【婚約とは】定義や法的な拘束力って?結婚までにやることは?

2023/3/7 11:00

「婚約した」「婚約者がいる」といった言葉を耳にすることはありますが、「婚約」とは一体どのような状態を指しているのでしょうか?婚約の意味や結婚との違い、法的な拘束力、婚約するときに行うことについて解説します。また結婚までの流れや婚約するメリットなど、「婚約」について日本サービスマナー協会認定講師の江頭美鈴さんに詳しく聞きました。

婚約とは?何をもって婚約となるの?



婚約とは?何をもって婚約となるの?

婚約とは、「将来この人と結婚する」と決意し、カップルがお互いの意思を確認して共通の認識を持った「約束をしている状態」を指します。とくに書面などに明記はせず、口約束であっても婚約していると言えます。

しかし何か問題が起こった際に、「本意ではなかった」「言っていない」などのすれ違いが起こることも。婚約をしていたとみなされるかどうかはケースバイケースで、厳密な線引きが難しい側面もあります。日常的な会話の中での、「結婚したいね」「結婚できたら良いね」といった未来的希望や曖昧さを残している状態では、婚約と認められにくいでしょう。

一方でプロポーズと承諾の事実があるケース、婚約指輪や記念品を贈るという行為があれば婚約していると言えます。また結納や両家の顔合わせなどで第三者に認知してもらっている場合も、婚約が成立していると考えて間違いありません。


婚約に法的な拘束力はある?婚約と結婚の違い



婚約に法的な拘束力はある?婚約と結婚の違い

「結婚」は、役所に婚姻届を提出し受理されることで、夫婦と認められることです。承認された時点から夫婦としての法的な責任や拘束力が発生します。「同居してお互いに協力し扶助する義務」「家事や債務の連帯責任」「子の監護義務」「貞操義務」などが法律で定められているのです。

「婚約」は、法律の条文で定められたものはなく、法律的な責任や拘束力は発生しません。しかし一方的な婚約破棄や不貞行為などがあった場合は、損害賠償や慰謝料請求の対象となる法的義務が生じることもあります。

「結婚」と「婚約」の大きな違いは、婚姻届を提出し、ふたりの関係が法律で認められているかどうかです。


婚約時には何をする?



婚約時には何をする?

一般的に婚約をする際は、どのようなことをするのでしょうか。時系列で見ていきましょう。

1.プロポーズ(結婚の申し込み)をし、結婚の約束をする


結婚においてプロポーズがすべての始まりと言っても過言ではありません。結婚の意思を伝えて、相手から承諾をもらうことで夫婦になることを約束します。

2.自分の親に、「結婚したい人がいる」との報告をする


「この間、●●さんからプロポーズをされました」「●●さんがあいさつに来たいと言っている」など、結婚したい人がいることを自分の親に報告しましょう。

交際相手のことを初めて伝える場合は、相手の名前や年齢、職業、人柄、交際期間などの情報も共有しておくと良いです。

3.婚約指輪(記念品)を贈る、またはお返しを決める


婚約したことを形として示すのが婚約の記念品です。婚約指輪はプロポーズとともに贈ることが多いですが、後からふたりで購入するスタイルも増えています。

また婚約記念品をもらった場合は、お返しをすることが望ましいです。腕時計やスーツ、趣味のものや仕事で使うものなど相手が喜びそうなお返しを選びましょう。

4.相手の親にあいさつに行く


結婚の意思を確認し合ったことを、お互いの親に伝えに行きましょう。正式に結婚の承諾を得られれば、両家の親から婚約者として認められることになるため、結婚に向けて大きく前進します。

5.婚姻届の提出日を決めて、結婚までのプランをつくる


婚姻届の提出日を決めたら、結納や顔合わせの日程、結婚式の内容、新居の手配、友人や会社への報告など結婚までのプランを決めます。

婚約後は忙しくなるため、スムーズに準備を進められるように、ふたりで計画を立てると安心です。


婚約指輪は必要?



婚約指輪はありましたか?グラフ

婚約記念品の品物は?グラフ

出典:「ゼクシィトレンド調査2022(首都圏)

婚約をする際に、婚約指輪は必要なものなのでしょうか「ゼクシィトレンド調査2022(首都圏)」では、婚約記念品を贈った人は全体の78.2%で、そのうちの約90%が指輪を選んでいる結果になりました。

婚約指輪を贈る意味


婚約指輪は必ずしも必要なものではありませんが、憧れや生涯の宝物として選ぶ人が多いです。婚約指輪はエンゲージリングとも呼ばれ、エンゲージは「約束」や「契約」を表します。またリングの丸は「終わりがない」「永遠に続く」という意味が込められています。

