知っておきたい!結婚式の出欠連絡マナー
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年明けに結婚する大学時代の友人から届いた結婚式の招待状。受付も頼まれているし、事前にメールで「出席する」とも伝えてあるから、「少しぐらい返信が遅くなっても大丈夫」なんて、つい返信ハガキを出すのが遅れてしまった私。期日間際になってから焦ってポストに投函し、ギリギリセーフ!…でも、実はコレ、ちょっとしたマナー違反なんだそう。
でも、期日までには送り主の元に届くのに、どうしてマナー違反なのでしょう?現代礼法研究所代表の岩下宣子さんに聞いてみました!
「招待状の送り主は、ゲストからの返信を心待ちにしているもの。祝福の気持ちを表すひとつの手段としても、招待状が手元に届いてから1週間以内に返信ハガキを送るのが、大人のマナーです。ハガキを出すのが遅れてしまった場合は、『遅くなってごめんなさい』と、メールや電話でひと言連絡を。ただ、その際、口頭やメールで出席の旨を伝えたからと言って、返信ハガキを出さないのはご法度です」
「また、欠席の場合にも、仕事や旅行など何らかの事情で出席できない旨を事前に電話で連絡し、追ってハガキを送るように。『欠席』に◯を付けただけのハガキを突然送るのは、相手にぶしつけな印象を与えてしまうので避けるようにしましょう」
1週間以内に返信するのがマナーとは、知りませんでした。知らないうちにマナー違反している可能性も!?そこで、すでに結婚式を終えた先輩花嫁さんにアンケートを実施。結婚式の出欠連絡のマナーについて聞いてみました。
まずは、「あなたの結婚式に招待したゲストからの出欠連絡のマナーについて、腹が立ったことはありますか?」と質問したところ、31%の人から「ある」との回答が。思っていたよりも多くの人が結婚式の出欠連絡に関して腹を立てたことがあるようです。では、具体的にどんなことに対して腹が立ったのでしょう?
●「欠席の連絡が結婚式本番の1週間前にきた。しかも、別の知人経由で」(25歳)
●「同封したハガキではなく、メールで『招待状なくしたけど行きます』と連絡がきた」(35歳)
●「返信ハガキの書き方が無礼!」(26歳)
●「返信ハガキの期日を守ってもらえなかったうえに、挙式1週間前にドタキャン。『ごめんね』の言葉もなければ電報もご祝儀もなく、縁を切ろうか悩みました」(34歳)
うーん、たしかになんとも失礼なエピソードばかり…。縁を切ろうか悩んだ人もいるなんて、皆さんだいぶご立腹のようです。でも、それくらい腹が立ったら相手にもマナー違反だということをハッキリと言いたくならないのでしょうか?
そこで、「腹が立ったことがある」と答えた人に「その行動がマナー違反であったということを相手に指摘しましたか?」とも質問したところ、81%と大半の人は「指摘しなかった」と回答。招待客相手にマナー違反を指摘するのはなかなか勇気のいることだけに、我慢する人が多いようです。でも、腹は立っても指摘する人が少ないというのは、それだけマナー違反に気づける機会も少ないということ…。結婚式の出欠連絡の基本マナーを教えてください!
「まず大切なのは返信ハガキの書き方。御出席、御芳名などの『御』や『芳』という字は、結婚式の主催者からゲストへの敬語になりますので、一字は二本斜め棒、二字以上は二本平行棒で消しましょう。
返信ハガキの宛名が『◯◯行』となっている場合には、同じように『行』を消し、『様』に書き換えること。その際、『行』の上に『寿』という字を重ねて消すと、より華やかな印象になるのでおすすめです。また、『出席』には◯を付けるだけでなく、『出席』の前に“慶んで(相手が同輩や目下の場合は「喜んで」でもOK)”を、後に“させていただきます”を加えて、『慶んで(出席)させていただきます』という文になるようにするといいですね」
「出席・欠席にかかわらず、『ご結婚おめでとうございます』などのメッセージを加えれば、さらに喜ばれますよ。メッセージの内容は、ハガキの宛名が友人であれば友人に、親御さんであれば親御さんに宛てて書くようにしてください。なお、欠席の場合は、仕事や旅行が理由であれば正直にその旨を伝えて大丈夫です。法事などの仏事の理由であれば、『どうしても都合がつかず』『やむをえない理由で』など、理由をにごして書くようにしましょう」
なるほど、返信ハガキの書き方について、基礎知識はこれでバッチリです。ところで、すぐに出席できるかどうかが分からない場合は、どのように連絡をすればいいのでしょう?
