「嫁さん」ではなく何と呼ぶ?今の時代に合う妻の呼び方って?
2023/7/20 11:00
Index
- #01 男性は人前で自分の配偶者を何と呼ぶ?
- #02 【呼び方別】本来の言葉の意味と注意点
- #03 話している相手の配偶者の呼び方は?
- #04 自分や話す相手の配偶者の呼び方で困るときの対処法
- #05 配偶者の呼び方への感じ方は人それぞれ
「嫁さん」「嫁」「妻」「奥さん」……。男性が配偶者を呼ぶときの呼び方はたくさんあるため、何と呼んだ方がいいのか分からない、という人もいるのではないでしょうか?友人同士や目上の人など、話している相手との関係性によってどの呼び方を選べばいいのか、会話をしている相手の配偶者を何と呼べばいいのか、迷ってしまいますよね。そこで、パートナーの呼び方についてのアンケート調査の結果と、日本サービスマナー協会認定マナー講師の江頭美鈴さんに教えていただいた自分や相手の配偶者の呼び方で困るときの対処法や相手に失礼にならない呼び方をご紹介します。
20〜30代の既婚男性に、配偶者の呼び方についてアンケートを実施しました。まずは、人前で自分の配偶者を何と呼ぶことが多いのか、話している相手との関係別に結果を見てみましょう。
呼び方のランキングを見てみると、話している相手によって呼び方を変えている人が多いらしく、順位が微妙に異なります。特に目上の人と話すときは、親しい人の前とは違う呼び方をするようです。
親戚の前での女性パートナーの呼び方
1位 妻の名前を呼び捨て(40.8%)
2位 妻の名前+さん(16.5%)
3位 妻(15.5%)
4位 ママorお母さん(5.8%)
5位 奥さん(4.9%)
5位 分からない(4.9%)
7位 その他(3.9%)
8位 嫁(2.9%)
8位 嫁さん(2.9%)
10位 かみさん(1.0%)
10位 女房(1.0%)
親戚の前では「妻の名前を呼び捨て」と「妻の名前+さん」と名前呼びの合計が57.3%と半数以上を占めています。「ママorお母さん」という呼び方も他の相手の場合より多く見られるので、普段配偶者を呼んでいる呼び方そのままであると思われます。
目上の人の前での女性パートナーの呼び方
1位 妻(53.4%)
2位 妻の名前を呼び捨て(12.6%)
3位 嫁(9.7%)
3位 奥さん(9.7%)
5位 嫁さん(2.9%)
5位 妻の名前+さん(2.9%)
5位 ママorお母さん(2.9%)
5位 分からない(2.9%)
9位 かみさん(1.9%)
10位 女房(1.0%)
職場で上司や先輩と話しているときなど、目上の人の前では「妻」と呼ぶ人が半数以上います。また「妻の名前を呼び捨て」「嫁」など「さん」を付けない呼び方が合計で75.7%と一番多いのが特徴です。
友人の前での女性パートナーの呼び方
1位 妻の名前を呼び捨て(27.2%)
2位 妻(17.5%)
3位 嫁(15.5%)
4位 嫁さん(11.7%)
4位 奥さん(11.7%)
6位 妻の名前+さん(3.9%)
7位 かみさん(2.9%)
7位 分からない(2.9%)
9位 ママorお母さん(1.9%)
9位 その他(1.9%)
こちらも1位は「妻の名前を呼び捨て」ですが、他の話し相手と比べて呼び方にあまり偏りがなく、「妻の名前を呼び捨て」「妻」「嫁」「嫁さん」「奥さん」の5種類が80%以上を占めています。話し相手が友人の場合は飛び抜けて多く使われている呼び方がないのが特徴です。
男性が使う配偶者の呼び方はたくさんあるので迷ってしまいますよね。きっと、本来の言葉の意味や使い方を知れば使い分けやすくなるはず。そこで、それぞれの呼び方の意味を江頭さんに教えていただきました。
男性が自身の配偶者に対して用いる正式な呼び方とされています。日本古来の書物である『古事記』にもすでに使われていました。
また時代と共にその意味合いも変化してきた言葉の一つです。もともと「連れ添う身」が「連れ身」になり「つま」に変化。そこに漢字を当てて「妻」になったといわれています。
明治時代に現代の婚姻関係に通じる制度ができ、正式な書類に記載するようになりました。
