贈り物と訪問のマナー
贈り方のルール
贈り物上手になるポイントは、タイミングを外さないこと。そして、目的をはっきり伝えること。祝儀袋やのし紙に表書きをするのもそのためです。贈り物のシーン別に、贈り方とお返しの基本を覚えておきましょう。
贈り物のシーン別に覚えておきたい基本ルール
入園、入学祝いなどの節目のお祝いは早めに、出産祝いは母子ともに無事を確認してから、お中元、お歳暮はタイミングを外さずに贈るのが、贈答の基本マナーです。また、贈り物にはお返しが必要な場合と、不要な場合があるので、注意して! 結婚祝いや出産祝い、お見舞いをいただいた時は、「内々のお祝いをともに喜んでいただきたい」という意味で、「内祝」の表書きでお返しをすることも覚えておきましょう。
節目・記念のお祝い
ベビー服のほか、幸せな赤ちゃんは「銀のスプーンをくわえて生まれてくる」という欧米の言い伝えに習った銀製品などが出産祝いの定番。母子ともに無事に退院したことを確認してから贈りましょう。出産後はお母さんの睡眠不足が続き、赤ちゃんの抵抗力も弱いので、先にお祝いを贈って相手が落ち着いた1~2カ月後に訪問するのがおすすめ。出産祝いをいただいた場合は、「内祝」としてお返しを。
- 贈る時の祝儀袋と表書き
- 紅白の蝶結びの水引・のし付き。「御祝」「御出産御祝」など。
- お祝い金の目安
- 友人・知人なら5000~1万円。親族は1~2万円。
- お返し(内祝)
- お祝いをいただいてから1カ月以内に。いただいた額の3分の1~半額が目安。
- お返しの品の表書き
- 「内祝」として子どもの名前を入れます。親族や親しい友人へのお返しなら、お礼状と子どもの写真を添えてお披露目を。
子どもの成長とともにやって来る節目は、何かとお金がかかる時期。身内や親族は、学用品や図書カード、現金など、実用的なものを贈るのが一般的です。入園・入学・就職祝いは3月中に。成人式ならお正月にお祝いを。身内のお祝い事の場合はお返しは不要ですが、親族以外からのお祝いには、ケースによってお返しを。
- 贈る時の祝儀袋と表書き
- 紅白の蝶結びの水引・のし付き。「御祝」「御入学御祝」など。
- お祝い金の目安
- 入学祝いなら5000~1万円、就職・成人式なら1~3万円。
- お返しが不要なケース
- 親族には不要。お祝いをいただいてから1カ月以内に本人からお礼状を。入園、小学校入学祝いのお返しなら、子どもが描いた絵や記念写真を添えても。
- お返しが必要なケース
- お祝いをいただいた相手のお子さんへのお祝いが、お返しの代わりになります。ただし、相手が独身者であったり、子どもが成長していてお返しする機会がない場合は、1カ月以内に、礼状を添えて簡単なお返し品を。表書きは「内祝」として子どもの名前で。
夫婦ともに歩んできた歳月を祝う記念日は、子どもたちが中心になって祝ってあげたいもの。食事会やパーティを開いたり、温泉旅行をプレゼントするもの素敵です。盛大に祝うのは結婚25年の「銀婚式」と50年の「金婚式」。親族の結婚祝いに招かれた時は、記念になる贈り物やお祝い金を包んで出席を。金額は、立場によって1~5万円が目安。
- 贈る時の祝儀袋と表書き
- 紅白か金銀の蝶結び水引・のし付き。 「御祝」「祝○婚式」。
- お祝い金の目安
- 金・銀婚式の場合は1~5万円。親族と相談し、立場によって金額を合わせる方が無難です。
- お返し
- 特に必要ありませんが、祝ってもらった夫婦の名前で、簡単な記念の品を「内祝」として贈ることも。
60歳(数え年で61歳)を迎えたら「赤いちゃんちゃんこ」を着て祝う。これは、生まれ年の干支(えと)に戻る還暦に、魔除けのために産着に使われた「赤」を着て新たな人生を祝うという意味。今では60歳でも現役の人が多いので、本格的な長寿祝いは77歳・喜寿あたりから。親や祖父母のお祝いは、夫婦で大切に祝ってあげたいものです。
- 贈る時の祝儀袋と表書き
- 紅白か金銀の蝶結びの水引・のし付き。「御祝」「寿」。
- お祝い金の目安
- 1~5万円。親族と相談し、立場によって金額を合わせる方が無難です。
- お返し
- お祝いの会を開いた場合は、赤飯、紅白餅などを集まってくれた人に「内祝」として配るのが一般的。親しくしているご近所に配ることも。
長寿のお祝い
| 60歳 | 還暦(かんれき) |
|---|---|
| 70歳 | 古稀(こき) |
| 77歳 | 喜寿(きじゅ) |
| 80歳 | 傘寿(さんじゅ) |
| 88歳 | 米寿(べいじゅ) |
| 90歳 | 卒寿(そつじゅ) |
| 99歳 | 白寿(はくじゅ) |
| 100歳 | 百賀(ひゃくが) |
季節のあいさつ