「『ぜひ出席したいのだけど、出張が入るかもしれなくて…』などと正直に事情を話し、何月何日になればハッキリと予定が分かるのかを伝えるようにしましょう。返信期日を過ぎるようであれば、いつまでに返事をすれば間に合うのか、相談するのがベター。式直前まで予定が分からない場合は、相手を困らせてしまう可能性もあるので、『ぜひ出席したいのだけど、直前まで予定が分からずご迷惑をおかけしてしまうと思うので、今回は欠席します』とお返事するのもOKです」
「ただし、欠席する場合も、式の1週間前までにはお祝いを済ませるように。金額は1万円前後を目安にしてください。さらに、当日は電報を送るようにするといいですね」
欠席の場合もお祝いはきちんとするべきなんですね。勉強になりました!ちなみに、出席の返事を出した後に行けなくなってしまった場合や、3日前〜当日など突然キャンセルしなくてはいけなくなった場合は、どうしたらいいですか?
「そのような場合、まず、連絡と謝罪は必須。欠席の理由は返信ハガキの場合と同じように、ケースバイケースで理由を正直に伝えるか、少しにごして伝えるのか、伝え方を変えるようにしましょう。
また、最近は結婚式当日にご祝儀を渡すのが一般的になりましたが、本来、結婚式のお祝いは出席・欠席にかかわらず、式の1週間前までに済ませるのがマナー。ですから、キャンセルが1週間前までに分かっていれば、式の1週間前までに、出席する場合に贈る予定だったお祝いと同額程度に値する、ご祝儀やプレゼントを贈るようにしてください。間に合わなかった場合は、式後に改めてお祝いを届けるようにしましょう」
「最後に、当日を含め直前でキャンセルをする場合は、席を空けてしまう恐れもあるので、配慮が必要。披露宴で席を空けてしまうのはよくないことなので、家族や友人などで代理出席できそうな人を探し、『できたら◯◯さんに代理で出席してもらいたいと思っているのだけど…』と、招待主やその家族に相談し、判断を仰ぐようにしてください」
うーん、出欠の連絡方法だけでもいろいろと気を付けなければならないことが多いんですね。でも、お祝いごとなのに招待してくれた相手を不快にさせたくはないもの。皆さんも、いざという時のために、しっかり覚えておいてくださいね!(清川 睦子/verb)
【取材協力】
岩下宣子さん
現代礼法研究所代表、NPO マナー教育サポート協会 理事長。企業・公共団体・学校などでマナーの研修・指導・講演を行うほか、『結婚のマナーカンペキ!BOOK』『好感度がアップする美しいマナー』『冠婚葬祭・暮らしのマナーブック』など、マナーに関する著書・監修書も多数。
【データ出典】
ゼクシィユーザーアンケート「結婚式マナーやケチな男性について」
調査期間/2010/11/4〜11/8
有効回答数/199人(女性)
でも、期日までには送り主の元に届くのに、どうしてマナー違反なのでしょう?現代礼法研究所代表の岩下宣子さんに聞いてみました!
招待状は届いてから1週間以内に返信ハガキを送るのがマナー
「招待状の送り主は、ゲストからの返信を心待ちにしているもの。祝福の気持ちを表すひとつの手段としても、招待状が手元に届いてから1週間以内に返信ハガキを送るのが、大人のマナーです。ハガキを出すのが遅れてしまった場合は、『遅くなってごめんなさい』と、メールや電話でひと言連絡を。ただ、その際、口頭やメールで出席の旨を伝えたからと言って、返信ハガキを出さないのはご法度です」
「また、欠席の場合にも、仕事や旅行など何らかの事情で出席できない旨を事前に電話で連絡し、追ってハガキを送るように。『欠席』に◯を付けただけのハガキを突然送るのは、相手にぶしつけな印象を与えてしまうので避けるようにしましょう」
1週間以内に返信するのがマナーとは、知りませんでした。知らないうちにマナー違反している可能性も!?そこで、すでに結婚式を終えた先輩花嫁さんにアンケートを実施。結婚式の出欠連絡のマナーについて聞いてみました。
まずは、「あなたの結婚式に招待したゲストからの出欠連絡のマナーについて、腹が立ったことはありますか?」と質問したところ、31%の人から「ある」との回答が。思っていたよりも多くの人が結婚式の出欠連絡に関して腹を立てたことがあるようです。では、具体的にどんなことに対して腹が立ったのでしょう?
●「欠席の連絡が結婚式本番の1週間前にきた。しかも、別の知人経由で」(25歳)
●「同封したハガキではなく、メールで『招待状なくしたけど行きます』と連絡がきた」(35歳)
●「返信ハガキの書き方が無礼!」(26歳)
●「返信ハガキの期日を守ってもらえなかったうえに、挙式1週間前にドタキャン。『ごめんね』の言葉もなければ電報もご祝儀もなく、縁を切ろうか悩みました」(34歳)
うーん、たしかになんとも失礼なエピソードばかり…。縁を切ろうか悩んだ人もいるなんて、皆さんだいぶご立腹のようです。でも、それくらい腹が立ったら相手にもマナー違反だということをハッキリと言いたくならないのでしょうか?
