走馬灯とは?言葉の意味や由来、使い方を解説<例文付き>
2024/3/25 11:00
Index
- #01 走馬灯とは
- #02 走馬灯の語源・由来
- #03 走馬灯の言葉の使い方<例文付き>
- #04 走馬灯を英語でいうと?
- #05 走馬灯は本当にある?
「走馬灯が見える」「走馬灯がよぎる」といった言葉を聞いたことはないでしょうか。人が死に際や死を意識するような極限の状況になった時、それまでの人生の記憶が頭の中を一瞬で駆け巡るという描写があります。この現象を日本語では、「走馬灯」と呼びます。この記事では、走馬灯について言葉の意味や由来を詳しく解説。走馬灯のように記憶がよみがえった体験について20〜30代の男女にアンケートを実施し、寄せられた回答などを基に、言葉の使い方や例文をまとめました。
「走馬灯」とは、人が死ぬ間際などに、これまでの人生の記憶がよみがえることを言い表した、比喩表現に使われる言葉です。
死を覚悟するほどの危機にひんした状況や、感情が揺さぶられるような極限の状態になると、脳裏に深く印象に残った過去の記憶が次々と映写されているように、よみがえることがあるといわれています。
走馬灯が、実際にどのような現象であるのかは定かではなく、イメージされる光景は体験したという人の話や、小説や映画などの表現が主となっています。
そもそも走馬灯とは、影絵の細工が施された、筒状の紙灯籠のことです。
二重になった灯籠の内側には、馬の形の紙が貼られており、枠の上部の風車とつながっています。灯篭の中にろうそくの明かりをともすと、温められた空気で風車が回転し、馬の影が映し出されて、幻想的な光景を楽しむことができるのです。
影絵が回転して途切れることなく映し出される様子から、過去の記憶が連なって次々に思い浮かぶ様子を「走馬灯のように」と例えられるようになったと考えられます。
元々は中国発祥といわれており、日本には江戸時代の中頃にもたらされたそうです。娯楽のためのおもちゃとして用いられてきましたが、現在でも、お盆の際に走馬灯を飾る風習が残っています。ちなみに、現代の走馬灯は電動式が主流となっており、デザインもさまざまです。
20〜30代の男女412人に「走馬灯のように記憶がよみがえってきた体験をしたことがあるか」聴取すると、38.1%の人が「ある」と回答しました。
実際にどんな場面で「走馬灯」という言葉を使っているのか、体験者の回答を基に、紹介します。
「高熱を出した時に、これまでの人生で起きたことが走馬灯のように見えてきた気がする」(24歳/女性)
「バイク事故に遭いそうになった時に、走馬灯のように過去の記憶がよぎった」(33歳/女性)
病気になったり、大きな事故に遭ったりなど、死が迫るような状況では、過去の出来事が瞬間的に脳裏に浮かぶことがあるようです。
そんな一瞬の感情の高ぶりからくる記憶のよみがえりを、「走馬灯を見る」「走馬灯がよぎる」などと表現する場合があります。
「受験に合格した時、これまでの努力を走馬灯のように思い出した」(34歳/男性)
努力が実を結んだ時や、何かを成し遂げた時、人は達成感によって大きな喜びを得ます。感情の揺れから、これまでの記憶が自然とあふれ出すことを「走馬灯のように思い出す」などと表現します。
「卒業式の合唱の際、これまでの学校生活の思い出を走馬灯のように思い出した」(26歳/女性)
「自分の結婚式の後、父との思い出が走馬灯のようによみがえった」(31歳/女性)
入学式や卒業式、成人式、結婚式などの節目の行事は、「新しい人生のスタート」の象徴であり、同時に「大切な人との別れ」も意識させる出来事です。
そういった節目の瞬間を迎えた時、たどってきた道を振り返るように過去を思い出すことを、走馬灯という言葉で言い表すようです。
「父の葬儀でこれまでの思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡った」(28歳/男性)
「祖母が亡くなった後、これまでのことを走馬灯のように思い出した」(33歳/女性)
家族や友人、恋人、ペットなど、大切な存在との別れは、人の感情を大きく揺さぶります。別れ難い気持ちや故人への思いから、亡くなった人たちとの記憶が一気によみがえることがあるのでしょう。
「アーティストの話になり、グループ名を思い出した瞬間、歌声が走馬灯のようによみがえった」(27歳/女性)
「昔住んでいた場所に行き、その土地のにおいを嗅いだら、当時のことを走馬灯のように思い出した」(32歳/女性)
ふと目にしたものや、聞いた言葉、においなどによって、過去の記憶が瞬間的によみがえることがあります。そんな状況を「走馬灯のように思い出す」「走馬灯のようによみがえる」などと言い表すケースがあるようです。
走馬灯という言葉を英語で表現することはできるのでしょうか。
記憶がよみがえるという意味での「走馬灯を見る」は、英語で言い換えると、「Life flashes before my eyes」と表現します。
「走馬灯」は、英語に直訳すると「Flashback」「revolving lantern(回転するランタン)」などの言葉で表す場合がありますが、どちらもあまり普段は使われない表現のようです。
人は死の間際、これまでの人生をレビューするように走馬灯を見ることがあるといわれています。日本だけでなく、海外でも同様の現象は知られており、実際に詳しく研究した例もあります。
走馬灯と表現されるような現象は、まだ多くのことが解明されていません。しかし、人は極限状態や感情が大きく動く際、何か神秘的ともいえるようなことが、頭の中で起こっているのかもしれませんね。
人生の最期にどんな光景を思い浮かべるのか、多くの人が関心を持っているでしょう。走馬灯のようによみがえった記憶は、その人にとって一番大切な思い出かもしれません。
取材・文/おかゆ