「嫁ぐ」という言葉からも分かるように、息子の配偶者としてその家に嫁いできた女性を「嫁」「嫁さん」と呼びます。それがいつしか、自分の配偶者を「嫁」「嫁さん」と呼ぶようになりました。
本来は親が使う呼び方で自分の配偶者には使わない呼び方なので、正式な場では使わないなどTPOに気を付けるといいでしょう。
もともと武家屋敷などの奧に住む主の配偶者(家の奥にいる人)を敬い「奥方」と呼びました。その言葉が、「奥様」さらに「奧さん」に変化しました。
現代では相手の配偶者に対し、尊敬語として「奥様」を使います。丁寧な表現なので、目上の人やお客さまの場合でも使用できます。カジュアルな関係の相手の配偶者を「奧さん」と呼びます。
自分の配偶者に対しても「奥さん」という呼び方が定着していますが、本来は誤りだということを認識しておきましょう。「奥様」という丁寧な呼び方は相手を敬っている使い方なので、目上の人やお客さまの場合でも使用できます。
しかし、「家の奥にいる人」という由来が、夫婦間の主従関係や「女性は家にいるもの」という考え方を連想させるため、現代の感覚には合っていません。ジェンダーレスに高い意識を持つ人は、違和感を覚える可能性があることも知っておきましょう。
子どもがいる場合に照れずに使いやすい言葉ですが、第三者の前で使うと幼さを感じさせてしまいます。相手の配偶者に「ママさん」「相手の子どもの名前+ママorお母さん」と呼ぶのも、友人などのカジュアルな関係性の場合のみにした方がよいでしょう。
また、「私はあなたのママ(お母さん)じゃない」という意見もあるので、使い方には注意した方がよさそうです。
「上様(かみさま)」が語源で目上の人を立てている言い方でした。現代では、自分や他人の配偶者をかなり砕けた表現で呼ぶときに使われています。そのため、立場が上の方に対して使うと失礼に当たります。
現在では、自分の配偶者の砕けた呼び方として使われています。平安時代から江戸時代に入る頃、貴族社会で身分の高い人々に仕えた女性の使用人のことを「女房」と呼びました。
「房」には部屋の意味があり、身の回りの世話をしてくれる人を指しましたが、そのうち他者と話すときの謙譲語として配偶者を「女房」と呼ぶようになりました。
「姉さん女房」のように相手や第三者の配偶者を指す言葉で使われることもありますが、自分の配偶者の呼び方としては、現代の感覚には合っていません。
字の通り「家の内側(中)にいる人」を指します。男性が外で働き女性は家を守るのが役割という概念があった明治時代に広まったといわれています。
一昔前はよく使われていたため高齢の方には違和感がないかもしれませんが、現代の感覚や現状には合わなくなってきている言葉の一つです。
へりくだる意味合いで使うことがありますが、正式な呼び方ではなく所有物のような言い方なのであまり使わないようにしましょう。妻の親が聞いたときも不愉快に感じるかもしれません。
また、若い年代には違和感があるようで、あまり使われていません。
パートナーの意味合いで砕けた呼び方として使うケースがあります。芸人同士の呼び方を想像させるので、お互いがよくても第三者が聞くと違和感を持つ人もいるでしょう。
アンケートでは、会話をしている相手の女性配偶者を何と呼ぶことが多いのかも聞いてみました。
こちらも相手ごとに順位が微妙に異なります。また、自分の配偶者の呼び方に比べ「分からない」という回答の割合が高く、迷っている人も多数いるようです。
相手が親戚の場合
1位 相手の妻の名前+さん(35.0%)
2位 奥さん(24.3%)
3位 奥様(11.7%)
4位 分からない(9.7%)
5位 嫁さん(5.8%)
6位 相手の子どもの名前+ママorお母さん(4.9%)
7位 嫁(3.9%)
7位 その他(3.9%)
9位 パートナーの方(1.0%)
親戚の場合は「相手の妻の名前+さん」「奥さん」「奥様」の合計が71%と大半を占めています。「分からない」という回答が9.7%と一番多かったのも特徴。結婚によって親戚関係になった相手には、親しくなるまで呼び方に迷ってしまうのかもしれませんね。
相手が目上の人の場合
1位 奥さん(35.0%)
2位 奥様(24.3%)
