話題のダイエットは、自分流のアレンジで成功!
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新登場のスイーツ、グルメのお誘い、彼との豪華ディナー。痩せたい女性は、おいしいものの誘惑と戦っているのでは? スリムになりたいと思うあまり、極端なダイエットに走る女性は少なくないようです。糖質制限や肉食ダイエットなど、次々と痩せるメソッドが話題になりますが、それって本当に大丈夫? 成城松村クリニックの院長、松村先生にお話を伺いました。
「りんごダイエットやこんにゃくダイエットなど、これまでいろいろなものが注目されてきました。でも振り返ってみると、しばらくすると廃れたものが多いのではないでしょうか。目新しいダイエットで一時的に痩せても、続かずにリバウンドしたものが多いと思います。
実はダイエットにはメリットとデメリットがあります。デメリットを避け、メリットの部分をうまく取り入れ、自分に合ったスタイルにすることが取り入れるポイントです。いま話題のダイエットを例に挙げて見ていきましょう」
「糖質制限ダイエットは、食事の糖質を減らすものです。目標の体重になるまで、ごはんやパンといった主食を食べずに我慢する人も多いようです。白い炊きたてごはんはおいしいですよね。いつも食べていた主食を我慢するのは、かなりつらいと思います。だからこそ糖質制限を長く続けるのは難しく、どこかで心が折れる人が多いんです。
このダイエットのメリットは、糖質を控えることで血糖値の上昇がゆるやかになること。血糖値が上がると、血糖値を下げるために『インスリン』というホルモンの分泌が増加しますが、このインスリンは、糖を脂肪に変えて蓄える作用もあるため、血糖値が急激に上がるとインスリンが過剰に分泌されて体脂肪が増加してしまうのです。上手な取り入れ方としては、主食を完全に抜くのではなく、それ以外を調整することです。例えば糖質を多く含む甘いお菓子は控えめにする、お酒はビールより糖質がない焼酎などを選ぶ、夕食の炭水化物を控えるなどがよいでしょう。
糖質制限をやりすぎると、血管の老化を早めるといわれています。体重は減っても身体の中が老化してしまっては、美しくなることから遠ざかってしまいます」
「炭水化物の代わりにお肉をたくさん食べる、肉食ダイエットも話題です。『筋肉をつけてキレイになる!そのためにはタンパク質!』と思ってお肉をたくさん食べる人がいますが、肉の種類や部位によっては動物性脂肪がたくさん含まれています。お肉の食べ過ぎは血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を高め、生活習慣病につながります。
タンパク質を多く摂りたいなら、お肉だけでなく良質の脂肪を含むお魚にも注目しましょう。サンマやイワシなどの青魚に含まれるDHAやEPAは、中性脂肪を減らし動脈硬化を予防する効果があります。『タンパク質=お肉』ではなく、いろいろなタンパク質を組み合わせて食べるとよいでしょう。」
「女性の美容によいといわれる、イソフラボンを含むお豆腐をたくさん食べるダイエットです。お豆腐は脂肪も少なく、高たんぱく低カロリーの健康的な食材ですが、お豆腐ばかり食べていたら確実に飽きてきますし、苦しいダイエットになってしまうことでしょう。お豆腐の植物性タンパク質だけに頼らず、お肉やお魚といった動物性タンパク質をバランスよく摂ることが大切です。
中には数日間お豆腐だけを食べて過ごす人もいるようですが、イソフラボンが体内でうまく働くためには、ビタミンやミネラルも必要です。お豆腐だけを食べ続けても、キレイになれるわけではありません。野菜やお肉といったほかの食材も合わせて食べる必要があるんです」
「太りにくい食生活では、血糖値を上げないことを意識するとよいでしょう。最初にサラダやスープをいただき、お腹が落ち着いてから肉や魚のメイン、そしてごはんやデザートといった糖質を摂るのがおすすめです。
