ありがとう以外の「感謝の言葉」!言い換えを例文付きで解説

ありがとう以外で感謝を示すには、どんな言葉があるのでしょうか。同僚や上司、目上の人やお世話になった人に対してなど、ビジネスシーンで役立つ言い換えフレーズを具体的に紹介します。また、お礼の言葉のバリエーションを知っておくメリットについて、恋愛やビジネスシーンなど幅広い分野での良好な人間関係に関するカウンセリングを行っている小日向るり子さんに伺いました。

「ありがとう」以外に感謝の意味を持つ言葉



「ありがとう」以外に感謝の意味を持つ言葉

ありがとうの言い換え言葉について解説します。どんな場面で、どのようなニュアンスのときに使うとよいのかを見ていきましょう。

お礼申し上げます


ありがとうの思いを丁寧に伝えるときに用います。幅広いシーンで使うことができる言葉で、ビジネスメールや会議でのあいさつなど、相手に失礼がないよう配慮したいときに適しています。

感謝申し上げます


「お礼申し上げます」よりも、さらに深い感謝の意を込めたいときに最適なフレーズです。特にお世話になった人や目上の人に対して用いると、丁寧さと敬意が伝わります。

深謝申し上げます


話し言葉よりメールや手紙などの文書で、目上の人や取引先に対して使用する言葉です。お礼とおわびの両方の意味があるため、感謝する内容を添えるようにしましょう。

心より感謝します


フォーマルさと親しみやすさがバランスよく含まれています。仕事だけでなく、友人や親しい人に対してなどプライベートな場面にもよいでしょう。

助かります


「非常に助かっています」という思いを簡潔に表します。「ありがとう」とセットで、カジュアルな場面や気心の知れた相手に使いやすい言葉です。ただし、目上の人や上司には控えた方がよいでしょう。

感謝の限りです


「感謝の限界がない」という意味で、できる限りの礼を述べたいときに使う強い表現です。大きな恩恵や支援を受けたときに適しています。

身に余るお言葉です


評価や称賛が自分にとって「過分である」「もったいない」と謙遜する言い回しです。感謝と同時に恐縮している気持ちを伝えることができ、丁寧で謙虚な印象を与えます。

お褒めにあずかり光栄です


相手からの評価や称賛を謙虚に受け止めていることを表します。ビジネスの場で、自分の成果や努力が評価されたときの受け答えに活躍するフレーズです。

痛み入ります


目上の人や上司、取引先に対して、深くお礼を述べたいときの言葉です。冠婚葬祭などの場で、ご祝儀や祝電を受け取ったときの返事としてもよく聞かれます。謙遜した表現になるため、同僚や後輩には使いません。

お礼の言葉もございません


「感謝の言葉が見当たらない」または「どれだけ感謝しても足りない」という意味を持ちます。人生の節目やビジネスシーンなど、フォーマルな場面で最大限の感謝を述べるときにぴったりのフレーズです。

幸甚です


「こうじん」と読み、「大変ありがたく思う」という意味です。やや格式のある言い回しで、主にフォーマルな場面の手紙やメールといった書き言葉として使われます。


ビジネスシーンで使える!感謝の言葉の例文集



ビジネスシーンで使える!感謝の言葉の例文集

ビジネスシーンでよく見られる状況別に、感謝の言葉の例文を紹介します。TPOに合わせた言い回しの参考にしてくださいね。

取引先・社外の人への感謝の言葉


<例文>日程をご調整いただきましたこと、心より御礼申し上げます。

「御礼申し上げます」に「心より」を加えることで、より丁寧に気持ちを伝えることができます。

「日程調整をしてくれた」「忙しい中で時間を割いてくれた」など、具体的に配慮してくれた点を示した後に、「心より御礼申し上げます」というフレーズをつなげると効果的です。