3位 相手の妻の名前+さん(15.5%)
4位 嫁(8.7%)
5位 分からない(5.8%)
6位 嫁さん(4.9%)
7位 相手の子どもの名前+ママorお母さん(3.9%)
8位 パートナーの方(1.0%)
8位 その他(1.0%)
相手が目上の人の場合は「奥さん」「奥様」の合計が59.3%と半数以上。「相手の妻の名前+さん」は15.5%と、他の相手と比べて一番少ないのも特徴です。
相手が友人の場合
1位 奥さん(33.0%)
2位 相手の妻の名前+さん(23.3%)
3位 嫁さん(14.6%)
4位 嫁(13.6%)
5位 分からない(5.8%)
6位 奥様(3.9%)
7位 その他(2.9%)
8位 相手の子どもの名前+ママorお母さん(1.9%)
9位 パートナーの方(1.0%)
こちらも1位は「奥さん」ですが、他の話し相手と比べて「奥様」は一番少なく、「相手の妻の名前+さん」「嫁さん」「嫁」など友人同士ならではのカジュアルな呼び方が上位にきています。
アンケートでは、自分の配偶者や話している相手の配偶者の呼び方が「分からない」と回答した人もいました。呼び方に迷ったときや困ったときのために、相手に失礼にならない呼び方や対処法を知っておくといいでしょう。
人前では自分の配偶者を「妻」と呼ぶのが望ましいです。主従関係を感じさせることもなく、どのような年代の人にも受け入れやすい正式な呼び方で、公式文書にも使われるので一番スマートな印象です。
また、話す相手の配偶者は「奥様」と呼んだ方がよいでしょう。少々かしこまった言い方で現代の感覚にはそぐわないかもしれませんが、相手に失礼がなく無難です。
しかし、年代や地域などの環境によって配偶者の呼び方の受け入れ感覚には違いがあります。相手の立場や相手が配偶者をどう呼んでいるかを意識することも大切です。
目上の人が自分の配偶者を「嫁」「家内」と呼んでいれば、多少違和感があっても自分の配偶者も「嫁」「家内」と呼び、相手が自分の配偶者を「パートナー」や名前で呼んでいれば、こちらも相手の配偶者を「パートナーの方」や「相手の妻の名前+さん」と呼ぶなど、臨機応変に対応するとよいでしょう。
子ども関係の知り合いでカジュアルな会話をする場合は、自分の配偶者を「うちのママ」「うちのお母さん」、相手の配偶者は「相手の子どもの名前+ママorお母さん」と呼んだ方が自然かもしれません。TPOで使い分けられる柔軟性が大切です。
言葉は生きものなので、時代と共に変化していきます。10年前は違和感を持つ人が少なくても、現代では不愉快に感じる人が増えている言葉があるように、配偶者の呼び方への感じ方は人それぞれです。
相手の年齢や地域性を考慮し、TPOを意識して呼び方を選ぶようにしましょう。大切なのは、相手目線を忘れない思いやりと、相手や周囲を不愉快にしない気配りです。
言葉はコミュニケーションツールなので、基本知識を持った上で瞬時に選択する力を身に付けられるといいですね。
取材・文/仲西なほ子
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師/M.E.プロダクション 代表/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージコンサルタント 代表理事
東映株式会社の専属女優を経て、アナウンサー・司会等の話す仕事へ転向。一般社団法人全日本ブライダル協会ブライダルコンサルタント、全日本ブライダルMCアライアンス所属。ICBインターナショナル認定イメージコンサルタント、NPO法人日本交流分析士協会心理カウンセラーなど。現在は、「話し方」「ファッション」「マナー」「心理」の4つの専門スキルを統合した独自カリキュラム、メソッドを開発し、各企業や各学校、各施設にてマナーや話し方の講師をはじめ、人材育成に携わる。
【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2023/5/30〜2023/6/1
有効回答数:男性103人
(インターネットによる20〜30代男性へのアンケート調査 調査機関:マクロミル)
男性は人前で自分の配偶者を何と呼ぶ?