忙しい女性にとって便利なのは、やはり週末の作り置きですね。私の場合、材料を入れたら弱火で30分でできあがる、バーミキュラのお鍋を使った温野菜やスープが気に入っています。塩コショウだけでもおいしいですし、カレー味などのバリエーションで飽きずに食べられます。食事の満足感と同時にビタミンやミネラル、食物繊維が摂れます。食事が不規則になりがちな、働く女性にぜひおすすめしたいですね」
「つい話題のダイエットにすぐ飛びつきがちですが、痩せるためのスーパーフードはありません。酵素を飲んで数日間断食をする『ファスティング』も話題になりましたが、しばらくすると体重がもとに戻る人が多いようです。
ダイエットの敵は、長続きしないこと。○○しか食べないといった極端なものは、結局のところ続きません。健康的に脂肪を落とし、キレイな身体をつくるダイエットは、無理なく長く続けられるものなんです。
そのためには完璧にできなくてもよしとする、うまく気を抜く姿勢がポイントです。例えばお昼に食べ過ぎたら夜を軽くする、夜にお食事会が続くようなら一週間単位でカロリーを調整するなど、できる範囲でがんばる『自分への優しさ』を忘れないことが大切です。女性の多くは短期間に確実に痩せたいと思うものですが、急がば回れがダイエット成功への近道なのです」
たしかに多くの女性は、すぐ効果が出そうな極端なダイエットに走りがちです。リバウンドしないダイエットは、無理をしないことという松村先生の言葉は新鮮です。痩せることに必死になると、つい「自分への優しさ」を置き去りにしてしまいますが、本当のキレイさを手に入れるためには健康は欠かせませんよね。内側から輝く女性を目指して、自分スタイルのダイエットを探してみませんか?(ぱう)
【取材協力】
松村圭子(まつむらけいこ)さん
成城松村クリニック院長。大妻女子大学非常勤講師。月経のトラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポート。漢方やサプリメント、点滴療法など幅広い治療法で不調をケア。『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など著書多数。
次々と現れる、新しいダイエット
「りんごダイエットやこんにゃくダイエットなど、これまでいろいろなものが注目されてきました。でも振り返ってみると、しばらくすると廃れたものが多いのではないでしょうか。目新しいダイエットで一時的に痩せても、続かずにリバウンドしたものが多いと思います。
実はダイエットにはメリットとデメリットがあります。デメリットを避け、メリットの部分をうまく取り入れ、自分に合ったスタイルにすることが取り入れるポイントです。いま話題のダイエットを例に挙げて見ていきましょう」
糖質制限 やりすぎると血管が老化?
「糖質制限ダイエットは、食事の糖質を減らすものです。目標の体重になるまで、ごはんやパンといった主食を食べずに我慢する人も多いようです。白い炊きたてごはんはおいしいですよね。いつも食べていた主食を我慢するのは、かなりつらいと思います。だからこそ糖質制限を長く続けるのは難しく、どこかで心が折れる人が多いんです。
このダイエットのメリットは、糖質を控えることで血糖値の上昇がゆるやかになること。血糖値が上がると、血糖値を下げるために『インスリン』というホルモンの分泌が増加しますが、このインスリンは、糖を脂肪に変えて蓄える作用もあるため、血糖値が急激に上がるとインスリンが過剰に分泌されて体脂肪が増加してしまうのです。上手な取り入れ方としては、主食を完全に抜くのではなく、それ以外を調整することです。例えば糖質を多く含む甘いお菓子は控えめにする、お酒はビールより糖質がない焼酎などを選ぶ、夕食の炭水化物を控えるなどがよいでしょう。
糖質制限をやりすぎると、血管の老化を早めるといわれています。体重は減っても身体の中が老化してしまっては、美しくなることから遠ざかってしまいます」
肉食ダイエット 食べたお肉=そのまま筋肉になるわけではない?
