平服でお越しください、と言われたら?男女別に服装マナーを解説
2023/4/13 11:00
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友人の結婚式や二次会の招待状に、「平服でお越しください」と書かれていたことはありませんか。この記事では平服の意味、礼服や普段着の違い、男女別の平服コーディネート、マナー的にNGなアイテムなど、「平服」と言われたときの適切な服装について、日本サービスマナー協会認定講師の江頭美鈴さんに教えてもらいました。
平服とは、「礼服や礼装でなくてもよい」という意味を指します。結婚式や二次会の招待状などに「平服でお越しください」と書かれているのは、「ゲストに気を使わずに、気楽に来てほしい」という主催者側の思いが込められた言葉といえます。実際にはややフォーマル感のある服装に当たり、「普段着やカジュアルな服装でよい」という意味とは大きく異なりますので気を付けましょう。
平服と礼服、平服と普段着の違いについて見ていきましょう。
一般的に「礼服」とは、冠婚葬祭のすべてに着ていくことができる礼装のことを指し、「正礼服(フォーマルウエア)」「準礼服(セミフォーマルウエア)」「略礼服(インフォーマルウエア)」の3つに分けることができます。
正礼服(フォーマルウエア)とは?
正礼服はフォーマルウエアとも呼ばれ、礼服の中で最も格式が高い礼服です。男性なら「モーニング」「えんび服」「和装」、女性なら「黒留め袖」「アフタヌーンドレス」「イブニングドレス」が正礼服に当たります。
▼男性例/和装(黒紋付き袴)
▼女性例/黒留め袖
準礼服(セミフォーマルウエア)とは?
準礼服はセミフォーマルウエアとも呼ばれ、正礼服に準ずる装いを指します。男性なら「タキシード」や「ディレクターズスーツ」、女性なら「色留め袖」や「訪問着」「カクテルドレス」などがあります。
▼男性例/タキシード
▼女性例/カクテルドレス
略礼服(インフォーマルウエア)とは?
略礼服はインフォーマルウエアとも呼ばれ、礼服の中でもカジュアルな礼装です。男性なら「ブラックスーツ」や「ダークスーツ」、女性ならトレンドを取り入れたカジュアルすぎない「ワンピース」や「アンサンブル」が略礼服に当たります。
▼男性例/ブラックスーツ
▼女性例/ワンピース
上述の3つのうち、「平服」とは略礼服(インフォーマルウエア)に当たり、自由度の高いフォーマルな装いになります。
普段着は日常的に着用する洋服のことで、平服はフォーマルの中でも比較的自由度が高い礼装のことなので、平服と普段着では意味が大きく異なります。
普段着は動きやすい、洗濯しやすいなど、自分の好きなものを身に着けて構いませんが、平服の場合はTPOやマナーを意識して選びましょう。
結婚式や二次会に招待された場合の「平服」は男性ならスーツ、女性ならキレイめなワンピースが基本です。ワンピースの素材は綿や麻ではなく、シルクやサテンなど光沢があり、品格があるものを着るとよいでしょう。
男性の平服コーディネートについて、シーン別のおすすめをご紹介します。反対にマナーとして避けた方がよいアイテムも見ていきましょう。
■スーツ
ブラックやネイビー、グレーといったダークカラーのスーツが基本です。ホテルや結婚式会場に招待された場合は、ポケットチーフでおしゃれ度をアップさせるとよいでしょう。
■シャツ
基本的にはホワイトのシャツを選びましょう。センスよく見せるなら、強すぎないストライプなどの柄やブルー、ピンクなどでコーディネートをするのもおすすめです。
■ネクタイ
何にでも合うシルバーが一般的ですが、シャツとの色合わせでブルーやピンク、細かい柄で素敵さを演出するのもよいでしょう。
■足元
ブラックを着用することが多いですが、平服の場合はスーツと同色にしたり、ベルトと靴を合わせて茶系にしたりとおしゃれを楽しむのも素敵です。
ホテルなどよりも少しカジュアルダウンして、おしゃれ度をアップさせるとよいでしょう。
■スーツ
ダークスーツでも構いませんが、明るいブラウンやシルバーのスーツも爽やかに見えて素敵です。ジャケットは忘れずに身に着けましょう。
■ネクタイ
パステルカラーや小ぶりな柄のネクタイを選ぶとおしゃれに見えます。またはメンズスカーフをネクタイのようにクロスさせて中央で垂らすと遊び心があり、華やかな場にもふさわしいでしょう。ポケットチーフと同じ色や柄、素材にするなど組み合わせると、さらにおしゃれの上級者に見えます。
■靴
スーツに合わせて、違和感のない色を選ぶと足が長くスラッと見えます。
ニット素材やパーカ、カットソー、Tシャツ、カジュアルなジーンズやダメージジーンズなど、高級ブランドだとしても普段着に当たるものは避けます。サンダルやスニーカーも不適切になるため注意が必要です。
