愛知、長野、福岡のご当地「結婚式のしきたり」
2017/11/27 11:00
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「結婚式なんて、どこの県も同じじゃない?」と思いきや、ふたを開けてみると意外にそうでもないかもしれません。ふたりの門出を祝う大切なひとときには、末永く幸せを願う昔ながらのしきたりが残っているようです。
今回は全国に結婚式場を展開するアニヴェルセルさんにご協力をいただき、ご当地ならではの結婚式の「しきたり」を紹介します。「全国共通のしきたりだと思っていたら、うちの地域だけだった…」「遠方の友人の結婚式に参列したら、意外な作法に戸惑った」など、ご当地の話題は新鮮な驚きがいっぱい。一緒に見ていきましょう!
【お菓子まき】
花嫁が実家を出る時、親族が屋根の上や2階からお菓子を大量にまき、それを近所の人が拾います。最近は実家ではなく披露宴会場で行うケースも多いようです。
「昔は花嫁がお嫁に行く時に、周りの人が行く手を妨害するしきたりがありました。妨害には花嫁さんに出て行ってほしくないという、近所の方々の愛情の裏返しという意味もあったようです。それを阻止するために、当時貴重だったお菓子をまいていたのが由来だそうです。
こうした本来の意味を知っている若い人は少ないかもしれませんが、愛知県では『お菓子まきはするもの』と思っている方が多くいらっしゃいます。新郎新婦がしたいと思っていなくても、親御さまがするものだ!とおっしゃって、お菓子を用意されることも少なくありません。こちらの会場では結婚式のフラワーシャワー後にこの「お菓子まき」を行うことが多いです。袋を配れば皆さん要領を得た様子で取る気満々。一瞬で終わっても、熱気にあふれて盛り上がる演出の一つです。
愛知県の場合、こうしたしきたりを必要ないという新郎新婦もいらっしゃいますが、親御さまへのご確認を必ずお願いしています。もめることはありませんが、親御さまは『しきたりを守ってほしい』『守るのが当たり前』と思っていることが多いと思います」
【万歳三唱】
披露宴の結びに、新郎新婦そして両家の幸せを願って、万歳三唱をします。
【あとふき】
披露宴のお開き後、それぞれの親族のみで行う簡易的なお食事会。
「結婚式での万歳三唱には、おめでたいことや嬉しいことが末永く続きますようにという意味が込められています。来賓より両家へ万歳三唱(新郎側主賓・乾杯の方の次に当たる3番手の方、または新婦側2番手の方が行うことが多いです)、その後に新婦側父上が列席の皆さまへ万歳返礼という流れになります。
最初の万歳三唱のときは、新郎新婦と両家両親は一礼したまま万歳を受けます。万歳返礼では、新郎新婦含め全員で万歳を行います。長野県では結婚式だけではなく、祝い事の席の結びにも万歳三唱ですね。
あとふきは、本来新郎家・新婦家、それぞれの実家で行っていたようですが、最近は懐石料理店などで行われることが多いようです。相手方親族の労をねぎらい、感謝を込めてごちそうを振る舞い合います。長野県の場合、親御さまが深く介入している結婚式ほど、伝統的なしきたりを行う傾向が高いように感じています」
【祝いめでた、博多手一本】
博多のおめでたい席で歌われる、お祝いの唄。1〜7番までありますが、結婚式では3番まで歌われることが多いようです。博多手一本は、一本締めと同じように身体の前で手を打ちます。
【お謡い(おうたい)】
『高砂』など、お祝いの席にふさわしいおめでたい謡を新郎新婦の年配の親戚(祖父、祖母など)が謡います。3曲続けて謡うため「お謡い三番」とも呼ばれます。
「福岡県では披露宴の最後に、年長の方がこの“祝いめでた”を謡うことが多いですね。謡い終わると、博多手一本で締めとなります。ただ、こうした昔ながらのしきたりを取り入れたいというご要望は減っていると思います。最近は世代を問わず、祝いめでた、博多手一本、お謡いは新郎新婦が好まない傾向にあります。親御さまも新郎新婦の好きなようにさせてあげていることがほとんどですね」
各地にはいろいろなしきたりがあるようですね。愛知県のお菓子まきは確かに盛り上がりそう。参列者に知らない人が多いとちょっと緊張する結婚式ですが、お菓子まきで同じお菓子に手を伸ばしたことがきっかけで、参列者の中に新たな出会いが…、なんていうドラマも生まれそうですね。
今回は愛知県、長野県、福岡県の3地域をご紹介しましたが、皆さまの故郷にも素敵なしきたりがあるのではないでしょうか。伝統的な結婚式のしきたりは、ふたりの幸せを願う気持ちが形になったもの。若い世代と年配の世代をつなぐ、温かい絆といえるかもしれませんね。(ぱう)
【取材協力】
アニヴェルセル株式会社(友行 仁美さん)
「幸せは、祝福されると記念日になる。」を企業コンセプトに、全国14カ所のウエディング施設の運営、記念日を軸とした商品の販売並びにサービスの提供を行っている。
アニヴェルセル株式会社
今回は全国に結婚式場を展開するアニヴェルセルさんにご協力をいただき、ご当地ならではの結婚式の「しきたり」を紹介します。「全国共通のしきたりだと思っていたら、うちの地域だけだった…」「遠方の友人の結婚式に参列したら、意外な作法に戸惑った」など、ご当地の話題は新鮮な驚きがいっぱい。一緒に見ていきましょう!