「炭水化物の代わりにお肉をたくさん食べる、肉食ダイエットも話題です。『筋肉をつけてキレイになる!そのためにはタンパク質!』と思ってお肉をたくさん食べる人がいますが、肉の種類や部位によっては動物性脂肪がたくさん含まれています。お肉の食べ過ぎは血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を高め、生活習慣病につながります。
タンパク質を多く摂りたいなら、お肉だけでなく良質の脂肪を含むお魚にも注目しましょう。サンマやイワシなどの青魚に含まれるDHAやEPAは、中性脂肪を減らし動脈硬化を予防する効果があります。『タンパク質=お肉』ではなく、いろいろなタンパク質を組み合わせて食べるとよいでしょう。」
豆腐ダイエット イソフラボンだけではキレイになれない?
「女性の美容によいといわれる、イソフラボンを含むお豆腐をたくさん食べるダイエットです。お豆腐は脂肪も少なく、高たんぱく低カロリーの健康的な食材ですが、お豆腐ばかり食べていたら確実に飽きてきますし、苦しいダイエットになってしまうことでしょう。お豆腐の植物性タンパク質だけに頼らず、お肉やお魚といった動物性タンパク質をバランスよく摂ることが大切です。
中には数日間お豆腐だけを食べて過ごす人もいるようですが、イソフラボンが体内でうまく働くためには、ビタミンやミネラルも必要です。お豆腐だけを食べ続けても、キレイになれるわけではありません。野菜やお肉といったほかの食材も合わせて食べる必要があるんです」
忙しい女性におすすめ! 無理しないダイエットのヒント
「太りにくい食生活では、血糖値を上げないことを意識するとよいでしょう。最初にサラダやスープをいただき、お腹が落ち着いてから肉や魚のメイン、そしてごはんやデザートといった糖質を摂るのがおすすめです。
忙しい女性にとって便利なのは、やはり週末の作り置きですね。私の場合、材料を入れたら弱火で30分でできあがる、バーミキュラのお鍋を使った温野菜やスープが気に入っています。塩コショウだけでもおいしいですし、カレー味などのバリエーションで飽きずに食べられます。食事の満足感と同時にビタミンやミネラル、食物繊維が摂れます。食事が不規則になりがちな、働く女性にぜひおすすめしたいですね」
成功するダイエットのヒントは、無理せずゆるく続けられること
「つい話題のダイエットにすぐ飛びつきがちですが、痩せるためのスーパーフードはありません。酵素を飲んで数日間断食をする『ファスティング』も話題になりましたが、しばらくすると体重がもとに戻る人が多いようです。
ダイエットの敵は、長続きしないこと。○○しか食べないといった極端なものは、結局のところ続きません。健康的に脂肪を落とし、キレイな身体をつくるダイエットは、無理なく長く続けられるものなんです。
そのためには完璧にできなくてもよしとする、うまく気を抜く姿勢がポイントです。例えばお昼に食べ過ぎたら夜を軽くする、夜にお食事会が続くようなら一週間単位でカロリーを調整するなど、できる範囲でがんばる『自分への優しさ』を忘れないことが大切です。女性の多くは短期間に確実に痩せたいと思うものですが、急がば回れがダイエット成功への近道なのです」
たしかに多くの女性は、すぐ効果が出そうな極端なダイエットに走りがちです。リバウンドしないダイエットは、無理をしないことという松村先生の言葉は新鮮です。痩せることに必死になると、つい「自分への優しさ」を置き去りにしてしまいますが、本当のキレイさを手に入れるためには健康は欠かせませんよね。内側から輝く女性を目指して、自分スタイルのダイエットを探してみませんか?(ぱう)
【取材協力】
松村圭子(まつむらけいこ)さん
成城松村クリニック院長。大妻女子大学非常勤講師。月経のトラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポート。漢方やサプリメント、点滴療法など幅広い治療法で不調をケア。『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など著書多数。