またハーフパンツのように肌の露出や素足が見えるものも控えた方がよいでしょう。
女性の平服コーディネートについて、シーン別のおすすめをご紹介します。反対にマナーとして避けた方がよいアイテムも見ていきましょう。
■服装
全体的に統一感を持たせた方が上品なイメージになるため、ワンピースや上下お揃いのセットアップ、アンサンブルを選ぶとよいでしょう。
■柄
平服であれば強すぎない柄物や多色使いのもの、デザイン性の高いものもよしとされています。トレンドを取り入れながら、おしゃれ度をアップさせましょう。
■素材
サテンやレースなど光沢のある素材で華やかさを出すとよいです。コットンや麻、デニム素材は避けましょう。
■スカート丈
膝が隠れるくらいの長さのスカートを選ぶと、軽やかな印象を与えます。フォーマルすぎず、カジュアルすぎないイメージを演出できるでしょう。
■足元
ヒールが3cmほどのパンプスを選びましょう。素足にミュールは避けます。
男性同様、ホテルなどよりも少しカジュアルダウンして大丈夫。色みやシルエット、トレンドを意識しておしゃれを楽しみましょう。
■服装
ワンピースはもちろん、動きやすいセットアップのドレッシーなパンツスタイルもおすすめです。ただし、袖が膨らんでいると食事に付いてしまったり、裾丈が長過ぎるとつまずいてしまったりする可能性もあるので、機能性も意識して選びましょう。
■足元
結婚式と同様、ヒールが3cmほどのパンプスがおすすめ。ただし、カジュアルな雰囲気の会場の場合はファッション性をより意識して、ヒールがないもの、ヒールが高めのものでもかまいません。ストッキングはベージュを基本にしたものを選びますが、ラメ入りやワンポイントなどのデザイン性あるもので遊んでもよいでしょう。
普段着とは線引きをして、スウェットやセーターは避けましょう。日頃着ている仕事着のスーツも華やかなお祝いの場にはふさわしくありません。
そのほか素足や厚手の柄物タイツ、黒いストッキング、サンダル、ミュールは控えます。高すぎて不安定なヒールやブーツも転びやすいので注意が必要です。TPOに合わせてカジュアルになりすぎない装いを意識しましょう。
ノースリーブや胸元が開いているデザインの場合は、ショールやアクセサリーでバランスを整えると華やかさが演出できます。
結婚式や二次会の招待状に「平服でお越しください」と書かれていたら、「普段着やカジュアルな服装でよい」という意味とは異なりますので、気を付けるようにしましょう。清潔感や品の良さ、TPOに合わせたキレイめな装いを意識しつつ、トレンドや自分らしいおしゃれを楽しんでみてくださいね。披露宴やパーティ、同窓会、就職活動など意外と平服を求められる場面はありますから、事前にマナーを知って備えておくと安心です。
取材・文/高坂晴奈
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人 日本サービスマナー協会認定講師/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージ・コンサルタント代表理事/M.E.プロダクション代表
日本サービスマナー協会認定講師として、企業・団体から個人向けに、「ビジネスマナー研修」「傾聴スキル研修」など幅広く担当し、「和やかで明るく分かりやすい」と受講者から好評。マナー講師の仕事を中心に、自社事業の経営、企業などの人材育成に携わる。また、心理カウンセラーとして、モチベーションアップやメンタル強化のサポートをしている。
日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/
公式HP:https://me-pro.biz/index.php
平服とは?「平服でお越しください」の意味
平服とは、「礼服や礼装でなくてもよい」という意味を指します。結婚式や二次会の招待状などに「平服でお越しください」と書かれているのは、「ゲストに気を使わずに、気楽に来てほしい」という主催者側の思いが込められた言葉といえます。実際にはややフォーマル感のある服装に当たり、「普段着やカジュアルな服装でよい」という意味とは大きく異なりますので気を付けましょう。
平服と礼服、平服と普段着の違い
平服と礼服、平服と普段着の違いについて見ていきましょう。
平服と礼服の違い
一般的に「礼服」とは、冠婚葬祭のすべてに着ていくことができる礼装のことを指し、「正礼服(フォーマルウエア)」「準礼服(セミフォーマルウエア)」「略礼服(インフォーマルウエア)」の3つに分けることができます。
正礼服(フォーマルウエア)とは?
