我をつらぬく妻たちvol.15 ~子どもが2人いたってエベレストに行きたい!~
結婚して妻になったら、家はピカピカに掃除して、ご飯は毎日きちんと作って、見た目だって美しくいなきゃいけないのかなぁ……? いえいえ! 結婚したからといってそんなに無理しなくていい~んですっ! この連載では毎回、我をつらぬきながらも幸せな夫婦生活を送っている先輩花嫁たちをご紹介。リアルな声を参考に、無理しすぎず自分らしさ全開な妻で、結婚生活を楽しもう。
さて、今回の我をつらぬく妻は……?
今年の夏は10日ほど休みを取って、久々の一人旅! ずっと行きたかったエベレストのベースキャンプに行ってきました。標高5200mは酸素が薄くてすぐ息切れしましたが「死ぬまでにしたいこと」をまた一つ達成!
PROFILE
ぴっぴさん
都内のIT企業で働く会社員。2つ年下のアメリカ人夫との出会いは、旅行で行った群馬県でのキャニオニングで。旅行&アウトドア好きのふたりはすぐに意気投合し、交際開始。現在4歳の息子と、1歳半の娘の4人家族。
2人の子持ちで2週間の一人旅!? エベレストでベースキャンプ!?
今回は、この連載初の国際結婚カップルをご紹介。結婚しても小さな子どもがいても、独身時代と変わらず自由奔放っぷりを発揮する妻の実態に迫ります!
こんにちは! ゼクシィ編集部のTです。今日はお時間いただきありがとうございます! 最近長めの休みを取って一人旅をされたというぴっぴさんですが、お子さんがまだ小さいのに大丈夫だったんですか?
もともと彼と「子どもを1カ月くらい、アメリカのサマーキャンプに入れたいね」と言っていたのですが、私は仕事の都合上、まとめて1カ月は休めないので、彼の実家があるニューヨークに夫と子どもの3人で行ってもらうことにしました。
彼のお義母さんも、こっちに預けてくれていいからねって、言ってくれてたんで、安心して預けられましたね。
子どもが2人いる4人暮らしから、いきなり1人暮らしになる機会も珍しいですね。
そうなんですよ! で、そうなると「せっかくなら子連れではなかなか行けない所へ行っちゃおう!」と思い立って、ずっと夢だったエベレストへ行くことにしました。
すごい~。ちなみに、彼の方からは特に何も言われなかったんですか?
「いいね! 気を付けて行っておいでね!」って感じで、反対とかそういうのは全然ないですね。
うちは彼の方も、1週間くらいの海外出張がたまにあるので、そこはお互いさまなんですよ。彼がいないときは、私がひとりで娘・息子を見るワンオペ状況になるので大変と言えば大変なのですが、その分私も出張があれば行きますし。お互いしたいことができる体制にはなってますね。
夫婦どちらも、ワンオペで家事&育児ができるっていうのはさすが!
自分がある程度自由に動けるのも、相手あってのことですから。そこはお互い分かっているので、ワンオペの期間があっても乗り越えられますよね。
逆にワンオペが永遠に続くとなれば発狂しますけど(笑)。
確かに普段からずっとワンオペなわけじゃなく、1週間とか期間が決まってるなら、お互いのために乗り越えられそう! 大変なこともお互いさまっていう考え方もいいですね~。
家庭料理をここまでちゃんと作るのって、日本くらいなんじゃないかな?
おふたりが育児も家事もできるという、ぴっぴさんご夫婦ですが、家事事情はどんな感じなんでしょうか? 国籍が違うと文化が違って大変? 普段のご飯作りのことに関してなども聞いてみました。
料理に関しては、うちはとにかく超適当です(笑)。
「毎日メニューを考えるのが大変で」って言う人がよくいますけど、こんなに日々の家庭料理を頑張ってるのって日本くらいなんじゃないかな? そもそも、そんなに毎日いろんなものを作らなきゃいけないんでしたっけ?って考えてみた方がいいと思いますよ。
ちなみにいつもはどんなお料理を作っているんですか?
うちは彼がアメリカ人ってことも少し関係あるのかもしれないけど、まぁ雑(笑)。
だいたい夜はご飯に何か乗っけたやつ。何か炒めたものとかカレーとか。ご飯だけまとめて炊いておいて、あとは冷凍庫に入れておけば毎回炊かなくてもいいし楽ですよ。
確かにそれだと簡単~。
朝だってパンに目玉焼きとチーズ挟んでとか、そんなもんですよ。たまに彼がマフィンとかを夜作っておいてくれるので、それをみんなで食べたり。
そもそも、種類たくさんのおかずを作ったり、毎食毎食献立を変えたりする必要ってあります? みんな大変じゃないの?
