「すきぴ」とは、恋人や好きな人を指す言葉のようですが、彼氏とはどう違うのでしょうか？この記事では、心理カウンセラーの帆南尚美さんに、「すきぴ」の意味や使い方の例文、表現できる対象などを伺いました。「すきぴ」と響きが似ている言葉や類語、「すきぴ」にまつわるエピソードも紹介します！

「すきぴ」とはどういう意味？言葉の意味と使い方

「すきぴ」とは、好きな人のことを意味します。「好き」と「ピープル（people）」を合わせて、さらに略した若者言葉です。

お付き合いしている人に対してだけでなく、片思い中の相手、推しのアイドルや芸能人、アニメのキャラクターなど、幅広い対象に使える言葉です。また、単に「好き」の代わりとして、スイーツなどの好きな物を指す場合もあります。

「すきぴ」は響きが可愛いこともあり、主に若者や女性の間で多く使われています。SNSや会話の中などさまざまな場面で登場するので見たことや使ったことがある人もいるのではないでしょうか。

彼氏と「すきぴ」の違い

彼氏と「すきぴ」はどちらも好きな人に対して使われる言葉ですが、ニュアンスが大きく異なります。

彼氏は、お付き合いしている恋人に対してだけ使われます。一方、「すきぴ」は恋人だけではなく、好きな人たちに対して幅広く使えます。人によって「すきぴ」に対する温度感や使い方はさまざまです。

「すきぴ」表現できる対象

「すきぴ」は、いろんな人や物に対して使うことができる言葉ですが、具体的には何に対して使うことができるのでしょうか。ここでは、「すきぴ」で表現できる対象を紹介します。

恋人

お付き合いしている恋人に対して使われます。「今度すきぴと記念日デート行くんだ！」のように友達との会話の中で使うことがあります。

恋人ではないけど、気になる人

気になる人や片思いしている人に対して使われることも多いです。「今日すきぴと話しちゃった！」と友だちに報告するときなどに使われます。

推し

「すきぴの新しい曲にハマってて、めっちゃ格好良いの！」というように、推しのアイドルや芸能人に使われることも一般的です。推しへの愛を可愛くアピールすることができます。

友達

同性の友だちに使われることもあります。「#すきぴたちでカラオケ」というように、SNSで発信する若者などがいるようです。

好きなもの

「このアイシャドーすきぴ！全色揃えた」「このケーキ、毎日食べたいくらいすきぴ」のように、自分の好きなもの・お気に入りのものに対してカジュアルに使うこともあります。

「すきぴ」に響きの似ている言葉

「すきぴ」は、幅広い意味を持つため、響きが似ている言葉もたくさんあります。

ちゅきぴ

「すきぴ」とほぼ同じ意味です。「すき」を可愛らしく言い換えて「ちゅき」と言うことで、甘えた感じを強めたいときに使われます。

推しぴ

「推し」は好きなアイドルや歌手、芸能人、スポーツ選手などに使われる言葉です。

「すきぴ」という言葉が広がったことで、「推しぴ」という言葉も出てきたようです。基本的には「推し」と同じ意味で使われます。

気にぴ

「すきぴ」まではいかないけれど、恋愛対象として気になる人のことを「気にぴ」と言うこともあります。

彼ぴ

「彼ぴ」とは、「彼氏」と同じ意味で使われることが一般的です。「彼氏」と表現するより可愛らしく、ラブラブ感を出したいときに使われます。

彼ぴっぴ

「彼ぴっぴ」は彼氏という意味で使う人もいれば、友達以上恋人未満に人に使う人もいます。決まった使い方があるわけではなく、人によって使い方はさまざまなようです。

「すきぴ」の類語・言い換え言葉

ここでは、「すきぴ」という言葉の意味に似た、類語を紹介します。使い方の例文も紹介するので、ぜひ日常会話で使ってみてはいかがでしょうか。

リアコ

リアコとは、「リアルに恋している」という言葉の略です。アイドルなどの現実的に恋愛関係になるのが難しい相手に対し、本気の恋愛感情を持っている状態を表す言葉で「すきぴ」と似ています。

