「私=I」を主語にすれば角が立たない!?

「恋愛力が上がる」口ぐせがあるって本当?

皆さんには、つい口から出てしまう「口ぐせ」がありますか?

臨床心理士であり、「口ぐせ」に関する著書がある山名裕子さんによると、意識していないだけで誰もが何らかの口ぐせを持っているのだそうです。そしてそれが、外見や感情、行動にも影響を与えているのだとか。

そして、口ぐせでキレイになったり、恋愛力を上げたりすることも可能なのだそう。
山名さんに「彼ともっとラブラブになる口ぐせ」について、教えてもらいました!

「大好き!」と口に出して伝えれば、彼からも愛が返ってくる



山名さんによると、「恋愛関係においては、ぜひ『大好き』という言葉を積極的に口に出してほしい」とのこと。
「大好き」という言葉は、人間が持つ「認められたい」「愛されたい」などという承認欲求を満たし心を柔らかくしてくれる言葉なのだとか。恋愛中に、タイミングよく使うことで、ふたりの仲が深まる効果が期待できるのだそう。

「彼に、照れながらであっても『大好き!』と伝えると、相手からも愛情が返ってくることが期待できます。人から何かをしてもらったら、自分も返そうとする心理を、心理学用語で『返報性の原理』と言いますが、愛情表現されると、言われた男性も『もっと彼女のことを大切にしよう』と無意識的に感じるようになります。言葉で愛情を伝えるのは恥ずかしい…と思うかもしれませんが、この言葉一つで、カップルの関係性がより円滑になるのです。日本人は『大好き』と言う言葉を使うことに慣れていませんので、彼に対しては日常的に使うというよりも記念日やイベント時に使ってみることをオススメします。照れている姿も彼の目に愛おしく映りますよ。また彼に『大好き』と言われたときは『わたしも』とだけ返すのではなく『わたしも大好き』と口にしてほしいですね」

直接彼に伝えるだけではなく、彼に会えないときに、ひとりで「○○大好き」と繰り返しつぶやくことも効果的とのこと。同じ人に繰り返し接すると、好意度が高まるという心理を「単純接触効果」と言いますが、これと同じ効果があるのだとか。

「例えば、ひとりでいるときに『○○君大好き、会いたいなあ〜』と独り言を言ったり、友達に対して『私、彼のことが本当に大好きなんだよね』と話したりすると、気持ちの中での『単純接触効果』が高まり、彼が好きだという気持ちがどんどん高まります。そうすれば、実際に彼に会えたときには、好きの感情が最大限に盛り上がり、振る舞いも変わるはず。女性がご機嫌で楽しそうにしていることが男性にとって最も居心地が良いのです。『大好き!』という言葉もさらに自然に、思いを込めて言うことができますよ。」

彼に不平不満を伝えるときは、「私=I」を主語にすれば角が立たない



山名さんによると、「恋愛中の彼とのコミュニケーションは、“アイ・メッセージ”を意識すればより円滑になる」とのこと。

「アイ・メッセージ」とは心理学用語の一つで、「私=I(アイ)」を主語にして自分の感情を相手に伝えるコミュニケーション方法です。恋愛中は、相手のことが好きであるがゆえに、自分の思いが伝わらなくてイライラしたり、不平不満をぶつけ過ぎたりしてけんかになることも多いもの。そういうときに、この「アイ・メッセージ」が役に立つのだそうです。

「恋人とけんかをするときは、『あなたはこうしてくれない!』とか『あなたは私の気持ちなんて何にもわかってない!』など、「あなた=YOU」を主語にして文句を言いがちですが、『ユー・メッセージ』は相手の気持ちを逆なでして、カッとさせてしまいます。相手が「責められている」と感じて反発心が生まれてしまうので注意が必要です。主語をYOUからIに変えるだけで、印象がぐっと和らぎますよ」

「例えば、『あなたはこうしてくれない!』ではなく、『私はこうしてくれたら助かる』に、『あなたは私の気持ちなんて何もわかっていない!』ではなく、『私はこう願っているんだけど』と言い換えると、かなり印象が柔らかくなりますよね。YOUをIに変えて口に出すことで、相手への不平不満や文句ではなく、自分の気持ちを伝える言い方に変わるため、あなたが本当に伝えたいことが、彼に伝わるようになりますよ」

ネガティブな言葉からは何も生まれず、自分自身がネガティブになるだけ



ちなみに、遅刻癖がある彼と付き合っている場合は、「何でいつも遅刻するの!?」とユー・メッセージで伝えると詰問口調になりますが、アイ・メッセージで「私、いつも待つのが大変だから、時間通りに来てくれると嬉しいな」と伝えると印象が柔らかくなるし、相手に「彼女の気持ちに応えてあげないと」と思ってもらいやすくなるそうです。

「そもそも、ユー・メッセージで詰問するのは、かっとなって感情に任せてネガティブな言葉を吐き出している状態。ネガティブな言葉からは何も生まれません。罵声の応酬になるか、相手を委縮させたり引かせたりするだけですし、ネガティブな言葉が耳から入って脳に影響を与え、言葉を発したあなた自身がさらにネガティブになります。言葉が自分自身に与える影響を軽視しないでくださいね」

いかがでしょうか?どれも決して難しくはなく、ちょっとした心掛けでできるものばかりですよね?
彼とラブラブでい続けるためには、「照れずに大好き!と口に出す」「文句を言いたくなったらアイ・メッセージで伝える」と心得ましょう。ますますふたりの仲が盛り上がっちゃうかも!?(山崎 はるな)


【取材協力】
山名裕子さん
「やまな mental care office」代表。臨床心理士。
主に認知行動療法によるカウンセリングを進め、心の専門家、臨床心理士としてメディア出演をはじめ幅広く活動中。主な著書に『幸せを引き寄せる「口ぐせ」の魔法』(ダイヤモンド社)、『バカ力─完璧をめざさない強さ』(ポプラ新書)、『一瞬で「できる男」と思わせる心理術』(宝島社)など。