後輩を上手く育てる!褒め方&叱り方の基本
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後輩ができると、おのずと褒めたり叱ったりする機会も増えてきますよね。褒めて図に乗られても困るし、叱って落ち込まれても大変。
できる後輩を育てるには、やる気を出させ、時には反省もしてもらい、成長へと繋がっていくような、上手い褒め方や叱り方がカギとなりそう。
2万人を超えるビジネスパーソンを指導してきた、マネジメントコンサルタントの濱田秀彦さんに、後輩を上手く伸ばす褒め方と叱り方をお聞きしました。まずは、褒め方から。濱田さんによると、褒める目的は3つあるそう。
1.正しい行いを繰り返すよう「強化」するため
2.精神的な報酬を出すため
3.自信をつけさせ、より難度の高い仕事にチャレンジさせるため
「この中で、特に1の目的は指導という点で重要です。例えば、後輩が共有スペースを自主的に片付けてくれたとします。その時に褒めれば、後輩は『自分は良いことをした』と感じ、再びやろうとします。褒めなければ『やったところで何もない』と感じ、もう二度とやらない可能性もあります」
なるほど。褒められれば「またやろう」という気持ちになりますもんね。では、実際にどのようにして褒めればいいのですか?
「褒め方も大切です。例えば上に挙げたケースには、褒め方が3つあります」
1.Youメッセージ(相手が主語)
例:「君はえらいね」
2.Iメッセージ(私が主語)
例:「私は君のそういうところ感心するよ」
3.感謝(正確には褒めていないが、同じ効果がある)
例:「片付けてくれてありがとう」
「一般的に褒めるというと、1のYouメッセージをイメージします。ただ、Youメッセージには、発言者が対象者を評価するニュアンスが入るため、言いにくいし、言われても素直に喜べない可能性があります。2のIメッセージや、3の感謝は、そういうリスクが少ないので、褒めることが苦手な人は2や3を使うとよいでしょう。特に3はコメント文をあまり考えなくても言えるのでおすすめです」
ほ〜なるほど。私を主語にして褒めたり、感謝の気持ちを言葉に表したりした方が、相手にも素直に届くということですね。特に3の褒め方は、おっしゃる通り簡単に使えそう。
反対に、叱る場合はどうでしょうか。叱る目的は、
1.誤った行いに気付かせ、繰り返さないよう「矯正」するため
2.組織の規律を維持するため
3.奮起を促すため
とのこと。そして、叱り方は段階的に強くすることが大切みたい。
1.最初は「ソフト」に
例:「どうしたの?」(聞きだし)→「そうか。分かった」(受容)→「今度は○○してよ」(依頼)
2.再発は「ピシリ」と
例:「今○○したよな」(事実)→「私は○○と感じた」(自分の気持ちや状況)→「○○して」(指示)
3.再再発は「厳しく」
「例えば、ミーティングに後輩が遅れてきた場合、最初はどうしたのか尋ね、外せない用だったら受容的に聞き、『次からは時間通り来てね』と告げます。もし、再発したら『5分遅刻が二回連続。私は始められなくて困っていた。時間通りに来て』と言います。それでも再発したら『あなたは参加しなくていい。席に戻って』というように厳しく対処します。そうしないと、時間通りに来ているほかのメンバーに示しがつきません」
ポイントは、最初はソフトに注意すること。初めから厳しくいってしまうと、相手との関係性も崩れてしまうので、あくまで最初は柔らかく、徐々に強くしていくことが重要みたいです。
気持ちよく仕事をするためには、褒めること、時には叱ることも大切。褒める場合はやり方を誤ってもそこまで大きな大事には至らないと思いますが、叱る場合はやり方を間違えるとその後の関係や会社の空気を悪くしてしまうので注意が必要です。今後、もしそのような場面に出くわしたら、「最初はソフトに注意する」ということを思い出してみてください。きっと役立つはずです!(坂田 圭永)
【取材協力】
濱田 秀彦さん
株式会社ヒューマンテック代表取締役。主な著書に、『「上司に話が通じない」と思ったときに読む本』(かんき出版)、『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』『あなたが上司から求められているシンプルな50のこと』(共に実務教育出版)、『ビジネス快話力』(主婦と生活社)などがある。
できる後輩を育てるには、やる気を出させ、時には反省もしてもらい、成長へと繋がっていくような、上手い褒め方や叱り方がカギとなりそう。
私を主語にするか、感謝の意を伝える褒め方がベスト!
