こまめに掃除、してますか?

「片付けられない女子」が結婚するには?

何を隠そう、私は「片付けられない」女です…。部屋は衣類や雑貨、本などが出しっぱなしでごちゃごちゃ。私の“汚部屋”を見てしまった友人からは、「このままじゃ一生結婚できないよ!」と脅されています(汗)。

でも、自分でもそう思います。こんな片付けられない女を、ヨメにもらってくれる男子などいないだろうと。第一、こんな状態で男子を家になんて呼べないし!恋愛に対する意欲まで減退している気がします…。

決して掃除が嫌いなわけじゃないのですが、なかなか重い腰が上がらず、放置してしまう。こういう状態って心理学的にはどうなのでしょう?心理学博士の伊東明さん、教えてください!

「心理学的には『プロクラスティネーション(先延ばし症候群)』と言います。人間は誰しも、新しい第一歩を踏み出すのが苦手です。一度踏み出してしまえば、後はなし崩し的にでも続けてしまうものなのですが、この“はじめの一歩”のハードルが高いのです。ともすれば、人間なら誰しも片付けられない状態に陥りがちといえますが、どちらかというと『まじめで完璧主義の人』がなりやすい傾向にありますね。いったん掃除を始めると、すみずみまで完璧にきれいにしないと気が済まなくなるので、はじめの一歩のハードルがさらに高くなるのです」

すごく分かります!やり始めたらトコトンやるんですけど、はじめがなかなか…(涙)。でもこのままじゃ結婚どころか恋愛もできない!改善するためのいい方法ってありますか?

「心理学において、『フット・イン・ザ・ドア・テクニック』という戦略があります。これは、『小さな要求を受け入れたら、その後、関連する大きな要求を受け入れやすくなる』という心理で、営業戦略を立てる際などによく使われています。これを自分自身に応用し、『5分だけ掃除をしよう。5分以上は絶対にやらない!』などと低いハードルを設定すると、行動に移しやすくなります。それができるようになったら、時間を少しずつ延ばしていけばいいのです。また、もう一つの方法は、掃除を完全にルーティン化してしまうこと。例えば、『土曜日のこの時間は絶対に洗濯機を回す!』と決めてしまう方法です。その場その場で、掃除をするアクションプランを立てるのは大変ですが、最初に決めてしまえば、後は何も考えなくてよくなるので、行動に移しやすくなります」

なるほど!こうやって少しずつ片付けられるようになれば、こんな私でも「結婚」に一歩近づきますかね?

「片付けられない状態にあると、無意識のうちに自分自身に“だらしない自分”というセルフイメージを持ってしまい、『婚活してもどうせうまくいくはずがない』というマイナス思考のスパイラルに陥ってしまいます。5分だけでも掃除を始めれば、“キチンとできる自分”というセルフイメージが湧くようになり、婚活への意識も高まりますよ」

おっしゃる通り、「片付けられない自分が恋愛や結婚なんてできるわけない」と、マイナス思考に陥っていました…(涙)。まずは1日5分から、生活を変えたいと思います!(山崎 はるな)


【取材協力】
伊東 明さん
(株)東京心理コンサルティング代表。ビジネス心理学および男性・女性心理学を専門とし、企業研修やコンサルティング、メディア出演や雑誌連載などで幅広く活躍中。『男は3語であやつれる』(PHP研究所)、『女が結婚するまでに考えておきたいこと』(大和書房)など、70冊以上の著作がある。