<例文>このたびのプロジェクトにおきまして、貴社の多大なご協力に感謝申し上げます。

「貴社の●●のご協力」「●●様のご指導」といった具体的な協力内容を明示することで、相手の貢献をより強調し、感謝の意を深めることができます。

<例文>先日のお打ち合わせではお心遣いをいただき、幸甚に存じます。

「幸甚に存じます」とすることでフォーマルさが増すため、取引先や社外の人に使用できる例文です。

上司・目上の人への感謝の言葉


<例文>このようなお心遣いをいただき、深く感謝いたしております。

親切な対応や配慮に対して、厚く礼を述べたいときに使います。特に上司や目上の人、取引先などビジネスシーンで活躍するフレーズです。

<例文>身に余るお言葉で恐縮です。引き続きチームの一員として尽力してまいります。

相手の評価が過分であると恐縮する気持ちを表します。「チームの一員として尽力する」を付け加えることで、チームへの貢献意欲も伝えられる言い回しです。

<例文>お褒めにあずかり光栄です。今後もご期待に添えるよう精進してまいります。

「お褒めに預かり光栄です」で、上司や目上の人からの評価を謙虚に受け止め、光栄に思っていることを示します。後半に、今後も成長したいなどの前向きな意欲を加えるとより好印象になります。

同僚への感謝の言葉


<例文>集めてくれた資料のおかげでとても助かりました。

「助かります」は、同僚や友人などに対して、ありがとうございますと併用して日常的に使いやすい言葉です。具体的な理由も一緒に述べることで、相手に気持ちが伝わるでしょう。

<例文>いつもお力添えをいただき、感謝しております。

日常的なサポートへの感謝を、シンプルに示すことができます。丁寧な印象の言葉なので、フォーマルな場面で使っても問題ありません。

<例文>●●さんのこまやかなサポートには感謝の限りです。

「ありがとう」よりも重みがあり、相手への敬意も感じさせる表現です。上司や取引先、同僚など幅広い相手に使うことができます。


感謝の言葉のバリエーションを持っておくことのメリット



感謝の言葉のバリエーションを持っておくことのメリット

「ありがとう」以外のフレーズで感謝を伝えることのメリットについて解説します。

TPOで使い分けることができる


「ありがとうございます」は、仕事やプライベートを問わず、さまざまな人間関係で使いやすい言葉です。しかし、「ありがとう」だけではシンプルすぎて、場にそぐわないこともあるでしょう。

場面や関係性によって表現を使い分けることで、気持ちがより伝わり、強く印象を残せます。

例えば、「深謝いたします」と言えば、「ありがとう」よりもさらに深いニュアンスが含まれているため、受け取る側にも特別な思いが伝わりやすくなります。

知的な印象を与えることができる


普段はフランクに話せる上司でも、仕事で助けられたときには、「今回も●●さんのお力添えに助けられました。深く感謝申し上げます」といった、丁寧なメールを送ってみましょう。

プライベートと仕事をきっちり分けられる知的さや礼儀正しさを印象付けられます。

感謝以外の感情も加えることができる


例えば、「身に余る光栄をいただき、感謝しています」と言えば、感謝だけでなく謙遜する気持ちも伝わります。

また、「深く感謝するとともに、より精進いたす所存でございます」と言えば、今後さらに努力する決意も表明できます。


感謝の分だけ、豊かな表現で届けよう



感謝の分だけ、豊かな表現で届けよう

感謝の言葉のバリエーションを知っておくと、語彙(ごい)力や大人の気遣いが感じられ、相手に好印象を与えることができます。

例えば、上司や同僚に「助けていただき、心より感謝いたします」と深い感謝の気持ちを表す言葉を使うことで、誠実な姿勢も伝わり、信頼関係が深まります。

日頃フランクなやりとりをしている相手に対しても、感謝の気持ちを伝えるときに丁寧な表現を心がけると、そこにギャップが生まれて、好印象を持たれるかもしれません。

語彙力をつけることで自分の気持ちを豊かに表現できるようになると、仕事だけでなく友人関係や恋愛においても、コミュニケーションがしやすくなり、良好な人間関係を築くのに役立ちますよ。

取材・文/高坂晴奈

【監修】
小日向るり子さん
「カウンセリングスペースフィールマインド」代表。心理カウンセラー。一般社団法人 日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。JAAアロマコーディネーター。恋愛、人間関係、メンタルヘルスなど多くの悩みにカウンセリングを行っている。恋愛や心理系コラムの執筆やメディア出演、監修も多数行う。2024年4月までの相談件数は約6000件を超える。
オフィシャルサイト:http://feel-mind.net/