正礼服はフォーマルウエアとも呼ばれ、礼服の中で最も格式が高い礼服です。男性なら「モーニング」「えんび服」「和装」、女性なら「黒留め袖」「アフタヌーンドレス」「イブニングドレス」が正礼服に当たります。
▼男性例/和装(黒紋付き袴)
▼女性例/黒留め袖
準礼服(セミフォーマルウエア)とは?
準礼服はセミフォーマルウエアとも呼ばれ、正礼服に準ずる装いを指します。男性なら「タキシード」や「ディレクターズスーツ」、女性なら「色留め袖」や「訪問着」「カクテルドレス」などがあります。
▼男性例/タキシード
▼女性例/カクテルドレス
略礼服(インフォーマルウエア)とは?
略礼服はインフォーマルウエアとも呼ばれ、礼服の中でもカジュアルな礼装です。男性なら「ブラックスーツ」や「ダークスーツ」、女性ならトレンドを取り入れたカジュアルすぎない「ワンピース」や「アンサンブル」が略礼服に当たります。
▼男性例/ブラックスーツ
▼女性例/ワンピース
上述の3つのうち、「平服」とは略礼服(インフォーマルウエア)に当たり、自由度の高いフォーマルな装いになります。
平服と普段着の違い
普段着は日常的に着用する洋服のことで、平服はフォーマルの中でも比較的自由度が高い礼装のことなので、平服と普段着では意味が大きく異なります。
普段着は動きやすい、洗濯しやすいなど、自分の好きなものを身に着けて構いませんが、平服の場合はTPOやマナーを意識して選びましょう。
結婚式や二次会に招待された場合の「平服」は男性ならスーツ、女性ならキレイめなワンピースが基本です。ワンピースの素材は綿や麻ではなく、シルクやサテンなど光沢があり、品格があるものを着るとよいでしょう。
【男性編】平服のコーディネート例&NGアイテム
男性の平服コーディネートについて、シーン別のおすすめをご紹介します。反対にマナーとして避けた方がよいアイテムも見ていきましょう。
男性のおすすめ平服コーデ:結婚式の場合
■スーツ
ブラックやネイビー、グレーといったダークカラーのスーツが基本です。ホテルや結婚式会場に招待された場合は、ポケットチーフでおしゃれ度をアップさせるとよいでしょう。
■シャツ
基本的にはホワイトのシャツを選びましょう。センスよく見せるなら、強すぎないストライプなどの柄やブルー、ピンクなどでコーディネートをするのもおすすめです。
■ネクタイ
何にでも合うシルバーが一般的ですが、シャツとの色合わせでブルーやピンク、細かい柄で素敵さを演出するのもよいでしょう。
■足元
ブラックを着用することが多いですが、平服の場合はスーツと同色にしたり、ベルトと靴を合わせて茶系にしたりとおしゃれを楽しむのも素敵です。
男性のおすすめ平服コーデ:レストランやカフェでの立食パーティの場合
ホテルなどよりも少しカジュアルダウンして、おしゃれ度をアップさせるとよいでしょう。
■スーツ
ダークスーツでも構いませんが、明るいブラウンやシルバーのスーツも爽やかに見えて素敵です。ジャケットは忘れずに身に着けましょう。
■ネクタイ
パステルカラーや小ぶりな柄のネクタイを選ぶとおしゃれに見えます。またはメンズスカーフをネクタイのようにクロスさせて中央で垂らすと遊び心があり、華やかな場にもふさわしいでしょう。ポケットチーフと同じ色や柄、素材にするなど組み合わせると、さらにおしゃれの上級者に見えます。
■靴
スーツに合わせて、違和感のない色を選ぶと足が長くスラッと見えます。
マナー的にNGなアイテム
ニット素材やパーカ、カットソー、Tシャツ、カジュアルなジーンズやダメージジーンズなど、高級ブランドだとしても普段着に当たるものは避けます。サンダルやスニーカーも不適切になるため注意が必要です。
またハーフパンツのように肌の露出や素足が見えるものも控えた方がよいでしょう。
【女性編】平服のコーディネート例&NGアイテム
