母の面影…

全てのお客様が私の大切な思い出です

その中でも、思い出に残っている、あるご新郎ご新婦のお話を紹介します。

ご披露宴では、ご列席の皆様がご自身のテーブルをすぐに見付けられるよう、
卓上にテーブル記号をご用意しています。
ニューオータニではお好みの単語、例えばお花の名前などにアレンジすることも可能ですが、
一般的には「祝」「賀」「などの漢字一文字を用いるケースが多くございます。

その場合、基本的には新郎ご両親がいらっしゃるお席は「鶴」、
新婦ご両親がいらっしゃるお席は「亀」という名前をお付けするのが
一般的です。

このご新婦は、数年前にお母様を亡くされていらっしゃいました。

お母様のお名前は鶴子さんとおっしゃいます。
新婦は亡きお母様にも晴れの姿を見てほしい、
どこかにお母様の面影を探していらっしゃる様なご様子でした。

私たちは会場内にお母様の為の椅子をご用意し、席札をご用意し、
そしてお料理をご提供する準備を整えていました。

そんな中、ご披露宴前日にお会いした際、ご新婦がぽつりと、
「お母さんが座るテーブルを、「鶴」にするなんて、おかしいでしょうか」
とおっしゃったのです。

通常なら、「鶴」は、ご新郎のご両親がいらっしゃるお席です。
しかしこのご新婦は、お母様のお名前の漢字をテーブル記号にされたかったのです。
このお気持ちを、ご新郎やご新郎のご両親も快く理解してくださいました

ご家族の想いを受けた私も、ホテル内の各スタッフに変更を伝えます。



そしてご披露宴当日
ご新婦は素敵な笑顔で「鶴」テーブルにいらっしゃるはずのお母様に目を向けながら、
安心された表情でご披露宴を楽しんでいらっしゃいました。
ご両親へのお手紙を読まれるご新婦には、
はっきり「鶴」にいらっしゃるお母様が見えていたはずです


ご新郎、ご新婦には、ほんの小さなご要望でも、私たちプランナーに
打ち明けて頂きたいのです
それが例え「通常」ではなかったとしても、
ご希望に添えるよう、プランナーは全力を尽くします。

是非、お二人の心の奥のご希望をお聞かせください。
ホテルニューオータニでは、あなたのご希望を叶えるご準備が整っています。