まく人、拾う人で盛り上がる「お菓子まき」愛知県
【お菓子まき】
花嫁が実家を出る時、親族が屋根の上や2階からお菓子を大量にまき、それを近所の人が拾います。最近は実家ではなく披露宴会場で行うケースも多いようです。
「昔は花嫁がお嫁に行く時に、周りの人が行く手を妨害するしきたりがありました。妨害には花嫁さんに出て行ってほしくないという、近所の方々の愛情の裏返しという意味もあったようです。それを阻止するために、当時貴重だったお菓子をまいていたのが由来だそうです。
こうした本来の意味を知っている若い人は少ないかもしれませんが、愛知県では『お菓子まきはするもの』と思っている方が多くいらっしゃいます。新郎新婦がしたいと思っていなくても、親御さまがするものだ!とおっしゃって、お菓子を用意されることも少なくありません。こちらの会場では結婚式のフラワーシャワー後にこの「お菓子まき」を行うことが多いです。袋を配れば皆さん要領を得た様子で取る気満々。一瞬で終わっても、熱気にあふれて盛り上がる演出の一つです。
愛知県の場合、こうしたしきたりを必要ないという新郎新婦もいらっしゃいますが、親御さまへのご確認を必ずお願いしています。もめることはありませんが、親御さまは『しきたりを守ってほしい』『守るのが当たり前』と思っていることが多いと思います」
結婚式でもお祝いの結びは「万歳三唱」長野県
【万歳三唱】
披露宴の結びに、新郎新婦そして両家の幸せを願って、万歳三唱をします。
【あとふき】
披露宴のお開き後、それぞれの親族のみで行う簡易的なお食事会。
「結婚式での万歳三唱には、おめでたいことや嬉しいことが末永く続きますようにという意味が込められています。来賓より両家へ万歳三唱(新郎側主賓・乾杯の方の次に当たる3番手の方、または新婦側2番手の方が行うことが多いです)、その後に新婦側父上が列席の皆さまへ万歳返礼という流れになります。
最初の万歳三唱のときは、新郎新婦と両家両親は一礼したまま万歳を受けます。万歳返礼では、新郎新婦含め全員で万歳を行います。長野県では結婚式だけではなく、祝い事の席の結びにも万歳三唱ですね。
あとふきは、本来新郎家・新婦家、それぞれの実家で行っていたようですが、最近は懐石料理店などで行われることが多いようです。相手方親族の労をねぎらい、感謝を込めてごちそうを振る舞い合います。長野県の場合、親御さまが深く介入している結婚式ほど、伝統的なしきたりを行う傾向が高いように感じています」
昔ながらのおめでたい「歌」を披露する福岡県
【祝いめでた、博多手一本】
博多のおめでたい席で歌われる、お祝いの唄。1〜7番までありますが、結婚式では3番まで歌われることが多いようです。博多手一本は、一本締めと同じように身体の前で手を打ちます。
【お謡い(おうたい)】
『高砂』など、お祝いの席にふさわしいおめでたい謡を新郎新婦の年配の親戚(祖父、祖母など)が謡います。3曲続けて謡うため「お謡い三番」とも呼ばれます。
「福岡県では披露宴の最後に、年長の方がこの“祝いめでた”を謡うことが多いですね。謡い終わると、博多手一本で締めとなります。ただ、こうした昔ながらのしきたりを取り入れたいというご要望は減っていると思います。最近は世代を問わず、祝いめでた、博多手一本、お謡いは新郎新婦が好まない傾向にあります。親御さまも新郎新婦の好きなようにさせてあげていることがほとんどですね」
各地にはいろいろなしきたりがあるようですね。愛知県のお菓子まきは確かに盛り上がりそう。参列者に知らない人が多いとちょっと緊張する結婚式ですが、お菓子まきで同じお菓子に手を伸ばしたことがきっかけで、参列者の中に新たな出会いが…、なんていうドラマも生まれそうですね。
今回は愛知県、長野県、福岡県の3地域をご紹介しましたが、皆さまの故郷にも素敵なしきたりがあるのではないでしょうか。伝統的な結婚式のしきたりは、ふたりの幸せを願う気持ちが形になったもの。若い世代と年配の世代をつなぐ、温かい絆といえるかもしれませんね。(ぱう)
【取材協力】
アニヴェルセル株式会社(友行 仁美さん)
「幸せは、祝福されると記念日になる。」を企業コンセプトに、全国14カ所のウエディング施設の運営、記念日を軸とした商品の販売並びにサービスの提供を行っている。
アニヴェルセル株式会社