女性の平服コーディネートについて、シーン別のおすすめをご紹介します。反対にマナーとして避けた方がよいアイテムも見ていきましょう。
女性のおすすめ平服コーデ:結婚式の場合
■服装
全体的に統一感を持たせた方が上品なイメージになるため、ワンピースや上下お揃いのセットアップ、アンサンブルを選ぶとよいでしょう。
■柄
平服であれば強すぎない柄物や多色使いのもの、デザイン性の高いものもよしとされています。トレンドを取り入れながら、おしゃれ度をアップさせましょう。
■素材
サテンやレースなど光沢のある素材で華やかさを出すとよいです。コットンや麻、デニム素材は避けましょう。
■スカート丈
膝が隠れるくらいの長さのスカートを選ぶと、軽やかな印象を与えます。フォーマルすぎず、カジュアルすぎないイメージを演出できるでしょう。
■足元
ヒールが3cmほどのパンプスを選びましょう。素足にミュールは避けます。
女性のおすすめ平服コーデ:レストランやカフェでの立食パーティの場合
男性同様、ホテルなどよりも少しカジュアルダウンして大丈夫。色みやシルエット、トレンドを意識しておしゃれを楽しみましょう。
■服装
ワンピースはもちろん、動きやすいセットアップのドレッシーなパンツスタイルもおすすめです。ただし、袖が膨らんでいると食事に付いてしまったり、裾丈が長過ぎるとつまずいてしまったりする可能性もあるので、機能性も意識して選びましょう。
■足元
結婚式と同様、ヒールが3cmほどのパンプスがおすすめ。ただし、カジュアルな雰囲気の会場の場合はファッション性をより意識して、ヒールがないもの、ヒールが高めのものでもかまいません。ストッキングはベージュを基本にしたものを選びますが、ラメ入りやワンポイントなどのデザイン性あるもので遊んでもよいでしょう。
マナー的にNGなアイテム
普段着とは線引きをして、スウェットやセーターは避けましょう。日頃着ている仕事着のスーツも華やかなお祝いの場にはふさわしくありません。
そのほか素足や厚手の柄物タイツ、黒いストッキング、サンダル、ミュールは控えます。高すぎて不安定なヒールやブーツも転びやすいので注意が必要です。TPOに合わせてカジュアルになりすぎない装いを意識しましょう。
ノースリーブや胸元が開いているデザインの場合は、ショールやアクセサリーでバランスを整えると華やかさが演出できます。
平服のマナーを知って、素敵な装いを
結婚式や二次会の招待状に「平服でお越しください」と書かれていたら、「普段着やカジュアルな服装でよい」という意味とは異なりますので、気を付けるようにしましょう。清潔感や品の良さ、TPOに合わせたキレイめな装いを意識しつつ、トレンドや自分らしいおしゃれを楽しんでみてくださいね。披露宴やパーティ、同窓会、就職活動など意外と平服を求められる場面はありますから、事前にマナーを知って備えておくと安心です。
取材・文/高坂晴奈
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人 日本サービスマナー協会認定講師/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージ・コンサルタント代表理事/M.E.プロダクション代表
日本サービスマナー協会認定講師として、企業・団体から個人向けに、「ビジネスマナー研修」「傾聴スキル研修」など幅広く担当し、「和やかで明るく分かりやすい」と受講者から好評。マナー講師の仕事を中心に、自社事業の経営、企業などの人材育成に携わる。また、心理カウンセラーとして、モチベーションアップやメンタル強化のサポートをしている。
日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/
公式HP:https://me-pro.biz/index.php