ふたりとも時間に余裕があって、食に対して深いこだわりがある!とかなら別ですが。普通はそこまでしないでいいというのが私たちの考え。
確かに……毎日献立考えるのって大変! いろいろなおかずがあるのが普通って家族に思われると、つらくなります。
でしょ。私は色々な国のお友達がいますが、正直、欧米の子とかってお弁当も結構雑ですもん。パンとバナナとチーズ、あと生野菜、以上!みたいな。
同じアジアでも、タイとか台湾とかはそもそもが外食文化だから、家に台所がないおうちも多いですしね。
もちろん、海外が良くて日本が間違ってるっていうわけではないですが、こうして世界にはいろんな食文化があるってことを知っとくだけでも、気が楽になりますよ。
そうですよね。自分たちの普通にとらわれて無理しちゃうと疲れちゃう……。
うんうん。でもそうは言いつつ……。私は今の結婚が2回目なのですが、最初の結婚の時は、ご飯はちゃんと作って片付けもやらなきゃ!って思ってましたし、さらにお弁当まで作ってました(笑)。
えー!? 意外。
でも途中で気が付いたんですよ。本当にこのやり方でいいのかな? これ、ずっとできないなって。
今考えると、あの頃そんなに頑張らなくてもよかったんだ、疲れてたら無理してやらなくてもよかったのに。って考えられるようになりました。
もともとは、ちゃんとしなきゃって思ってたタイプなんですね。
そこは親からの影響が強いなって思います。
うちの親は共働きだったんですが、掃除も、洗濯も、食事の用意も、さらに3人の子育てまで全部やっていたのは、母! だから私もお母さんってそういうもんだろうなって勝手に思ってましたね。
確かにそれが普通という家庭で育つと、私もそうしなきゃと思ってしまうかも……(涙)。
でも、実際そうじゃないですよね。今の状況だったり、夫婦によっても考え方が全然違うから、ふたりが気持ちよく暮らせるようにどうすればいいか考えるのが一番。
親の影響って、気づかないけど結構大きいんですよ。だから、必ずしも自分の親のやり方が正しいって思わないくらいの方が、気が楽になりますよ。
そうですね。時代も働き方も違うし、親は親。自分は自分。って思う方がうまくいきそうです。
夫に“家事分担”という概念がなかった!?
ふたりとも家事ができるぴっぴさんご夫婦ですが、実際家事の分担ってどうしてるんでしょうか? そのあたりの役割分担について聞いてみました。
分担は、最初あった方がいいと思って、私がこれやって彼はこれやってとか決めようと思ったんですが、そもそも彼に“家事分担”という概念がなかったんです!
え? どういうことですか?
彼のおうちは、お義母さんが料理が得意じゃなかったみたいで、お義父さんが家族みんなの料理を作ってたんですよね。今、お義母さんは専業主婦ですが、料理は相変わらず働いているお義父さんがやってます。
だから彼も、女性だから、母親だからこれをやるとか、そういう考えが何もなくて「分担? 何それ? やれる人がやればいいんじゃない?」って感じでした。
そもそも、夫婦で分けるという感覚が理解できないんですね(汗)。
そうそう。だからうちも、どっちがどっちってこともないし、手が空いてる方がやればいいじゃないって考えになりました。
私も、「私がこれやったんだから、あなたもこれやってね!」っていう考えをやめて「彼はこれをやってくれたから、私はこっちをやろう!」っていう考え方に変わりましたね。
似ているようで、全然違う!
ついつい「自分はこれだけやってあげるのに……」って気持ちになりがちですが、相手を尊重しつつ自分の意思で動いてる感じが素敵! やっぱり何でもそうですが、やらされ感があるとお互い幸せじゃないですもん。
そうそう。だからうちは、朝ごはんなら朝早く起きた人がやってるし。長男と遊ぶのは力が強い彼の方、細かい予約とかスケジュール立てるのは私の担当とか。お互いを尊重し合うと、分担をしなくても自然とうまくできてますね。
なるほど~。じゃあ夫婦の決まりごととかもないんですか?