【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2023/12/7〜2023/12/8
有効回答数:412人(男性206人、女性206人)
(インターネットによる20〜30代男女向けアンケート調査 調査機関:マクロミル)
走馬灯とは
「走馬灯」とは、人が死ぬ間際などに、これまでの人生の記憶がよみがえることを言い表した、比喩表現に使われる言葉です。
死を覚悟するほどの危機にひんした状況や、感情が揺さぶられるような極限の状態になると、脳裏に深く印象に残った過去の記憶が次々と映写されているように、よみがえることがあるといわれています。
走馬灯が、実際にどのような現象であるのかは定かではなく、イメージされる光景は体験したという人の話や、小説や映画などの表現が主となっています。
走馬灯の語源・由来
そもそも走馬灯とは、影絵の細工が施された、筒状の紙灯籠のことです。
二重になった灯籠の内側には、馬の形の紙が貼られており、枠の上部の風車とつながっています。灯篭の中にろうそくの明かりをともすと、温められた空気で風車が回転し、馬の影が映し出されて、幻想的な光景を楽しむことができるのです。
影絵が回転して途切れることなく映し出される様子から、過去の記憶が連なって次々に思い浮かぶ様子を「走馬灯のように」と例えられるようになったと考えられます。
元々は中国発祥といわれており、日本には江戸時代の中頃にもたらされたそうです。娯楽のためのおもちゃとして用いられてきましたが、現在でも、お盆の際に走馬灯を飾る風習が残っています。ちなみに、現代の走馬灯は電動式が主流となっており、デザインもさまざまです。
走馬灯の言葉の使い方<例文付き>
20〜30代の男女412人に「走馬灯のように記憶がよみがえってきた体験をしたことがあるか」聴取すると、38.1%の人が「ある」と回答しました。
実際にどんな場面で「走馬灯」という言葉を使っているのか、体験者の回答を基に、紹介します。
病気や事故に見舞われた時
「高熱を出した時に、これまでの人生で起きたことが走馬灯のように見えてきた気がする」(24歳/女性)
「バイク事故に遭いそうになった時に、走馬灯のように過去の記憶がよぎった」(33歳/女性)
病気になったり、大きな事故に遭ったりなど、死が迫るような状況では、過去の出来事が瞬間的に脳裏に浮かぶことがあるようです。
そんな一瞬の感情の高ぶりからくる記憶のよみがえりを、「走馬灯を見る」「走馬灯がよぎる」などと表現する場合があります。
努力が実った時
「受験に合格した時、これまでの努力を走馬灯のように思い出した」(34歳/男性)
努力が実を結んだ時や、何かを成し遂げた時、人は達成感によって大きな喜びを得ます。感情の揺れから、これまでの記憶が自然とあふれ出すことを「走馬灯のように思い出す」などと表現します。
人生の節目を迎えた時
「卒業式の合唱の際、これまでの学校生活の思い出を走馬灯のように思い出した」(26歳/女性)
「自分の結婚式の後、父との思い出が走馬灯のようによみがえった」(31歳/女性)
入学式や卒業式、成人式、結婚式などの節目の行事は、「新しい人生のスタート」の象徴であり、同時に「大切な人との別れ」も意識させる出来事です。
そういった節目の瞬間を迎えた時、たどってきた道を振り返るように過去を思い出すことを、走馬灯という言葉で言い表すようです。
大切な存在を亡くした時
「父の葬儀でこれまでの思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡った」(28歳/男性)
「祖母が亡くなった後、これまでのことを走馬灯のように思い出した」(33歳/女性)
家族や友人、恋人、ペットなど、大切な存在との別れは、人の感情を大きく揺さぶります。別れ難い気持ちや故人への思いから、亡くなった人たちとの記憶が一気によみがえることがあるのでしょう。
懐かしい記憶がよみがえった時
「アーティストの話になり、グループ名を思い出した瞬間、歌声が走馬灯のようによみがえった」(27歳/女性)
「昔住んでいた場所に行き、その土地のにおいを嗅いだら、当時のことを走馬灯のように思い出した」(32歳/女性)
ふと目にしたものや、聞いた言葉、においなどによって、過去の記憶が瞬間的によみがえることがあります。そんな状況を「走馬灯のように思い出す」「走馬灯のようによみがえる」などと言い表すケースがあるようです。
走馬灯を英語でいうと?
走馬灯という言葉を英語で表現することはできるのでしょうか。
記憶がよみがえるという意味での「走馬灯を見る」は、英語で言い換えると、「Life flashes before my eyes」と表現します。
「走馬灯」は、英語に直訳すると「Flashback」「revolving lantern(回転するランタン)」などの言葉で表す場合がありますが、どちらもあまり普段は使われない表現のようです。
走馬灯は本当にある?
人は死の間際、これまでの人生をレビューするように走馬灯を見ることがあるといわれています。日本だけでなく、海外でも同様の現象は知られており、実際に詳しく研究した例もあります。
走馬灯と表現されるような現象は、まだ多くのことが解明されていません。しかし、人は極限状態や感情が大きく動く際、何か神秘的ともいえるようなことが、頭の中で起こっているのかもしれませんね。
人生の最期にどんな光景を思い浮かべるのか、多くの人が関心を持っているでしょう。走馬灯のようによみがえった記憶は、その人にとって一番大切な思い出かもしれません。
取材・文/おかゆ
【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2023/12/7〜2023/12/8
有効回答数:412人(男性206人、女性206人)
(インターネットによる20〜30代男女向けアンケート調査 調査機関:マクロミル)