
神聖な式にふさわしい厳かな雰囲気、感謝とおもてなしを伝える温かさ、そしてふたりらしさが感じられる個性と斬新さ…それらを自分らしく取り入れた、センスあふれる海外の大人ウエディングをご紹介します。
グレゴリー・デフォンテーヌさん(29歳)
カロリーヌさん(28歳)
映画『男と女』の舞台としても知られる、パリジャンの愛するエレガントな海辺のリゾート、ドーヴィル。「ここは祖父がかつて競馬騎手として活躍し、私も小さいころから週末やバカンスを過ごしてきた愛着のある町です」というのは新婦カロリーヌさん。新郎の家族はカトリック、新婦側はユダヤ教という2つの伝統を尊重し、150人のゲストに楽しんでもらえる結婚式を、愛着の地ドーヴィルで――そんなふたりが選んだ祝宴の会場は、町の中心から車で40分ほどのカノン城だった。「庭園の美しさで知られ、見学者も多い18世紀の小さな城。友人の結婚式に招待されて訪れて以来、気に入っていた場所でした」。
祝宴のテーマカラーには、フューシャとグレーを選んだ。「これは祖父が騎手時代に着用していた勝負服の色。招待状からフラワーガールのドレス、テーブルセッティングや照明まで、2色のテーマで全てを統一したんです」。証人たちのタイやチーフ、白いキャンドルに刻まれたディナーのメニュー。鮮やかなフューシャをそっと抑えるグレーの2色使いはエレガントそのもの。また、ディナーの円卓には「アメリカ賞」「パリ大障害」など、競馬のグランプリにちなんだ名前をつけ、ドーヴィルと馬にまつわる家族の思い出をさりげなく感じさせる演出となった。気持ちよく晴れた9月の土曜日。午後一番にドーヴィルの町の教会で式を挙げたふたりは、ゲストたちの車を従えてカノン城へ。ジャズシンガーの歌に迎えられたカクテルタイムの後は、緑あふれる庭園でのユダヤ教式挙式。「庭園の池の向こうに夕日が沈んでゆく風景の美しかったこと!」とふたりは当日を振り返る。その後、18世紀の装飾を残す大広間でのディナーから、夜空に打ち上げた花火、DJを迎えて盛り上がったダンスタイムまで、祝宴の華やぎは、翌朝4時過ぎまで続いた。


photographs: Fanny Dion
planning: Mariage dans l'air
text & composition: Masae Takata