背徳感の意味や罪悪感との違いって?背徳感を抱く瞬間も紹介

後ろめたい行動を取った時に、「背徳感」を抱いたことはないでしょうか。人は、世間的には褒められないことや、自分の中で律していることから外れた時、心の中に罪の意識が芽生えます。しかしその一方で、「ダメなことをしている」というスリルや楽しさを感じることもあります。この記事では、背徳感の言葉の意味や罪悪感との違いなどを詳しく解説します。20〜30代の男女アンケートで数多く寄せられた「背徳感を抱く瞬間」も紹介します!

「背徳感」「背徳」の言葉の意味



「背徳感」「背徳」の言葉の意味

「背徳感」とは、道徳や人の道から外れた行為や考えに抱く、自分に対する後ろめたい感情や感覚を表しています。

背徳感は、道徳に背くことを意味している「背徳」に、心の動きなどを表す「感」が付け足されてできた言葉です。社会では、一定のルールを守り、モラルに沿って行動することが求められており、個人の良心や価値観にも影響を与えています。背徳感は、世間的には褒められないことや、良心に反した行為をした自分に対し、「こんな悪いことをして気がとがめる」といった気持ちを表しています。

その一方で、SNSやネット上で、背徳感は「後ろめたいことをしている」というネガティブな感情を表すのと同時に、スリルや高揚感を楽しむ、ある意味でポジティブな感情を表す時に、使われることが多い言葉でもあります。

使い方の分かりやすい例では、「夜中におやつを食べる背徳感がたまらない」「禁断の恋の背徳感にはまってしまう」などのフレーズがあります。


「背徳感」と「罪悪感」の違い



「背徳感」と「罪悪感」の違い

背徳感とよく似ている言葉に「罪悪感」がありますが、少しニュアンスが異なります。

背徳感は、自分に対する、後ろめたさを感じることを表しています。一方で罪悪感は、どちらかというと社会や他者に対し「罪を犯した」「悪いことをした」という後ろめたさを表した言葉です。

分かりやすい例だと、「家族にうそをついてしまい、罪悪感にさいなまれる」「犯した過ちによる、罪悪感が消えない」など、罪の意識で自分を責める状態を表す時に、罪悪感という言葉が使われることが多いです。


【DATA】あなたが「背徳感」を感じる瞬間は?



【DATA】あなたが「背徳感」を感じる瞬間は?

具体的に、人は自分のどんな行動に対して、背徳感を抱くのでしょうか。

20〜30代の男女412人を対象にしたアンケートを基に、人々が背徳感を抱く瞬間について、傾向をまとめてみました。また、寄せられた意見も一部抜粋し、ご紹介します!

夜中に高カロリーなものを食べる


●「夜中のアイス」(37歳/男性)

●「夜中にカップラーメンを食べたこと」(33歳/女性)

●「夜22時過ぎてからファストフード店のポテトとナゲットを食べた時」(26歳/女性)

夜遅くにカロリーの高いものやジャンクフードを食べると背徳感を感じるという人は多いようです。

「後はもう寝るだけなのに、今食べたら太ってしまう!」と分かっているのに、食べるお菓子やラーメンは格別においしく感じるものなのでしょう。

暴飲暴食をする


●「焼き肉を食べた後にパフェを食べて、その後さらにすし屋にも行ってしまった」(32歳/女性)

●「おなかが空いていないのに、おやつをたくさん食べてしまう」(34歳/女性)

●「夕飯後にデザートを家族で食べたのに、その後隠れて自分だけさらに違うデザートを食べた」(36歳/女性)

「おなかがペコペコ」というわけではなくても、おいしそうなものを目にすると、つい食べ過ぎてしまうことはありますよね。

ダイエットや健康を心がけ、普段は我慢している人ほど、たかが外れた時の反動は大きいのかもしれません。やってはいけないことをしている背徳感で、食べる手が止まらなくなってしまうことがあります。

贅沢する


●「パンにバターを惜しみなく塗った時」(28歳/女性)

●「焼き肉の食べ放題で、高級な部位の肉ばかり選んで食べたこと」(32歳/女性)

●「ゲームのガチャでたくさんお金をつぎ込んだ時」(29歳/男性)

●「家族には内緒で、カフェに行って豪遊した」(29歳/女性)

高価な物を買ったり、ゲームにお金をつぎ込んだり、高い食べ物を惜しみなく味わったり……贅沢をすると、後ろめたさを感じながらも、頬が緩んでしまうものです。

家族やパートナーに隠れてこっそりとする贅沢も、格別に感じますよね。たまにしかできないことだからこそ、より特別感があり、背徳感を抱きやすいのでしょう。

後先を考えない行動を取る


●「次の日仕事があるにもかかわらず、遅い時間に酒を飲んでしまう」(32歳/男性)

●「仕事で早く寝なければいけないのに、遅くまでゲームがやめられない」(26歳/男性)

翌日に外せない予定があるのに、お酒を飲んだりゲームをしたりして、夜更かしをするなど、後先を考えない行動を取ってしまうことがあります。

「絶対に遅刻ができない」「早く寝ないとダメ」と頭で分かっているからこそ、かえっていけないことをしている高揚感が病みつきになり、理性に反する行動をしがちです。

仕事を休んで好きなことをする


●「業務中にこっそりサボること」(26歳/女性)

●「みんなが仕事をしている時に休んで船に乗って釣りに行った」(36歳/男性)

毎日あくせく働いていると、「たまには休んで、時間にとらわれずに好きなことをしたい」と、考えることがあるでしょう。しかし、「遊びたい」「リフレッシュしたい」という理由だけで、なかなか休みは取りにくいもの。

たまに仕事を休んで息抜きする日をつくると、同僚に対して気が引ける感覚になりつつも解放感を感じる人も多いようです。


背徳感が病みつきにならないようにご注意を!



背徳感が病みつきにならないようにご注意を!

SNSやネット上で、「夜中に食べるジャンクフードは、背徳の味」などといったフレーズが聞かれるように、頭では、「ダメなことをしている」と分かっていても、欲求を解放したい気持ちにかられることは、誰しもがあるでしょう。背徳感とは、後ろめたさとともに感じる、ささやかな幸福感を表現した言葉ともいえます。

背徳感を抱くような「羽目を外す行動」は、たまに行う程度であれば、楽しく人生を彩るスパイスになります。しかし、度を越すと自分にとって良くない結果を招く恐れも……。くれぐれも、病みつきにならないように気を付けたいですね!


取材・文/おかゆ


【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2023/11/9〜2023/11/10
有効回答数:412人(男性206人、女性206人)
(インターネットによる20〜30代男女向けアンケート調査 調査機関:マクロミル)