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フラワーデザイナー落 大造のFlower Tips66「思い入れブーケ&アイテムセレクション」

フラワーデザイナーの落 大造がブライダルフラワーにまつわるお役立ち情報をお届けします! 今回でこの連載も最終回。そこで今までの仕事を振り返り、手掛けたブーケやアイテムの中で印象に残っているものについてご紹介します。どうぞお付き合いください。

自分らしい色合わせにこだわったブーケ

バラやスイートピー、リューココリーネ、ダスティーミラーなどのブーケ
アマクリナムやアジサイ、デンファレなどのブーケ
アマクリナム、トルコギキョウ、スプレーマム、ダスティーミラー、ユーカリなどのブーケ

自分らしさとはなんだろうと模索していた頃、いろいろと試行錯誤するうちに「微妙なニュアンスの色合いに徹底的にこだわる」ことを自分の持ち味にしようと思い、今につながっています。写真1枚目はそんな自分の方向性を見つけるに至った記念のブーケです。

また、アーティスティックというよりは、優しさが感じられるブーケにもこだわりたいと思っています。写真2枚目と3枚目は「優しさ」を上手に表現できたものとして、気に入っているブーケです。

【写真1枚目】「微妙なニュアンスの色合いに徹底的にこだわろう」との方向性を見出した記念のブーケ。バラやスイートピー、リューココリーネ、ダスティーミラーなどを組み合わせた

【写真2枚目】アマクリナムやアジサイ、デンファレなどを用い、自分らしい色使いでまとめたブーケ。「アート」よりも「優しさ」を優先させた

【写真3枚目】アマクリナム、トルコギキョウ、スプレーマム、ダスティーミラー、ユーカリなどでまとめたピンク系ブーケ。こちらも「優しさ」にこだわって作り上げた

花材の良さを引き出し、その魅力を感じたブーケ

アルストロメリアやアジサイ、ニンジンボク、シルバーレース、ミモザアカシアなどのブーケ
シンビジウムやシルバーレースやバーゼリア、ワックスなどのブーケ
バラやクレマチス、スミソウやマトリカリア、キャロットフラワーなどのブーケ

ブーケを作る上では、花材の魅力を引き出すことにもこだわっています。ごく一般的な花の新たな魅力を発見できたときは、フローリスト冥利(みょうり)に尽きますね。

また、お花を組み合わせるときには、色のほか、形や質感にも注意を払っています。異なる雰囲気や質感の花を上手に組み合わせて、お互いの魅力が生きたブーケができたときにも、この上ない喜びを感じます。

写真3枚目のように、はかなげな小花をたくさん集めてブーケに仕立てるときには、花材の力を感じます。小さな花一つ一つが生きて力を持っているからこそ魅力溢れるブーケになるわけで、このブーケを手にした花嫁さんにもきっとなにがしかの力を届けられたのではないかと思っています。

【写真1枚目】アジサイやニンジンボク、シルバーレース、ミモザアカシアなどと組み合わせることで、アルストロメリアの新たな魅力を引き出したブーケ

【写真2枚目】シンビジウムの硬質な質感と、シルバーレースやバーゼリア、ワックス加工のドライフラワーなどナチュラルな葉ものや実ものという、本来は相いれない要素をうまくつなぐことができたブーケ

【写真3枚目】バラやクレマチスなどにカスミソウやマトリカリア、キャロットフラワーなど生命力に溢れた小花を組み合わせたブーケ

デザインや雰囲気にこだわったブーケ

アジサイやスイセン、スプレーバラなどのハートブーケ
バラやトルコギキョウ、アストランチア、アジサイなどのブーケ

ブーケにはさまざまな形やデザインがありますが、時にはちょっと変わった形のブーケを作ることも。例えば、写真1枚目は徹底的にハートの形にこだわったもの。

実はこれ、『ゼクシィ』の記事のために作ったブーケなんです。ハートの形はもちろん持ち方にまでこだわり、綿密に打ち合わせをして仕上げました。深紅のドレスをまとったモデルさんにハートシェイプのブーケが映えてとても素敵な写真に仕上がり、感動したのを覚えています。

また、雰囲気にこだわって作り上げることもあります。写真2枚目はクラシカルブーケのイメージを変えるべく、軽やかに仕上げたもの。重くなり過ぎず、暗くなり過ぎないことを心掛けました。

【写真1枚目】アジサイやスイセン、スプレーバラなどでハートをかたどったキュートなブーケ

【写真2枚目】バラやトルコギキョウ、アストランチア、アジサイなどでまとめたクラシカルブーケ。重厚感ではなく、軽やかさが出るように

細やかさを持って作り上げるアイテム

アジサイやフランネルフラワー、アゲラタム、アストランチアなどのリストレット
ビバーナムやバイカウツギ、ワスレナグサなどのリングピロー

細やかさも自分らしさの一つだと思っています。ブーケにしてもアイテムにしても、このお花が一輪欠けただけでも作品が完成しないというくらいの繊細さで花材を選び、仕上げています。

また、コツコツと作業を続けて一つの作品を仕上げることも。写真2枚目のリングピローは、小花を一つずつ丁寧に吸水スポンジに挿していくという地道な作業をひたすら続けることで完成しました。そんな細やかな作業の結果として作品にもう一つのストーリーが付加されることとなり、何ともいえないうれしさを感じることもあります。