20〜30代の既婚男性に、配偶者の呼び方についてアンケートを実施しました。まずは、人前で自分の配偶者を何と呼ぶことが多いのか、話している相手との関係別に結果を見てみましょう。
呼び方のランキングを見てみると、話している相手によって呼び方を変えている人が多いらしく、順位が微妙に異なります。特に目上の人と話すときは、親しい人の前とは違う呼び方をするようです。
【関係別】自分のパートナーの呼び方ランキング
親戚の前での女性パートナーの呼び方
1位 妻の名前を呼び捨て(40.8%)
2位 妻の名前+さん(16.5%)
3位 妻(15.5%)
4位 ママorお母さん(5.8%)
5位 奥さん(4.9%)
5位 分からない(4.9%)
7位 その他(3.9%)
8位 嫁(2.9%)
8位 嫁さん(2.9%)
10位 かみさん(1.0%)
10位 女房(1.0%)
親戚の前では「妻の名前を呼び捨て」と「妻の名前+さん」と名前呼びの合計が57.3%と半数以上を占めています。「ママorお母さん」という呼び方も他の相手の場合より多く見られるので、普段配偶者を呼んでいる呼び方そのままであると思われます。
目上の人の前での女性パートナーの呼び方
1位 妻(53.4%)
2位 妻の名前を呼び捨て(12.6%)
3位 嫁(9.7%)
3位 奥さん(9.7%)
5位 嫁さん(2.9%)
5位 妻の名前+さん(2.9%)
5位 ママorお母さん(2.9%)
5位 分からない(2.9%)
9位 かみさん(1.9%)
10位 女房(1.0%)
職場で上司や先輩と話しているときなど、目上の人の前では「妻」と呼ぶ人が半数以上います。また「妻の名前を呼び捨て」「嫁」など「さん」を付けない呼び方が合計で75.7%と一番多いのが特徴です。
友人の前での女性パートナーの呼び方
1位 妻の名前を呼び捨て(27.2%)
2位 妻(17.5%)
3位 嫁(15.5%)
4位 嫁さん(11.7%)
4位 奥さん(11.7%)
6位 妻の名前+さん(3.9%)
7位 かみさん(2.9%)
7位 分からない(2.9%)
9位 ママorお母さん(1.9%)
9位 その他(1.9%)
こちらも1位は「妻の名前を呼び捨て」ですが、他の話し相手と比べて呼び方にあまり偏りがなく、「妻の名前を呼び捨て」「妻」「嫁」「嫁さん」「奥さん」の5種類が80%以上を占めています。話し相手が友人の場合は飛び抜けて多く使われている呼び方がないのが特徴です。
【呼び方別】本来の言葉の意味と注意点
男性が使う配偶者の呼び方はたくさんあるので迷ってしまいますよね。きっと、本来の言葉の意味や使い方を知れば使い分けやすくなるはず。そこで、それぞれの呼び方の意味を江頭さんに教えていただきました。
妻
男性が自身の配偶者に対して用いる正式な呼び方とされています。日本古来の書物である『古事記』にもすでに使われていました。
また時代と共にその意味合いも変化してきた言葉の一つです。もともと「連れ添う身」が「連れ身」になり「つま」に変化。そこに漢字を当てて「妻」になったといわれています。
明治時代に現代の婚姻関係に通じる制度ができ、正式な書類に記載するようになりました。
嫁さん、嫁