一般的にはダイヤモンドをあしらった婚約指輪を選ぶ人がほとんど。ダイヤは「永遠の絆」「純潔」を意味し、鉱物の中でも硬度が高く「永遠に変色せず輝く」とも言われています。高価なものが多く、気軽に渡せるものではないからこそ、贈る側の決意の表れでもあります。

婚約指輪を買わない場合


婚約指輪ではなく、ネックレスやピアス、別の記念品を希望する人もいます。また記念品にお金をかけずに、旅行や生活面などに費用を使いたいという場合も。日頃のコミュニケーションの中で、ふたりの価値観を共有しておきましょう。


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婚約〜結婚までの流れ



婚約〜結婚までの流れ

婚約から結婚までの代表的な流れを順番に見ていきましょう。

1.婚約の成立


パートナーに結婚の申し込みをし、承諾をされれば婚姻は成立します。

このプロポーズのときに、「婚約指輪を贈り、承諾として指輪を受け取る」という一連の流れに憧れを抱いていたり、思い出の瞬間として大切にしたいと考えていたりする人は多いのではないでしょうか。お互いの希望を伝え合い、悔いのない時間を過ごしましょう。

2.親へのあいさつ


ふたりの意思確認ができたら、なるべく早くお互いの親に報告をしてあいさつに行きましょう。親が遠方に住んでいる場合は、先に電話で伝えておくと良いです。

女性側の親からあいさつに行くことがマナーと言われていましたが、最近では特に気にする必要はなく、ふたりと親の都合を優先させることが多い傾向にあります。

3.婚約指輪(記念品)を贈る、またはお返しを決める


プロポーズのときに婚約指輪を渡していない場合は、婚約指輪か記念品を早めに渡しましょう。また指輪を受け取った側は、お返しをどうするのか考えます。

昨今は自分たちらしい形を優先して、記念品にこだわらないカップルも増えてきました。例えばふたりでお金を貯めて旅行に行ったり、おそろいの時計やアクセサリーを買ったりするケースもあるため、ふたりで話し合って決めましょう。

婚約記念品を気にしている親もいるため、両家の顔合わせまでには済ませて報告できるようにしておくと良いです。

4.両家の顔合わせ食事会


これから親族関係になる両家で、顔合わせ食事会をします。

今後結納もするのか、結婚式の時期、新居についてなど、ふたりや両家の考えを意見交換できる貴重な場と捉えましょう。また婚約指輪のお返しを、この顔合わせ食事会の場で渡すのも良いです。

5.結婚式や披露宴、新婚旅行について決める


結婚式や披露宴の内容、時期などの方向性が決まったら、情報収集をして結婚式場の見学など準備を進めます。また新婚旅行についても行くのか否か、場所や日程をどうするのかも決めましょう。


婚約することの3つのメリット



婚約することの3つのメリット

婚約をするメリットには、どのようなことが挙げられるのでしょうか。主なメリットを3つご紹介します。

責任感が生まれる


婚約することによって、お互いが相手に対して責任感を持つことができます。

それぞれの意識や行動が変化することで、人間的な成長にも繋がるはずです。また問題が起きたとしても、ふたりで乗り越えようとする原動力になるでしょう。

将来設計が明確になる


お互いが置かれている仕事、プライベートでの立場や状況を踏まえて、具体的にふたりの歩む未来が見えてきます。

どのような人生を築いていきたいのかライフプランを考えることで、未来への希望と期待が高まるでしょう。

精神的安定が得られる


ひとりで生きていくのではなく共に生きていく人がいる、心に寄り添える人がいるという安心感が得られます。

帰る場所ができるというのは心強いはずです。また将来を見通せるようになることも精神的な安定に繋がります。


婚約は将来をかけた大切な約束



婚約は将来をかけた大切な約束

婚約するには決まった形式や書面の作成などは必要ありませんが、ふたりの将来を一緒に描く大切な約束です。約束を交わすことで、お互いの絆をより強固なものにできるでしょう。また婚約期間は、ふたりの将来について希望をすり合わせることができる貴重な結婚への準備期間でもあります。結婚式や新居などはもちろん、仕事や家族のライフプランなどしっかり話し合っておきましょう。


取材・文/高坂晴奈


【監修】
江頭 美鈴さん
NPO法人 日本サービスマナー協会認定講師/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージ・コンサルタント代表理事/M.E.プロダクション代表
日本サービスマナー協会認定講師として、企業・団体から個人向けに、「ビジネスマナー研修」「傾聴スキル研修」など幅広く担当し、「和やかで明るく分かりやすい」と受講者から好評。マナー講師の仕事を中心に、自社事業の経営、企業などの人材育成に携わる。また、心理カウンセラーとして、モチベーションアップやメンタル強化のサポートをしている。
日本サービスマナー協会:https://www.japan-service.org/
公式HP:https://me-pro.biz/index.php




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