ピエトラ・セレーナ ●SOWA WEDDINGS
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私のクリスマス
更新:2015/12/25 08:00
クリスマスの朝は 毎年かならず枕元にプレゼントがあった。
小さいころはクリスマスイヴに
サンタさんに手紙を書いて
今年こそサンタさんを見てやる!と意気込んで
結局気付いた時には 枕元にラッピングされたプレゼント。
お母さんが特別な朝にに焼いてくれる フレンチトーストの甘い香りがして
「また寝ちゃった!」と いつも悔しい思いをしていた。
ちょこっと成長して
両親がクリスマスイヴに物音を立てないよう
頑張っているのだと知ってからも
プレゼントを置いてくれる瞬間は一度も見ることが出来なかった。
枕元のプレゼントは私が中学校を卒業する年まで続き
最後の枕元のプレゼントは
あまり着たことのない 女の子らしい服。
母曰く
「せっかくクリスマスのデートなんだから
可愛い服着て出掛けなさい」 とのこと。
初めて着るブルーのふわふわのセーターと
チェック柄の少し短めのスカート。
彼から言われた
「いつも以上に 可愛いね」
という言葉がすごく嬉しかったのを覚えている。
それから10年経った今
私は初めて「サンタさん」になった。
昔、ブルーのセーターを褒めてくれた彼に 枕元へプレゼント。
起こさないように ばれないように そーっと。
きっと両親もこんな風に
ドキドキし 朝起きて喜ぶ私の顔を考えながら
プレゼントを置いてくれていたんだと思うと
ちょっとだけ泣きそうになりながら 暖かい布団へ戻る・・
朝起きると 隣の彼がいない。
私が置いたプレゼントもない。
部屋に充満する お砂糖の甘い香り。
私の枕元には 小さなBOXと 封筒。
『昔話してくれた 枕元のプレゼント
いつか君にしてあげたくって ずっとこの時を待ってた
今までで 一番のプレゼントになりますように』
蘇る やられた!という感情
彼もあのドキドキを感じながら そろりそろりと動いていたかと思うと
とっても面白くて 嬉しくて
今度こそ泣いてしまって。
小さなBOXの中で光る指輪をはめて
甘い匂いから少し焦げた匂いの元へ向かう。
『甘い匂いで起きちゃうくらいだから
結婚式はデザートがたくさん食べられるところがいいね』
ひとつ あなたと結婚式が出来るのなら
決めていることがあるんです
あなたが褒めてくれたセーターに 良く似たブルーのドレスを着て
あなたの隣に立ちたい
願わくば あなたに
「いつも以上に 可愛いね」と言ってもらいたいのです
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