「嫁ぐ」という言葉からも分かるように、息子の配偶者としてその家に嫁いできた女性を「嫁」「嫁さん」と呼びます。それがいつしか、自分の配偶者を「嫁」「嫁さん」と呼ぶようになりました。
本来は親が使う呼び方で自分の配偶者には使わない呼び方なので、正式な場では使わないなどTPOに気を付けるといいでしょう。
奥さん
もともと武家屋敷などの奧に住む主の配偶者(家の奥にいる人)を敬い「奥方」と呼びました。その言葉が、「奥様」さらに「奧さん」に変化しました。
現代では相手の配偶者に対し、尊敬語として「奥様」を使います。丁寧な表現なので、目上の人やお客さまの場合でも使用できます。カジュアルな関係の相手の配偶者を「奧さん」と呼びます。
自分の配偶者に対しても「奥さん」という呼び方が定着していますが、本来は誤りだということを認識しておきましょう。「奥様」という丁寧な呼び方は相手を敬っている使い方なので、目上の人やお客さまの場合でも使用できます。
しかし、「家の奥にいる人」という由来が、夫婦間の主従関係や「女性は家にいるもの」という考え方を連想させるため、現代の感覚には合っていません。ジェンダーレスに高い意識を持つ人は、違和感を覚える可能性があることも知っておきましょう。
ママ、お母さん
子どもがいる場合に照れずに使いやすい言葉ですが、第三者の前で使うと幼さを感じさせてしまいます。相手の配偶者に「ママさん」「相手の子どもの名前+ママorお母さん」と呼ぶのも、友人などのカジュアルな関係性の場合のみにした方がよいでしょう。
また、「私はあなたのママ(お母さん)じゃない」という意見もあるので、使い方には注意した方がよさそうです。
かみさん
「上様(かみさま)」が語源で目上の人を立てている言い方でした。現代では、自分や他人の配偶者をかなり砕けた表現で呼ぶときに使われています。そのため、立場が上の方に対して使うと失礼に当たります。
女房
現在では、自分の配偶者の砕けた呼び方として使われています。平安時代から江戸時代に入る頃、貴族社会で身分の高い人々に仕えた女性の使用人のことを「女房」と呼びました。
「房」には部屋の意味があり、身の回りの世話をしてくれる人を指しましたが、そのうち他者と話すときの謙譲語として配偶者を「女房」と呼ぶようになりました。
「姉さん女房」のように相手や第三者の配偶者を指す言葉で使われることもありますが、自分の配偶者の呼び方としては、現代の感覚には合っていません。
家内
字の通り「家の内側(中)にいる人」を指します。男性が外で働き女性は家を守るのが役割という概念があった明治時代に広まったといわれています。
一昔前はよく使われていたため高齢の方には違和感がないかもしれませんが、現代の感覚や現状には合わなくなってきている言葉の一つです。
うちのやつ
へりくだる意味合いで使うことがありますが、正式な呼び方ではなく所有物のような言い方なのであまり使わないようにしましょう。妻の親が聞いたときも不愉快に感じるかもしれません。
また、若い年代には違和感があるようで、あまり使われていません。
相方
パートナーの意味合いで砕けた呼び方として使うケースがあります。芸人同士の呼び方を想像させるので、お互いがよくても第三者が聞くと違和感を持つ人もいるでしょう。
話している相手の配偶者の呼び方は?