「御中元」と「御歳暮」は、日ごろの感謝の気持ちを伝える季節のごあいさつ。儀礼的に贈るより、夏休みや年末年始に夫の実家に帰省する時に手渡したり、心をこめた手紙と一緒に届けたいもの。お返しは不要ですが、目上のかたや親族から「御中元」をいただいた時は返礼を。お中元の時期に間に合わない場合は「暑中御伺」や「暑中御見舞」と表書きを変え、「御歳暮」をいただいた時は「御年賀」としてお礼をした方が良いでしょう。金額はおつきあいの程度に合わせて3000~5000円程度が一般的です。
| お中元 7月初旬から15日ごろまでに |
お歳暮 12月初旬から25日ごろまでに |
|---|---|
| 西日本では8月初旬から15日ごろにお中元を贈るなど、地方によって習慣の違いがあるので注意を。 | お正月に食べていただきたい生鮮品を送るケースも多い。その場合は事前に相手に連絡をし、遅くても30日までには届くように手配を。 |
| 暑中お見舞・暑中お伺い 7月15日~立秋の8月7、8日ごろまでに |
お年賀 1月2日から松の内の7日までに |
| お中元時期を過ぎてしまった場合は、表書きを「暑中御見舞」「暑中御伺」と表書きを変えれば、失礼になりません。 | 年始訪問には菓子折り、お酒などを。また、お歳暮を贈りそびれてしまった時は、「御年賀」と表書きを変えて贈ればOK。 |
| 残暑お見舞・残暑お伺い 立秋の8月7、8日ごろ~8月末ごろまでに |
寒中お見舞 寒の入りの1月6日ごろ~立春の2月3、4日ごろまでに |
| 「暑中御見舞」をいただいてお礼がしたい時に。目上のかたには「残暑御伺」の表書きで。 | 「御歳暮」や「御年賀」をいただいて、松の内過ぎにお礼をする時は、「寒中御見舞」の表書きで。 |
お見舞いとお返し
入院や手術の知らせを受けたときは家族や本人に容態を聞き、お見舞いに行っても迷惑にならないかの確認を。病状をくわしく知らせたくない場合もあるので、しつこく聞くのはタブー。検査や手術の前後、病状が安定していない時はお見舞いを控え、手紙を出すか、家族宛にお見舞い品やお見舞い金を。
地震・台風・火災などに遭遇されたかたへの災害見舞いは、まず安否を確認してから。後片づけなどで人手が足りないようなら駆けつけて手伝うのがいちばんのお見舞いです。現金を送る時は、急ぎのことなので白封筒に「御見舞」と表書きして現金書留で。災害見舞いにお返しは不要がルールなので、相手の負担にならない金額を。いただいた場合は、落ち着いてから、ていねいなお礼状を。
- 派手な服装、香水はタブー
- お見舞いの時は、派手な服装や喪服を連想させる黒ずくめの服装は避けたいもの。きつい香りの香水もタブーです。ほかの患者さんに迷惑をかけることもあるので、大勢で押しかけたり、子どもを連れていくのもNG。面接は15分程度で切り上げて、同じ病室の人へも「お大事に」「お騒がせしました」の言葉も忘れずに。
- 気をつけたい病気見舞の品
- 病気が「根づく」鉢植えの花や「首から落ちる」椿、「色があせる」紫陽花、「葬儀」を連想させる菊、「血」を連想させる深紅の花や香りの強いユリなどはお見舞いには不向きとされます。病気によっては食事制限もあるので、果物やお菓子など食べ物をお見舞い品にしたい時は事前に確認を。病院では携帯電話が使えないのでテレフォンカードも喜ばれます。
- 病気が回復したらお返しを
- 病気見舞いをいただいた時は、退院後1カ月以内にお返しを。「病気を残さない」という意味で、石鹸やお菓子などの消耗品を贈るのが一般的です。全快した時は「快気祝」、とりあえず退院したので身内で祝う時は「快気内祝」、長期入院になりそうなときや、回復せず他界したときなどは「御見舞御礼」の表書きでお返しを。お返しは、いただいた金額の半返し~3分の1が一般的です。
こんな時はどうしたら良い? 贈り物Q&A
- 贈っていない相手からお中元や
お歳暮をいただいた時は? - まずお礼状を。すぐに品物を贈るのは、相手が催促したような印象を与えるので、失礼です。「御中元」をいただいたときは「暑中御見舞」や「残暑御見舞」、「御歳暮」なら「御年賀」、「寒中御見舞」として改めて贈りましょう。
- お中元やお歳暮を贈りたい相手が
喪中の時は? - 四十九日の忌明けまでは控え、時期をずらして贈ります。目上のかたなら「暑中御伺」や「寒中御伺」とし、紅白の水引やのしなしの奉書紙を掛ければ失礼になりません。送り状には励ましの言葉も添えて。
- おつきあいが疎遠になった人への
贈り物をやめたい時は? - おつきあいがない形式だけの贈り物は、相手も恐縮してしまうもの。結婚式だけでお世話になった仲人や転勤して数年経つ上司の場合は、3年、5年などの区切りのいい時期で贈るのをやめても構いません。
- 受け取りたくない品物が届いたら?
- 心当たりのない人からの贈答品や賄賂(わいろ)とも受け取れる品物が届いた場合は、開封せずに包装をし直し、送り返すほうが賢明。「立場上いただけません」と断りの手紙をつけておくことも忘れずに。