そこで、「腹が立ったことがある」と答えた人に「その行動がマナー違反であったということを相手に指摘しましたか?」とも質問したところ、81%と大半の人は「指摘しなかった」と回答。招待客相手にマナー違反を指摘するのはなかなか勇気のいることだけに、我慢する人が多いようです。でも、腹は立っても指摘する人が少ないというのは、それだけマナー違反に気づける機会も少ないということ…。結婚式の出欠連絡の基本マナーを教えてください!
返信ハガキの書き方
「まず大切なのは返信ハガキの書き方。御出席、御芳名などの『御』や『芳』という字は、結婚式の主催者からゲストへの敬語になりますので、一字は二本斜め棒、二字以上は二本平行棒で消しましょう。
返信ハガキの宛名が『◯◯行』となっている場合には、同じように『行』を消し、『様』に書き換えること。その際、『行』の上に『寿』という字を重ねて消すと、より華やかな印象になるのでおすすめです。また、『出席』には◯を付けるだけでなく、『出席』の前に“慶んで(相手が同輩や目下の場合は「喜んで」でもOK)”を、後に“させていただきます”を加えて、『慶んで(出席)させていただきます』という文になるようにするといいですね」
「出席・欠席にかかわらず、『ご結婚おめでとうございます』などのメッセージを加えれば、さらに喜ばれますよ。メッセージの内容は、ハガキの宛名が友人であれば友人に、親御さんであれば親御さんに宛てて書くようにしてください。なお、欠席の場合は、仕事や旅行が理由であれば正直にその旨を伝えて大丈夫です。法事などの仏事の理由であれば、『どうしても都合がつかず』『やむをえない理由で』など、理由をにごして書くようにしましょう」
なるほど、返信ハガキの書き方について、基礎知識はこれでバッチリです。ところで、すぐに出席できるかどうかが分からない場合は、どのように連絡をすればいいのでしょう?
すぐに出席できるかどうかが分からない場合は本人達に相談してみて
「『ぜひ出席したいのだけど、出張が入るかもしれなくて…』などと正直に事情を話し、何月何日になればハッキリと予定が分かるのかを伝えるようにしましょう。返信期日を過ぎるようであれば、いつまでに返事をすれば間に合うのか、相談するのがベター。式直前まで予定が分からない場合は、相手を困らせてしまう可能性もあるので、『ぜひ出席したいのだけど、直前まで予定が分からずご迷惑をおかけしてしまうと思うので、今回は欠席します』とお返事するのもOKです」
「ただし、欠席する場合も、式の1週間前までにはお祝いを済ませるように。金額は1万円前後を目安にしてください。さらに、当日は電報を送るようにするといいですね」
欠席の場合もお祝いはきちんとするべきなんですね。勉強になりました!ちなみに、出席の返事を出した後に行けなくなってしまった場合や、3日前〜当日など突然キャンセルしなくてはいけなくなった場合は、どうしたらいいですか?
突然キャンセルになった場合、連絡と謝罪は必須!
「そのような場合、まず、連絡と謝罪は必須。欠席の理由は返信ハガキの場合と同じように、ケースバイケースで理由を正直に伝えるか、少しにごして伝えるのか、伝え方を変えるようにしましょう。
また、最近は結婚式当日にご祝儀を渡すのが一般的になりましたが、本来、結婚式のお祝いは出席・欠席にかかわらず、式の1週間前までに済ませるのがマナー。ですから、キャンセルが1週間前までに分かっていれば、式の1週間前までに、出席する場合に贈る予定だったお祝いと同額程度に値する、ご祝儀やプレゼントを贈るようにしてください。間に合わなかった場合は、式後に改めてお祝いを届けるようにしましょう」
「最後に、当日を含め直前でキャンセルをする場合は、席を空けてしまう恐れもあるので、配慮が必要。披露宴で席を空けてしまうのはよくないことなので、家族や友人などで代理出席できそうな人を探し、『できたら◯◯さんに代理で出席してもらいたいと思っているのだけど…』と、招待主やその家族に相談し、判断を仰ぐようにしてください」
うーん、出欠の連絡方法だけでもいろいろと気を付けなければならないことが多いんですね。でも、お祝いごとなのに招待してくれた相手を不快にさせたくはないもの。皆さんも、いざという時のために、しっかり覚えておいてくださいね!(清川 睦子/verb)
【取材協力】
岩下宣子さん
現代礼法研究所代表、NPO マナー教育サポート協会 理事長。企業・公共団体・学校などでマナーの研修・指導・講演を行うほか、『結婚のマナーカンペキ!BOOK』『好感度がアップする美しいマナー』『冠婚葬祭・暮らしのマナーブック』など、マナーに関する著書・監修書も多数。
【データ出典】
ゼクシィユーザーアンケート「結婚式マナーやケチな男性について」
調査期間/2010/11/4〜11/8
有効回答数/199人(女性)