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オキニ

「オキニ」は、「お気に入り」の略で、自分が好きなものや人を指す言葉です。「すきぴ」と似た意味を持ちますが、「オキニ」の方が「好き」よりも「気に入っている」「特別な存在である」というニュアンスが強いです。

すこ

「すこ」は、「好き」を省略したネットスラングです。「好き」よりもカジュアルで、ネット上や親しい間柄で使われることが多いです。

「すきぴ」あるあるエピソード

ここまで「すきぴ」の意味や類語について紹介しましたが、皆さんは具体的に「すきぴ」とどんな経験をしているのでしょうか。女性155人に「すきぴ」にまつわるエピソードを聞いてみました。

「すきぴ」にきゅんとした、ときめきエピソード

・仕事終わりに雨が降っていたのですが、傘を忘れてしまい途方に暮れていました。職場から出てきた当時の私の「すきぴ」が「そこで待ってて！」と言ったので待っていると、コンビニで傘を買ってきてくれました。

私のために雨の中傘を買いに行ってくれたことがとっても嬉しかったし、その後一緒に帰ることができたのもすごく嬉しかったのを覚えています。（24歳）

・バスケ部の「すきぴ」が得意な技の話をしていたとき、「今度見に来て、手を上げたら技やるからちゃんと見ててね」と言われました。

実際に見に行ったら、自分にしかわからないように手を上げて技を披露してくれてとてもかっこよくてトキメキました。（33歳）

・学校とバイトの空き時間が１時間しかなく、会える時間が10分くらいなのに、ちょっとでも会いたいといってくれてわざわざ電車で会いにきてくれた「すきぴ」にきゅんとしました。（33歳）

・学生時代に付き合っていた「すきぴ」は、会うたびに頭をなでてくれてきゅんとしました。（36歳）

・新卒の頃、仕事でミスが重なってしまい人気のない会社の屋上で泣いていたら、他部署の「すきぴ」の先輩と遭遇して、そのまま数分話を聞いてくれました。後日飲み会にも誘ってくれたのが嬉しかったです。（28歳）

「すきぴ」が好きすぎてやってしまった、失敗・やらかしエピソード

・「すきぴ」といると照れてしまい、うまく話せないことが多かったです。ある日、大きな声で呼ばれたけれど、聞こえてない振りをして帰ってしまったことがあります。（28歳）

・職場が同じだった「すきぴ」と毎日メッセージのやり取りをしていたとき、急に思いを伝えたくてで告白してしまいました。

その人とは友達以上になれないとわかっていたため、次の日職場で顔を合わせるのが気まずくて避けるようになってしまいました。（37歳）

・「すきぴ」にどうしても嫉妬させたくて、その人の前で他の男の子と話したら、怒らせてしまったことがありました。（21歳）

・付き合っていた「すきぴ」に私の手料理をたくさん食べてもらいたくて、作り過ぎてしまいました。初めは喜んでいた彼氏が無言になり、苦しそうな表情に……。（35歳）

・仕事が忙しい「すきぴ」の彼にもっと構ってほしくて、ついたくさんメッセージを送ってしまった。（24歳）

「すきぴ」を使うときのポイント

一部ではすでに死語になりつつあるという声もありますが、まだまだ使われている言葉です。

人によっては言葉の意味を知らないケースや、もう「すきぴ」を使っていないというケースもあるため、相手が「すきぴ」を使っているかを確認してから使うのがおすすめです。

実際に使うかどうかはさておき、さまざまな対象に対する「すき」という感情は大切にしたいですね。

取材・文／NANA

【監修】
帆南尚美さん
カウンセリングサービス所属・心理カウンセラー
大学卒業後30年間、外資系IT企業に勤務。40代後半になって本格的に自分の心と向き合い始め、心理カウンセラーに転身。仕事は好きだが対人関係や恋愛・夫婦関係がうまくいかない、などの問題を精力的にサポート。男性／女性心理、対人心理の分析により、対処法を一緒に考えていくカウンセリングスタイル。「前向きになれる」「自分の成長が実感できる」などの声が多数。
公式ブログ：https://honaminaomi.blog.jp/

【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間：2024/5/15〜2024/5/16
有効回答数：女性155人
（インターネットによる20〜30代男女向けアンケート調査 調査機関：マクロミル）