アンケートでは、会話をしている相手の女性配偶者を何と呼ぶことが多いのかも聞いてみました。
こちらも相手ごとに順位が微妙に異なります。また、自分の配偶者の呼び方に比べ「分からない」という回答の割合が高く、迷っている人も多数いるようです。
【関係別】相手のパートナーの呼び方ランキング
相手が親戚の場合
1位 相手の妻の名前+さん(35.0%)
2位 奥さん(24.3%)
3位 奥様(11.7%)
4位 分からない(9.7%)
5位 嫁さん(5.8%)
6位 相手の子どもの名前+ママorお母さん(4.9%)
7位 嫁(3.9%)
7位 その他(3.9%)
9位 パートナーの方(1.0%)
親戚の場合は「相手の妻の名前+さん」「奥さん」「奥様」の合計が71%と大半を占めています。「分からない」という回答が9.7%と一番多かったのも特徴。結婚によって親戚関係になった相手には、親しくなるまで呼び方に迷ってしまうのかもしれませんね。
相手が目上の人の場合
1位 奥さん(35.0%)
2位 奥様(24.3%)
3位 相手の妻の名前+さん(15.5%)
4位 嫁(8.7%)
5位 分からない(5.8%)
6位 嫁さん(4.9%)
7位 相手の子どもの名前+ママorお母さん(3.9%)
8位 パートナーの方(1.0%)
8位 その他(1.0%)
相手が目上の人の場合は「奥さん」「奥様」の合計が59.3%と半数以上。「相手の妻の名前+さん」は15.5%と、他の相手と比べて一番少ないのも特徴です。
相手が友人の場合
1位 奥さん(33.0%)
2位 相手の妻の名前+さん(23.3%)
3位 嫁さん(14.6%)
4位 嫁(13.6%)
5位 分からない(5.8%)
6位 奥様(3.9%)
7位 その他(2.9%)
8位 相手の子どもの名前+ママorお母さん(1.9%)
9位 パートナーの方(1.0%)
こちらも1位は「奥さん」ですが、他の話し相手と比べて「奥様」は一番少なく、「相手の妻の名前+さん」「嫁さん」「嫁」など友人同士ならではのカジュアルな呼び方が上位にきています。
自分や話す相手の配偶者の呼び方で困るときの対処法
アンケートでは、自分の配偶者や話している相手の配偶者の呼び方が「分からない」と回答した人もいました。呼び方に迷ったときや困ったときのために、相手に失礼にならない呼び方や対処法を知っておくといいでしょう。
人前では自分の配偶者を「妻」と呼ぶのが望ましいです。主従関係を感じさせることもなく、どのような年代の人にも受け入れやすい正式な呼び方で、公式文書にも使われるので一番スマートな印象です。
また、話す相手の配偶者は「奥様」と呼んだ方がよいでしょう。少々かしこまった言い方で現代の感覚にはそぐわないかもしれませんが、相手に失礼がなく無難です。
しかし、年代や地域などの環境によって配偶者の呼び方の受け入れ感覚には違いがあります。相手の立場や相手が配偶者をどう呼んでいるかを意識することも大切です。
目上の人が自分の配偶者を「嫁」「家内」と呼んでいれば、多少違和感があっても自分の配偶者も「嫁」「家内」と呼び、相手が自分の配偶者を「パートナー」や名前で呼んでいれば、こちらも相手の配偶者を「パートナーの方」や「相手の妻の名前+さん」と呼ぶなど、臨機応変に対応するとよいでしょう。
子ども関係の知り合いでカジュアルな会話をする場合は、自分の配偶者を「うちのママ」「うちのお母さん」、相手の配偶者は「相手の子どもの名前+ママorお母さん」と呼んだ方が自然かもしれません。TPOで使い分けられる柔軟性が大切です。
配偶者の呼び方への感じ方は人それぞれ
言葉は生きものなので、時代と共に変化していきます。10年前は違和感を持つ人が少なくても、現代では不愉快に感じる人が増えている言葉があるように、配偶者の呼び方への感じ方は人それぞれです。
相手の年齢や地域性を考慮し、TPOを意識して呼び方を選ぶようにしましょう。大切なのは、相手目線を忘れない思いやりと、相手や周囲を不愉快にしない気配りです。
言葉はコミュニケーションツールなので、基本知識を持った上で瞬時に選択する力を身に付けられるといいですね。
取材・文/仲西なほ子
【監修】
江頭美鈴さん
NPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師/M.E.プロダクション 代表/一般社団法人 エグゼクティブ・イメージコンサルタント 代表理事
東映株式会社の専属女優を経て、アナウンサー・司会等の話す仕事へ転向。一般社団法人全日本ブライダル協会ブライダルコンサルタント、全日本ブライダルMCアライアンス所属。ICBインターナショナル認定イメージコンサルタント、NPO法人日本交流分析士協会心理カウンセラーなど。現在は、「話し方」「ファッション」「マナー」「心理」の4つの専門スキルを統合した独自カリキュラム、メソッドを開発し、各企業や各学校、各施設にてマナーや話し方の講師をはじめ、人材育成に携わる。
【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2023/5/30〜2023/6/1
有効回答数:男性103人
(インターネットによる20〜30代男性へのアンケート調査 調査機関:マクロミル)