2万人を超えるビジネスパーソンを指導してきた、マネジメントコンサルタントの濱田秀彦さんに、後輩を上手く伸ばす褒め方と叱り方をお聞きしました。まずは、褒め方から。濱田さんによると、褒める目的は3つあるそう。
1.正しい行いを繰り返すよう「強化」するため
2.精神的な報酬を出すため
3.自信をつけさせ、より難度の高い仕事にチャレンジさせるため
「この中で、特に1の目的は指導という点で重要です。例えば、後輩が共有スペースを自主的に片付けてくれたとします。その時に褒めれば、後輩は『自分は良いことをした』と感じ、再びやろうとします。褒めなければ『やったところで何もない』と感じ、もう二度とやらない可能性もあります」
なるほど。褒められれば「またやろう」という気持ちになりますもんね。では、実際にどのようにして褒めればいいのですか?
「褒め方も大切です。例えば上に挙げたケースには、褒め方が3つあります」
1.Youメッセージ(相手が主語)
例:「君はえらいね」
2.Iメッセージ(私が主語)
例:「私は君のそういうところ感心するよ」
3.感謝(正確には褒めていないが、同じ効果がある)
例:「片付けてくれてありがとう」
「一般的に褒めるというと、1のYouメッセージをイメージします。ただ、Youメッセージには、発言者が対象者を評価するニュアンスが入るため、言いにくいし、言われても素直に喜べない可能性があります。2のIメッセージや、3の感謝は、そういうリスクが少ないので、褒めることが苦手な人は2や3を使うとよいでしょう。特に3はコメント文をあまり考えなくても言えるのでおすすめです」
ほ〜なるほど。私を主語にして褒めたり、感謝の気持ちを言葉に表したりした方が、相手にも素直に届くということですね。特に3の褒め方は、おっしゃる通り簡単に使えそう。
叱り方のポイントは、最初はソフトに注意すること!
反対に、叱る場合はどうでしょうか。叱る目的は、
1.誤った行いに気付かせ、繰り返さないよう「矯正」するため
2.組織の規律を維持するため
3.奮起を促すため
とのこと。そして、叱り方は段階的に強くすることが大切みたい。
1.最初は「ソフト」に
例:「どうしたの?」(聞きだし)→「そうか。分かった」(受容)→「今度は○○してよ」(依頼)
2.再発は「ピシリ」と
例:「今○○したよな」(事実)→「私は○○と感じた」(自分の気持ちや状況)→「○○して」(指示)
3.再再発は「厳しく」
「例えば、ミーティングに後輩が遅れてきた場合、最初はどうしたのか尋ね、外せない用だったら受容的に聞き、『次からは時間通り来てね』と告げます。もし、再発したら『5分遅刻が二回連続。私は始められなくて困っていた。時間通りに来て』と言います。それでも再発したら『あなたは参加しなくていい。席に戻って』というように厳しく対処します。そうしないと、時間通りに来ているほかのメンバーに示しがつきません」
ポイントは、最初はソフトに注意すること。初めから厳しくいってしまうと、相手との関係性も崩れてしまうので、あくまで最初は柔らかく、徐々に強くしていくことが重要みたいです。
気持ちよく仕事をするためには、褒めること、時には叱ることも大切。褒める場合はやり方を誤ってもそこまで大きな大事には至らないと思いますが、叱る場合はやり方を間違えるとその後の関係や会社の空気を悪くしてしまうので注意が必要です。今後、もしそのような場面に出くわしたら、「最初はソフトに注意する」ということを思い出してみてください。きっと役立つはずです!(坂田 圭永)
【取材協力】
濱田 秀彦さん
株式会社ヒューマンテック代表取締役。主な著書に、『「上司に話が通じない」と思ったときに読む本』(かんき出版)、『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』『あなたが上司から求められているシンプルな50のこと』(共に実務教育出版)、『ビジネス快話力』(主婦と生活社)などがある。