
withコロナ相談室~式当日、食事の提供はどうするのがいい?~
主に飛沫(ひまつ)と接触によって感染するとされている新型コロナウイルス感染症。大人数で会食する結婚式では、どのような対応を取ればよいのでしょうか?『新型コロナウイルス感染拡大における結婚式ガイドライン』をリリースしたウエディングプランナー団体「SUEHIRO」の荒井さやかさんに、料理、ドリンク、ケーキ提供の際の注意点を教えてもらいました。
婚礼料理の提供で気を付けるポイントって?
・コース料理の場合
現在のところ、食品を介して感染した事例はありません。調理人やサービススタッフが手指の消毒やこまめな手洗い、体調管理など感染防止策を徹底していれば、過度に心配する必要はないでしょう。スタッフが料理の説明を行う際には、飛沫が料理にかからないよう別の方法を検討した方がよさそうです。料理演出を検討する場合は、感染リスクがないか会場に相談しましょう。
・ビュッフェスタイルの場合
ビュッフェテーブルが密にならないような工夫や、トング等の使い回しを避けるためスタッフがサーブする、小皿で提供するなど、きめ細かな対応が必要です。会場の設備や人員配置によって対策が可能な場合とそうでない場合があるので、結婚式会場とよく相談しましょう。
・ワンプレート、お弁当・重箱スタイル
一人一人盛り付けて配膳するスタイルは、スタッフの接触機会を減らすという点では感染リスク低減に効果があると考えられます。ただし、ドリンクサービスなどでは接触をゼロにはできないため、効果は限定的といえます。
ドリンクの提供で気を付けるポイントって?
基本的には、手指消毒を徹底したスタッフがサーブするのが最善策です。テーブルに置いたビール瓶やデキャンタを複数の人がつぐ形式は、感染リスクの観点から控えた方がよいでしょう。
特に、お酌はつぐ際に飛沫が付着する恐れがあります。感謝の気持ちをゲストに伝えることが目的であれば、お酌以外の方法を探してみましょう。
ウエディングケーキの提供で気を付けるポイントって?
食中毒予防などの一般的な衛生管理を行っていれば、特に心配はありません。しかし、歓声に包まれて入刀した生ケーキをその場で切り分けて配布するのは、ゲストが不安を感じる可能性があるので避けた方が無難です。会場の方針に従い、判断しましょう。
いっそのこと発想を変えて見た目のかわいさにこだわったイミテーションケーキを用意するのもおすすめです。ガーデンでも食中毒の心配をせずケーキカットを楽しめますよ。
From 編集部
感染症対策を万全にして楽しい食事に
新型コロナウイルスは70度以上の熱や適切な濃度のアルコールに弱いことが分かっています。食品に関しては、通常の食中毒予防のために行っている衛生管理で問題ないそうです。飛沫や接触の機会を減らして、楽しい会食の時間にしましょう。

荒井さやかさん 「Coco style WEDDING」代表「SUEHIRO」代表メンバー
自らウエディングプロデュースを行う傍ら、全国の有志のウエディングプランナーが集う団体「SUEHIRO」の代表メンバーを務める。現場の経験を生かし、プランナー向けマガジン発行や、オンラインセミナー、勉強会などを開催。Withコロナの時代の新たなウエディングスタイルについて、プランナーやカップル向けに『新型コロナウイルス感染拡大における結婚式ガイドライン 結婚式Q&A集』を作成し、発信している。
http://suehironet.com/
取材・文/稲垣幸子 イラスト/Ricco 構成/伊藤りつ子(編集部)
※掲載されている情報は2020年7月時点のものです
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