☆シャイなお父様☆

「靴が合わんで、足が痛いんよね・・」

男手ひとつで、ひとり娘を育てられたお父様が、結婚式当日
足元を見つめながらつぶやかれました。
それは、挙式が始まる直前の出来事。



当日を仕切る現場のキャプテンも、プランナーの私、
アテンドのスタッフやカメラマンも
「靴を取り替えましょうか？」と、尋ねても「ううん。えぇんよ、えぇんよ。」とお父様。

当日、モーニングに身を包むお父様は
靴をセットでレンタルされる事もあります。
いつでもお取り替えができるよう、サイズ違いの靴をスタンバイして挙式がスタート。


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背がスラリと高く、とってもスリムな、ちょっと怖い（笑）お父様。
打ち合わせもよくお越しいただいていました。
「吉田さん！また行ってもえぇ？」と、お父様。
車で片道40分はかかるご自宅からホテルまで、頻繁に通って下さいました。
「今晩、市内に用事があるけん、ついでに寄ってもえぇ？」なんて日もありました。
そんなお父様に私は、新婦さんへの沢山の愛情を感じていました。

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「足が、痛い・・・。」
挙式後も、つぶやかれていました。足元を気にされながら・・。

開場となり、150名様ものゲストの皆さまをお迎えの時には終始笑顔のお父様。
けど、ふとおひとりになると「足が・・。」
そのご様子に、私は気になって何度もお声を掛けますが
「ううん。えぇんよ、えぇんよ。」とお父様。

開宴後、間もなく、足の痛みの原因が分かりました。
お父様の目にはいっぱいの涙が・・
足元を気にされながら、涙を見せまいとされていたのだと思います。
スタッフ一同安堵しました。

言葉にならない想いを胸に、当日のお父様は色々な気遣いをされています。
そんなお父様の想いも新婦さまに届けられたら・・私達オリエンタルホテル広島の
ホテルスタッフがいつも願う事です。

フィナーレの「新婦のお手紙」＆「花束贈呈」。
お父様の笑顔には、沢山の涙がこぼれていました。
もう、足元なんて気にされていません。

結婚式って、新郎新婦様お二人だけのものではないんです。
お世話になったご家族や、ご友人さまの前で
「これからも宜しくお願いします」という、大切な意志を伝える場、
そして両家と両家が『家族』という形で結びつく場でもあります。

また、たくさんの心が幸せになる儀式でもあります。
お二人だけではなく、来ていただいた沢山の方を幸せにする儀式が結婚式です。

そんな、たくさんの幸せのお手伝いをさせていただきながら、
私達ホテルスタッフも、いつも幸せにさせてもらっているんです。

子育て中プロデューサーの吉田でした