新潟男性はおだてに弱いんだって

恋愛は米作りと同じ?決めたら一筋の新潟男性

地域によって方言や名物があるように、男性にもご当地の特徴があるのでは……? そんな疑問を調べてみました。今回は新潟県の男性についてご紹介します。新潟県といえば、全国有数の米どころですよね。広々とした田園風景の中で、おいしいお米を食べて育った新潟の男性は、どんな性格と恋愛傾向を持っているのでしょうか? 県民性研究の第一人者、岩中祥史さんに伺いました。

新潟男性はおだてに弱く、頼まれたら嫌と言えない?



冬、雪に閉ざされる地域では、どのような男性が多いのか気になります。米どころだけにお酒が強いような気もしますが、性格はどうでしょう?

「まじめで、勤勉な努力家というのが新潟男性に共通する特徴。粘り強さ、我慢強さも目立ちます。というと、頑固な印象を受けそうですが、江戸・東京とは昔から結び付きが強いせいか、新しいものを受け入れる柔軟性も。人に頼まれると、ましてそこに『おだて』でも入ると、何でも引き受けてしまうため、江戸時代は『頼まれれば江戸まで餅つきに』という言葉もあったほどです。

苦しいこと・大変なことでも、嫌な顔ひとつ見せずにコツコツ打ち込みます。理由は簡単。新潟県が全国屈指の雪国だからです。雪かき・雪下ろしに要領は通用しません。ただ黙々と体を動かすしかありません。そのため、いや応なしに足腰が鍛えられたようで、戦国時代は『越後の兵は日本一屈強』などとも言われました。また、米の大生産地ということも影響しているようです。無駄口をたたく暇があったら働けというのが米作りの鉄則。さすがにそれではストレスもたまるので、総じてお酒好きではあります」

離婚率が低い新潟男性は、しっかりした女性を好む?



雪国は我慢強さをつくることがあるんですね。思い通りにならない自然の圧倒的な力を前にすると、黙々と取り組む力が育まれるということでしょうか。ところで新潟男性の恋愛傾向はどのようなものでしょう?

「口数が少なく、軽口やジョークも苦手なので、自分から積極的に女性にアプローチしようとしないのが新潟男性の特徴。機が熟すのを黙ってじっと待つタイプと言っていいでしょう。ひとたび付き合い始めると脇目も振らず、真剣一筋。そうでなければお米は作れません。冬は雪に耐え、夏は暑さに耐えながら黙々と米作りに励む風土で育ってきたのが最大の理由でしょう。

また、女性を遊ぶ対象などとは思ってもみないので、チャラチャラした感じの女性とは波長が合いません。仕事や家事に懸命になれない女性も敬遠します。当然、浮気や不倫などとは無縁。離婚率が低い(2014年は2位※)のも納得です。ただ、我慢強いといっても、女性があまりにもわがままだと怒ることも」

新潟ならではの雪深さと1年をかけて毎年続ける米作りが、新潟男性の性格に影響を与えているのは興味深いですね。仕事や役割をしっかり果たすという、責任感が強い男性が多い印象を持ちました。新潟男性の場合、積極的にアプローチしてこなくても、じっと機をうかがっている場合もありそうです。新潟男性を狙う際は、ぜひそのあたりをしっかり見極めたいものですね。(ぱう)

※出典:平成28(2016)年人口動態統計(厚生労働省)

【取材協力】
岩中祥史(いわなか・よしふみ)さん
編集企画会社エディットハウス代表取締役。出版プロデューサー、ノンフィクション作家。これまで手掛けた書籍は800冊以上。著書は『名古屋学』『博多学』『札幌学』『広島学』『鹿児島学』『新 不思議の国の信州人』『新 出身県でわかる人の性格』『名古屋の品格』『城下町の人間学』『「いい夫婦」の旅術』など多数。