家事に関することではないですね。「結婚しても旅行に行こうね」ってことだけは決めましたけど。
お互い大自然が大好きなので、最近だと、テネリフェ島(スペイン領カナリア諸島)で登山したり、アイスランドで氷河や滝巡りをしたり。
彼が提案してくれる国は日本人にあまり知られていないようなエリアが多くて楽しいんです。
[写真1-3枚目すべて]家族で行ったテネリフェ島での山登り。「彼が子どもをおぶってくれるので、2000m級の山なら子連れでも登っちゃいます」
楽しそう♪ では今は家族で行きたい所に行ってる感じなんですね。
そうそう。だから結婚しても窮屈な感じはしないんですよ。子どもも2人いますが、産んでみたらそこまで大変でもないし、家事を頑張りすぎなければ余裕も生まれるし、育児だって楽しめると思いますよ。
結婚したって子どもがいたってやりたいことはできる!
私、独身の頃から「死ぬまでにしたいことリスト」を作ってるんです。今年はエベレストに行ったので、1個達成! 最近だとバンジージャンプもしました。
わぁ! そのリストいいですね。
日々の仕事や育児に追われてると、自分のしたいことって忘れちゃうんですよ。だから書いておかないと、忘れてそのまま死んじゃうかもしれない……。まだまだやりたいことがあるので、たまに見返して更新してます。
確かに、自分のしたいことを棚卸しして記しておくのって大事ですね。
やったことないことを経験できたり、できなかったことができるようになるって、すごい楽しいし幸せじゃないですか。
だから年を取っても、新しいことにチャレンジしたり、やりたいことに関しては妥協したくない気持ちはありますね。
▲ぴっぴさんの『死ぬまでにしたいことリスト』の一部。かなり前から作っているとのことで、「北海道一周の旅」「ラスベガスでギャンブル」など結構な数が達成されています。こうしてやりたいことをまとめておくと、達成したときに気分がいいんだそう。
今新たに挑戦してることは英語! 彼は日本語がしゃべれちゃうので、全然上達しないんです(笑)。だから今年から英会話学校に通い始めました。
「彼が外国人なら教えてもらえばいいじゃん」ってよく言われるんですけど……。
私も今それ言おうと思いました(笑)。
そんな簡単なもんじゃないです! 家だと疲れてるし、通じる言葉で言っちゃう。英語で喋っても通じなかったらもういい!ってなりますよ。無理無理(笑)。
アラフォーになったからか、何でこんなに上達しないんだろう……ってへこむこともありますが、最近はちょっと慣れてきて言ってることが分かるようになってきたので楽しいです。
おぉ成長してる感じがいいですね! 将来は彼の実家の方に住む可能性も?
そうですね、彼の仕事の関係もあって、アメリカに住む可能性はあると思います。それまでに英語は上達していたいけれど、そうじゃなくてもその時はその時で……(笑)。まぁ何とかなるかなって気楽な気持ちでいます。
ぴっぴさんならどこでも楽しく暮らせそう♪
そうですね! アメリカでしたいこともあるんですよ~。大きなキャンピングカーを借りて国立公園を回りながらのキャンプ! 大自然の中でバーべキューしたり、映画見たりとかしたいですね。
日々夫婦のLINEで、「次はここが良さそうだね」っていろいろな国の写真を送り合ってるので夢は広がります。やりたいことがありすぎてリストに書ききれないんですが、人生は長いので健康維持しつつ、一生かけてやり尽くしたいです。
夫婦でしたいことがたくさんあるって素敵! おじいちゃんおばあちゃんになってもいろんな国に遊びに行ってる絵が想像できます♪ ぜひ一生かけて行きたい国を全制覇しちゃってください~。
本日はありがとうございました!
From 編集部
世界レベルで考えると、少し気楽になれるかも
ぴっぴさんの言う「日本人ってみんな家事のレベルが高すぎる」説は、確かにそういう一面もあるなと実感。ご飯は栄養のバランスよく、おかずは何種類かなきゃとか、育児も家事も完璧にこなさなきゃとか、世界レベルで考えたら今の日本は求めるレベルが高すぎるのかもしれません……。
一番大事なのは自分たちがいいあんばいかどうか。引いてもいいところはうまく引き算して、上手に夫婦生活を楽しみたいですね。
構成・文/滝 紀子 イラスト/黒猫まな子
※掲載されている情報は2019年9月時点のものです
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