会えない」という言葉を信じていたら、実は別の人とデートしていたというようなうそに巻き込まれることもあるかもしれません。

また、そのうそを知っても「自分を愛しているから真実を言えなかったのだ。彼もうそをつき続けるのは苦しかったに違いない」と、相手のことを善人の前提で考えます。

情に弱い


情にもろく、弱い立場にあるように見える人を放っておけないタイプが多いです。

「今日は大切な用事があって残業できないから変わってくれない?」などと頼まれると、「大事な用事に遅れたら大変だから、自分も余裕はないけど手伝ってあげたい」という情が出て、引き受けてしまうケースもあります。


優しすぎる人の心理



優しすぎる人の心理

自分が傷ついても、損をするとしても相手を喜ばせたいと考える、優しすぎる人。ここではそんな優しすぎる人の心理を見ていきましょう。

嫌われたくない


「人から嫌われている自分」を認識すると自己嫌悪に陥るため、人から嫌われることを非常に恐れています。

自分を犠牲にしているという自覚はあっても、優しすぎる人にとっては人からよく思われていないと意識する方がずっとつらいことなのです。

孤立を恐れている


集団の中で自分の意見や感情を言うことによって、対立する意見に挟まれる状態になることも起こり得ます。

過去に自分の意見を主張したために学校や社会で孤立した経験がある場合、その体験がトラウマとなって過剰に孤立状態を恐れるようになることがあります。

共感力が高い


人が困っているのを見るといたたまれない気持ちになる、他人が怒られていると自分もつらくなるのは、共感性が高いからです。

共感力が高いと他人だからという理由で切り離せず、自分が救ってあげたいと行動を起こす傾向があります。

自己評価が低い


自己評価が低い人には、「こんな自分なんて……」と考える癖がついています。

例えば「こんな自分を誘ってもらえたのだから、ありがたいと思って行かなければ」とか「こんな自分に付き合ってくれているのだから反論なんてしてはダメ」といった考え方です。

謙虚な気持ちではなく、自分に対する評価が低い場合には、自己犠牲に繋がる可能性が高くなります。


優しすぎることのデメリット



優しすぎることのデメリット

優しすぎる場合には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

人間関係に疲れてしまう


優しさも度が過ぎると自己犠牲になり、都合のいい人として扱われるケースがあります。体を酷使すれば疲れるように、自分の気持ちをおろそかにして周囲に気を使ってばかりでは心も悲鳴をあげていきます。

優しすぎる人はそんな自分の状態に気付かず、ある日突然、何に対しても無関心になってしまったり、すべてを放り出してしまったりする「バーンアウト」の状態になってしまう可能性があります。

何を考えているかわからないと評価される


怒りや悲しさを表現してもおかしくない状況なのに、優しく接されると「いい人すぎて本心は何を考えているかわからない」などと思わぬ誤解を受ける可能性も考えられます。

純粋な気持ちからの行動も、相手がその気持ちを理解できないと、本気で接してくれない人というようなマイナスの印象にとられかねません。

深い人間関係が築けない


深い人間関係の中でこそ、自分がどういう人間なのかが相手に伝わり、本当に自分を好いてくれる人との絆が生まれます。

我慢ばかりしていると周囲に自分の本心を打ち明けられず、広く浅い付き合いになりがちです。


優しすぎる性格を変える方法



優しすぎる性格を変える方法

優しすぎる性格を変えたいと思ったときにどうすればいいか、対処方法を解説します。

自分の日常のルーティンを決める


「食事の時間は電話に出ない」「22時以降のメールやメッセージアプリは見ないし、着信も出ない」「睡眠時間は7時間以下にしない」など、日常のルーティンにメリハリをつける行動を決めて実行しましょう。

他人の時間に振り回されない生活習慣をつけることが、優しすぎる人から脱出する鍵です。

相手と自分の問題を線引きする


困り事が起きたときは、それが「自分の問題」か「相手の問題」なのか、二択で考えてみる癖をつけましょう。

例えば、同僚が上司に怒られていたとします。それを見ると「つらそうだから、助けてあげたい」と思う気持ちが湧くでしょう。

しかし、これは「同僚の問題」です。相手の問題だと判断したら、必要以上に立ち入らないこと。「大変だったね」と声かけはしても、代わりに仕事を引き受けることはしないなど、線引きをすることが大切です。

自分で自分を卑下しない


「どうせ私なんか」といった自分を下げるような思考が癖になっていないか、振り返ってみましょう。

自分の可能性を自分で狭めないように、「断れた自分はよく頑張った」「断ったから、自分のための時間をつくれた」など、ポジティブな思考を心がけましょう。

「嫌だ」という感情を大切にする


何かを頼まれたりしたときに直感的に「嫌だ」という感情が湧いたときは、その感情にふたをするのをやめましょう。申し訳なく思う気持ちと合わせて、「でもそれは私にはできない」とはっきり伝えてみてください。

最初はどう思われるか怖いと感じていても、慣れてくるとすっきりした気持ちが生まれ、嫌なものは嫌と言えた自分を誇らしく思えるはずです。


まずは自分の気持ちを優先して、周囲と調和を取ろう



まずは自分の気持ちを優先して、周囲と調和を取ろう

優しすぎるのは悪いことではなく、相手の立場に立って考えられるという長所です。

必要以上に周囲を気遣ってつらい気持ちになってしまわないためにも、まずは自分の気持ちを確かめることが大切。自分を一番わかってあげられるのは自分自身です。

優しい心は忘れずにいつつ、自分がその環境で無理をせず過ごせているか、時々振り返ってみてくださいね。

取材・文/みつり

【監修】
小日向るり子さん
「カウンセリングスペースフィールマインド」代表。心理カウンセラー。一般社団法人 日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。JAAアロマコーディネーター。恋愛、人間関係、メンタルヘルスなど多くの悩みにカウンセリングを行っている。恋愛や心理系コラムの執筆やメディア出演、監修も多数行う。2024年4月までの相談件数は約6000件を超える。
オフィシャルサイト:http://feel-mind.net/




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