【写真1枚目】アジサイやフランネルフラワー、アゲラタム、アストランチアなど、どのお花が欠けても成り立たない絶妙のバランスで仕上げられた生花のリストレット

【写真2枚目】ビバーナムやバイカウツギ、ワスレナグサなど小花を集めて作った繊細なリングピロー

好きな花を使ったブーケ

アジサイ、アガパンサス、クレマチスの実、ユーカリのブーケ
アネモネ、ライラック、スイートピー、スカビオサのブーケ

フローリストという仕事柄、「好きな花は?」と聞かれることがよくあります。答えは「なんでも好き」です。また、色についても聞かれますが、こちらも答えは同様です。

ただ、お花には白とグリーンにしか醸し出せない陰影というものがあり、そこに引かれることは確かです。アジサイはそれを表現するのにうってつけ。ということで、アジサイが一番好きな花といえるかもしれませんね。

また、アジサイの次に引かれるのがアネモネです。艶っぽさとナチュラル感の双方を備えているお花は、他にあまり見当たらないような気がします。

【写真1枚目】アジサイをメインにアガパンサスやクレマチスの実、ユーカリを組み合わせたブーケ。独特の陰影に引かれる

【写真2枚目】パープルのアネモネをメインにライラックやスイートピー、スカビオサを組み合わせ、愛らしくまとめたブーケ

<番外編>エピソードブーケ&アイテム

ピンクのイングリッシュローズ、ダスティーミラーなどのブーケ
バンクシアやスカビオサ、ユーカリなどブーケ
アネモネ、セリンセ、ビバーナムのブートニア

ここでご紹介するブーケ&アイテムは作成時のエピソードが印象的で、記憶に残っているものです。

写真1枚目は結果オーライだったブーケです。実は私のキャリアの中でただ一度だけ花嫁さんの希望とは異なるブーケを用意したことがあります。

花嫁さんのご希望は白一色で、イングリッシュローズを使用するというもの。ところが、当時、イングリッシュローズは高価で、あまり出回っていませんでした。そんな中で手に入ったのがピンクのイングリッシュローズ。色は異なるものの絶対にお気に召していただけるとの確信で、私はそのバラを使いました。お届けしたとき、「ピンクなのね! なんて素敵な裏切り!」と大感激してくださった花嫁さん。ホッと胸をなで下ろしました。

写真2枚目は『ゼクシィ』のために作成したもの。ブーケとしてはかなり思い切った花材を使用し、デザインも個性的な感じに仕上げました。そのブーケがスタイリストさんによって絶妙にスタイリングされ、モデルさんが持つことによってさらに輝きを増したことを目の当たりにして、大きな喜びを感じました。

写真3枚目は撮影中に「ブートニアがあるとうれしいんだけど」と言われて、即興で作ったものです。ほんの数分で仕上げたものですが、何時間もかかった作品に引けを取らない生命力を持って、輝いてくれました。

【写真1枚目】ピンクのイングリッシュローズにダスティーミラーを組み合わせて。結果オーライでホッとしたブーケ

【写真2枚目】バンクシアやスカビオサ、ユーカリなどを組み合わせたクラッチブーケ。花材もデザインも個性的に

【写真3枚目】アネモネにセリンセやビバーナムを合わせて即興で作ったブートニア

連載の最後に……

独立したばかりの頃は「結婚する同世代のためによい仕事をしたい」という思いで、晴れの日のお手伝いをさせていただいていました。同じ時代を歩んできた者だからこそ見える視点を最も大切にしながら、がむしゃらに進んできたのです。

徹夜明けで会場中を走り回って大掛かりな装飾を行い、片付けが終わったらそのまま次の準備……。それからだいぶ時を経て、今はさすがにそんなふうに仕事をこなすことはなくなりました。

でもその分、一つ一つの仕事をいろいろな角度から眺め、ゆっくり丁寧にお花の準備をさせていただいています。年齢的に結婚するおふたりを見守る立場になったことも、視点の変化に影響を与えているのでしょう。「大丈夫。お任せいただければ、必ず素敵なお花を用意しますよ」。いつの間にか打ち合わせの最後に、そう落ち着いて伝えることができるようになりました。

結婚式の準備で一番大切なことは情報を集めて効率よくこなしていくことではなく、夢を持って当たることだと思います。この連載でお伝えしてきたのは自分が今までの経験の中で培ってきたノウハウですが、それぞれが花嫁さんの夢を膨らますための鍵のようなものになって役立つとしたら、こんなにうれしいことはありません。

長い間ご愛読いただいた方々には本当に感謝しています。ありがとうございました。

落氏の顔写真
Profile

落 大造 フラワーデザイナー

おち だいぞう/大手フラワーショップで8年の経験を積んだ後、独立して自由が丘に「les Deux(レ・ドゥ)」を開店。2016年11月からは「こあん(co-an)」と店名を変えた。ブライダルフラワーを中心に、誕生日や結婚記念日などお祝いのお花も手掛ける。『ゼクシィ』をはじめ、さまざまな雑誌で活躍し、繊細なセンスと個性的なアイデアで多くのファンを獲得している。

構成・文/粂 美奈子 
※掲載されている情報は2017年2月時点のものです

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